笑楽日塾の事件簿blog

笑楽日塾の事件簿

就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

新年ご挨拶 笑楽日塾塾長 荒井貞夫

≪笑楽日塾塾長 荒井貞夫 新年のご挨拶≫

皆様あけましておめでとうございます。

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ミステリーが好きな「菅理太郎氏」が「笑楽日塾の事件簿」というタイトルでブログを始められて、2021年12月4日に100号を発行されました。ここに至るまでの地道な行動力に心から感謝申し上げます。

小生については、2020年8月4日号で紹介して頂きました。

https://warabijyuku.hatenablog.com/entry/2020/08/05/080000

笑楽日塾ではどこにでもいるオヤジたちが、それまでの企業での肩書きなどは知らずに、聞かずに、全くフラットな形で付き合っているので、どんなに偉い事をやってきたのか知りません。食事したり飲んだりして集まっても、どこの有名大学だったとか、何処の会社だったとか自慢することはしません。全く格差を感じないオトナの付き合いです。

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一方で、政治、経済、外交などに向ける目は厳しく「何やってるんだ」と政府へ憤りをぶつけることもあります。2020年1月に新型コロナが発生してからは、気楽に集まれなくなってしまいましたが、時代にマッチした新しい道具Zoomを使いこなして、塾生が経験と学びを語る「オンライン公開講座」を2020年8月から始めました。70才代~80才代のシニアが四苦八苦しながら練習を繰り返して、パソコンの前で語る姿は誇らしいものがあります。オンライン公開講座の様子を事件簿が毎回伝えて下さり、継続される努力に感謝しております。

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昨年はスポーツで思い出の多い年でした。大谷翔平さん、松山英樹さん、池江璃花子さんなどから、言葉に尽くせない心が震えるような感動を味わえました。1年延期された2020東京オリンピックパラリンピックでも選手の活躍とその裏に潜む激しい情熱を知り、何度も感動しました。

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2022年はどのような感動があるのか、冬期オリンピックでどんな活躍が観られるか、ゴルフや野球、サッカーなどで誰が活躍するのか楽しみです。笑楽日塾はオンライン講座を3月までプログラムが埋まっています。その後どうするのか、まだコロナウイルスとの戦いは続くでしょうから、外出を自粛して、三密を回避し、マスクをしながら会話して何が出来るかと、次の道を思案中です。これからもどうか事件簿をご覧下さい。

 

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新年あけましておめでとうございます。

新しい年が始まりました。お読みいただいている皆様にとって良い年になりますよう心からお祈り申し上げます。

笑楽日塾の紹介を目的に1年半前から書き始めたブログですが、試行錯誤しながらも2回目の新年を迎えることが出来ましたことは、ひとえに皆様の叱咤激励のお陰と感謝しております。本年も笑楽日塾の紹介記事と、微力ながらも子供達の未来のために環境問題を織り交ぜながら書き続けますので、お時間のある時にお立ち寄りください(管理太郎)。

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現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界へ の扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

また、12月9日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第5回「新幹線電車発祥の地はどこですか」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。放送日は1月14日(金)~1月20日(木)までで、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方でオンライン公開講座受講をご希望の方は次のID番号でご参加ください。Zoomの参加ID番号は 817 2214 7316 です。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第6回は1月13日(木)20時より、「手漉き和紙の里・探訪記」と題し、当笑楽日塾塾生が「手漉きと機械漉きはどう違うのか?手漉き和紙の材料、作り方」など、手漉き和紙の疑問に答えるとともに、日本の原風景ともいえる全国各地の和紙の里をご紹介いたします。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

第3回公開講座「私たちの暮らしと地球温暖化8/8」

このシリーズは2019年10月に行われた講座のご紹介で、「私たちの暮らしと地球温暖化」の最終回≪閉会の辞・締めの挨拶・岸田外務大臣(当時)とピコ太郎さん≫です。

≪閉会の辞:司会者≫

それでは閉会に先立ちまして一言申し上げさせていただきます。前田様のお話で、私たちは身近なところから『COOL CHOICE』を始めることが大事だとよく分かりました。質疑応答にもありました地球温 暖化に対する懐疑派ですが、7月の初めに出ましたNewsweekの日本版にアメリカのボストン大学哲学・科学史センター研究員リー・マッキンタイアさんが『一向に可決されない温暖化対策法案のニュースに、気候と天気の違いも分からない政治家が大勢いることが一因となっている。極め付きは、「地球は平面だ」と主張する「フラットアース論者」が増えていることだろう』。こうした科学を軽視あるいは否定する風潮に科学者は証拠やデータを示して説明しがちだが、すると『それは100%真実の証拠か』という反撃を受けて堂々巡りになり、彼らの懐疑論をより硬くさせることになるわけです。また『データは人の考えを変えられない、人は信頼できる人との対話を通じて考えを変える』と言っています。前田様の行動はこれに当てはまるのではないかと思い、私はこの考え方に賛同いたしました。

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地球温暖化のデータ云々も大事でしょうが、地球温暖化の危機に対して地道に『COOL CHOICE』をされてきた前田様の人としての信頼感が我々の考えに影響を及ぼして、行動を変えるきっかけになるのではないかと思います。是非ご来場の皆様にはご帰宅後も前田様のお顔を思い浮かべて『COOL CHOICE』の一歩を踏み出していただければ幸いです。本日は前田様そしてご来場の皆様には長時間ご拝聴いただきましてありがとうございました。最後に私どもの荒井塾長より挨拶をさせていただきます。塾長お願いいたします。

≪締めの挨拶 荒井貞夫≫

皆さまお疲れさまでした。前田様ありがとうございました。只今皆様にご覧いただきましたスライドのデータを前田様からお預かりしたときに、非常に見やすく綺麗に整理されていましたので『これは素晴らしいものだ』と直感し印刷物にしました。今日お集りの皆様は、この講座を聞いてお帰りになられるだけでも十分価値があることと思いますが、やはりこれは資料として残し『後日お友達とお会いした時に最近こういう勉強をしたよ』と自慢できるものを作ってみました。

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私は恥ずかしながらこの環境省のチラシを初めてみましたが、この中には≪COOL CHOICE≫とは何かということがそれぞれ分かりやすく書かれています。新しい環境大臣は小泉さんですが、このチラシを使ってうまくPRすれば国民すべての温暖化防止に対する意識が向上するのではないかと感じる次第です。このチラシなら子供も大人もみんな分かりやすいと思います。

それからもう一つは環境問題で、先ほど前田様がおっしゃっておられました温室効果ガス排出規制です。私は鉄道おたくですので知っていたのですが、この公開講座の冊子に何を書こうかと考えた時に『最近ヨーロッパでは飛行機に乗らずに汽車で移動するべきだという運動が流行っている』ということを思い出しました。この20年ほどの環境問題がこんなに騒がれる前にも、実は鉄道会社は赤字の時代があり、今も貨物鉄道会社は大変に苦労しています。貨物をトラックや船から鉄道にシフトさせようというキャッチコピーを作りましたが、トラックで1トンの貨物を1キロメートル運ぶと153グラムのCO2を排出し、船を使えば内航海運(国内貨物の海上輸送)の場合で38グラムのCO2を排出します。ところが鉄道を使えばなんと21グラムで済み、トラックの7分の1のCO2を排出量で済みます。そこで『世の中のために鉄道を使いましょう』と企業家に説明するのですが『CO2を削減してもうちの原価は下がらないよ』と言われてしまいます。ところが大企業のトヨタ自動車が真っ先に鉄道輸送を使い始めました。それまではトラックと船で運んでいましたが、専用のコンテナ貨車を作り、朝7時少し前に自動車部品を積んだ20両連結の貨車が蕨駅を通って青森の工場まで毎日運んでいます。前田様もお話の中で『鉄道輸送がCO2の削減に役立つ』と言っておられますが、このように大企業も真剣に取り組み始めたことは大変うれしいことです。

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最近テレビに映る国会議員が胸に丸い虹色のピンバッジを付けているのをよく見かけます。その国会議員がイギリスに視察に行ったときに、あるジャーナリストがそのバッジを見て『日本人はCO2削減に努力しないで、あたかも熱心に取り組んでいるように見せかけている』と皮肉られてしまいました(このバッチはGOALSのOと17の目標をモチーフにしたもので、周りは17色に分けられています)。

6月の蕨市議会では『蕨はSDGsの取り組みについてどうなっているのか』と質問され行政の回答者が大変困惑していました。私はそのときの議事録を見て質問した議員に対し『流石だな』と思いましたし、これからは市民が一つになって「蕨が先進的な取り組みを行っている」ということをアピールしなくてはならないと考えさせられました。

蕨は歯の健康運動とか体を動かす健康運動、高齢者の「いきいき元気体操」など他の町より進んでいることも沢山あります。加えて環境の問題に関しても『蕨はやはり先進的だ』と言われるような町になったらいいなと思っています。

私たちはこの8月12日に蕨市の協働提案事業として大きな講座を開催しましたが、これを認めていただくため市長に直訴して予算も付けて頂きました。私は今回の講座の結果を見て決めようと思っていたのですが、このような市民向けの環境講座を来年か再来年には協働提案事業にしていただくよう市に働きかけたいと思います。

今日は蕨ケーブルビジョンで収録してくれています。この放送を市長もおそらく見てくれると思いますので『荒井はいいことを言ってくれたな』と言って、来年か再来年あたり採択してくれたら本望です。その時は前田様にまた来ていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。

司会者:これですべてのプログラムが終わりました。今一度前田様に盛大な拍手をお願いします。(会場より大きな拍手)

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あなたはどんなチョイスをしていますか?

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           .      表面             裏面

≪岸田外務大臣とピコ太郎さんも一役を担ってくれました≫

SDGsがパワフルなところは、この数値目標を定期的にモニタリングしていくことです。その進捗をモニタリングしていく枠組みとして、国連ハイレベル政策フォーラム(HLPF:High Level Political Forum)というものがあります。

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2017年の進捗報告では、ピコ太郎さんがSDGsPPAPバージョンを作り国連で披露したことで、ニュースでも取り上げられましたので覚えている方もいらっしゃるかもしれません。

ピコ太郎さんがSDGsの認知度を上げるために一役を担ってくれました。https://www.youtube.com/watch?v=H5l9RHeATl0

2021年12月追記:なんと岸田現総理大臣も当時は外務大臣として、ピコ太郎さんと一緒にPPAPを披露しています。)

アル・ゴア元副大統領来日記事出典:サステナブル・ブランドジャパン≫

≪SDGs17の目標・ピコ太郎さんの記事出典:イマココラボHPより≫

≪動画チャンネル出典:環境省COOL CHOICE≫

≪年末のご挨拶≫

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2021年も大晦日を迎え、まもなく今年も終わろうとしています。月並みではありますが、年を重ねるとともに月日の経つのが早く感じられるようになり、今年も例年同様あっという間に過ぎ去った感があります。何の知識もなく一昨年の7月から書き始めたブログですが、怖いもの知らずに書きまくっていたら何時の間にか1年半が経っていました。途中で挫折することなく今年の年末を迎えることが出来ましたことは、お読みいただいている皆様からの後押しがあったお陰と深く感謝しております。ありがとうございました。

皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。

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現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界へ の扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

また、12月9日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第5回「新幹線電車発祥の地はどこですか」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。放送日は1月14日(金)~1月20日(木)までで、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方でオンライン公開講座受講をご希望の方は次のID番号でご参加ください。Zoomの参加ID番号は 817 2214 7316 です。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第6回は1月13日(木)20時より、「手漉き和紙の里・探訪記」と題し、当笑楽日塾塾生が「手漉きと機械漉きはどう違うのか?手漉き和紙の材料、作り方」など、手漉き和紙の疑問に答えるとともに、日本の原風景ともいえる全国各地の和紙の里をご紹介いたします。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

第3回公開講座「私たちの暮らしと地球温暖化7/8」

このシリーズは2019年10月に行われた講座のご紹介で、「私たちの暮らしと地球温暖化」の7回目≪Q&A≫の後半を投稿します。

≪Q&A後半≫

司会者:地球温暖化と気候変動による異常気候の因果関係はなかなか難しいかも知れません。先ほど土地の温度も上がるとお話しされましたがスライドでも衝撃的な写真が出ており、コメの中が白化したり割れたりしてしまうということがありましたので、次の質問は食糧生産についてです。

≪Q4≫

地球温暖化が進んだ将来の影響について、特に食料生産のことでお伺いしたいと思います。日本のおコメ収穫はあまり変わらないものの、地域による偏りが大きくなり品質も落ちると先ほどおっしゃいましたが、地球温暖化で食料の供給に大きな悪影響があるということは避けられないということがよく分かりました。だから、世界が一丸となって温室効果ガスのゼロ排出に向けて必死に努力しなければならない、ということだと思いました。そこで、さる8月初めにIPCCが発表した土地利用に関する特別報告書のことに触れたいと思いますが、それを報道した新聞記事によると、その有効な手立ての一つが「効率的な土地利用の推進」であり、温室効果ガスを減らし土地の砂漠化進行を防ぐ「森林再生」が最も良い気候変動への解決策だということです。しかしながら、そこで厳しい現実があると思います。それは、森林再生によって効果を上げるだけの土地が不足しているということだと思います。そうなると、食料の安定供給と温室効果ガス低減を両立させるにはどうしたらよいのか、ご教示をお願いします。

≪A4≫

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今二つのお話をされ、一つ目は食糧生産で二つ目は森による二酸化炭素吸収で少しニュアンスは違いますが、日本の場合は農家の方が高齢化して田んぼや畑を耕すのが難しくなってきたため、各地に休耕田が沢山あります。税金対策等いろいろな問題があると思いますがこのような休耕田、つまり国や県等が寝ている田んぼや畑をうまく活用する仕組みを作ることが大事だと思います。但しすぐに出来るかというと難しいと思いますが。森林再生は大変重要なことですが、今は森の所有者の方が高齢化して木の手入れが出来なくなっています。私は鳩山町で森の手入れをやっていますが、森の所有者の方は高齢化のためとても手入れなどしていられません。林野庁などもボランティア等の各団体にそれなりのインセンティブを与えて、もっと活動してもらうことも必要だと思います。食料に関しては私も非常に関心を持っていますが、日本の食料自給率はカロリーベースでは40%と言われていました。そこで国は目標を45%に上げましたが、実際にはうまくいかずに結果は37%になり40%を割ってしまいました。国が本気になって自給率を上げることも大事ですが、私が皆さんにお勧めしたいのは、プランター1つでも2つでも良いのでご自分で種を撒くなり苗を植えるなりして、食べられる野菜を作って欲しいということです。我が家ではミニトマト、冬は絹サヤを作っていますが、プランターにいっぱいできます。肝心なのは『自分の出来ることをする』ということです。買ってくるのではなく自分で汗を流して作った野菜は美味しいですし、もちろん無農薬野菜です。我が家は夏場緑のカーテンを作っていますが、冬場はプランターが空いていますので12月頃に絹サヤの種を撒くと春先には立派なものができます。

司会者:冒頭前田様の紹介で言い忘れましたが、前田様は環境アドバイザーとかだけではなく、鶴ヶ島市を中心に『緑のカーテン市民実行委員会(愛称:みどりかぜ)』の代表を務められておられます。

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市民の環境意識を高めるためゴーヤ等の植物で日よけのカーテンを作って温度を下げ、なるべくエアコンを使わなくても済む生活ができるように地道な活動をされています。森林再生という大層なお題目がありますけども今お聞きしたように、プランターを活用して気温を下げたり食糧を育てたりすること、つまり『みどりかぜ』の活動を行えば一人ひとりの貢献が大きな輪になるものと思います。

先ほどスライドで地球温暖化に備える『適応策』と温室効果ガスを減らす『緩和策』という二の対策を示されました。この件で質問がございます。

≪Q5≫

今日はご講演ありがとうございます。温暖化による悪影響に備える『適応策』と、その悪影響を減らす『緩和策』について前田様のお話とかスライドで勉強させていただき、私も環境に対する思いを今更ながら新たに受け止めたところでございます。私もあまり詳しくは分からいのでが、最近よく耳にするのが「SDGsエスディージーズ)」(持続可能な開発目標)という言葉です。第3章に少し出ていたと思います。そのことについて、特に「気候変動に具体的な対策を」とありますので、お伺いしたいと思います。そもそもSDGsという言葉自体が、私ども勉強不足もありまして『持続可能な開発目標』となりますとどうしても企業の方に目が行ってしまって、私たち一市民はどういう風に理解したらよいのかなというのが一つです。マスコミは反響の大きいところを取り上げたりしますので私たちはどう向き合っていったらよいのか具体的な行動指針と言いますか、そのいろはについてご教示いただければと思っております。よろしくお願いします。

≪A5≫

SDGs』とは『Sustainable Development Goals』の略で『持続可能な開発目標』発音はエスディージーズと言います。時々『エスディジーエス』と読まれる方がおられますが、最後はGoals(ゴールズ)の略で(ジーズ)になります。これは2015年9月にニューヨーク国連本部で開催された、「国連持続可能な開発サミット」で採択されたもので国連加盟193ヶ国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。17の大きな目標とそれらを達成するための具体的な169のターゲット及び数値目標232の指標で構成されています。

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SDGsの17の目標のスローガンは誰も置き去りにしないです。SDGsの目標を見てみますと左図のように1~17まであり『経済』『産業』『社会』の3軸で構成され諸課題を包括的に扱います。本日のテーマ『気候変動に具体的な対策を』も13番目にあります。1番は『貧困をなくそう』です。全世界には貧困の方が10億人おられて1日1ドルで生活しているそうですが、1ドルというとパン1個分の金額にしかなりません。日本にも貧しい子供が7人に1人いるということが言われています。私は4番の『質の高い教育をみんなに』が大事で、このような講座も教育の一つかなと思います。7~12はエネルギーの問題・不平等をなくそう等大きな問題があります。13番からは社会の問題ですが、先日アメリカのゴア元副大統領が日本に来られて2時間半にわたり熱弁を振るわれました。https://www.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/1194195_1501.html

ゴア元副大統領は『不都合な真実』という映画を作られた方で、その中で『今、人類の最大の課題は環境問題である。これに取り組まないと大変なことになる。』と、言われています。

環境省としての目標は17項目中次の7項目『4.質の高い教育を皆さんに、6.安全な水とトイレを世界中に、7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに、13.気候変動に具体的な対策を、14.海の豊かさを守ろう、15.陸の豊かさも守ろう、17.パートナーシップで目標を達成しよう』です。

司会者:ありがとうございました。SDGsというと大層な政府レベルの話かなと思いますけど、先ほどの『みどりかぜ』のお話し同様、我々一人ひとりの活動が全て繋がっているということと思います。日本は温室効果ガスの排出目標が低い、あるいは消極的というような話を冒頭に荒井塾長も言及されましたが、日本は5大CO2排出国の1国だということで質問があります。

≪Q6≫

本日は大変貴重で有意義なお話をお聞かせいただきましてありがとうございました。日本は2011年のパリ協定合意から離脱することなく、2018年6月には「気候変動適応法」「地球温暖化推進対策法」を策定しています。その意味では非常に前向きのように見えるのですが、先生のお話をお聞きして再認識したのはやはり立ち遅れている国であるということでした。再三皆様からお話がありましたようにグレタさんの『大人が裏切ったら絶対許さない』という言葉を私も何度か聞きまして大変衝撃を受けました。またご説明がありましたように環境省が「クール・チョイス運動を推進しよう」これもスローガン倒れになっているのではないか。賢い選択ということで国民をスローガンに乗っけているような気がします。先生のお話をお聞きする中で国民の一人として何をしなくてはならないかということを非常に痛感致しました。そこでお伺いしたいのは先生の長いご経験あるいは実践活動を通じて、我々一人ひとりが何をやったら良いのかということを是非ご教授いただきたいと思います。

≪A6≫

答えは簡単です。皆様が出来ることをやればよいということです。私が会社で行ったことですが、例えば電気ならLED電球に変える。エアコンの使い方は昼休み15分前に止めるよう提案したら職場によっては30分前に止めた部署もあり、結果的には電気代をかなり節約できました。家庭では夜寝る30分前にエアコンを消してしまうということで、我が家でも実践することで電気代の節約になりました。

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これらはお金をかけることもなく、やり方の工夫次第ですぐに実践できます。他に大事なことは車です。電気自動車に変えられれば良いのですが簡単にはできませんから、会社に近い人は車を自転車に変える。自転車の人は徒歩にする等が有効です。見方を変えて公共交通機関に移行して電車やバス利用をすることが有効です。日本は2011年に東日本大震災がありましたので国が舵取りをして、安倍首相の号令一下で再生可能エネルギーに移行出来たら素晴らしいと思いますが、なかなか踏ん切りがつかないのに歯がゆい思いをしています。日本には風力エネルギーや太陽光エネルギー等沢山ありますが、その先を言っているのが中国です。中国は太陽光発電風力発電も世界ナンバーワンです。中国は上の指揮の号令一下で大変換出来ますが、日本もここで大きく変化していただき世界のお手本になるような国になってもらいたいものです。その一端を蕨市の皆様が率先して動いていただければ幸甚です。本日はありがとうございました。

司会者:お時間も押しておりますので質問はこの辺りで終わらせていただきたいと思います。前田様今日は長い間ありがとうございました。皆様盛大な拍手をお願い致します。(会場より大きな拍手)

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本日は以上ですが、次回は31日(金)に「閉会の辞・締めの挨拶」をお送りしますのでご期待ください。

アル・ゴア元副大統領来日記事出典:サステナブル・ブランドジャパン≫

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現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界へ の扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

また、12月9日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第5回「新幹線電車発祥の地はどこですか」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。放送日は1月14日(金)~1月20日(木)までで、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方でオンライン公開講座受講をご希望の方は次のID番号でご参加ください。Zoomの参加ID番号は 817 2214 7316 です。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第6回は1月13日(木)20時より、「手漉き和紙の里・探訪記」と題し、当笑楽日塾塾生が「手漉きと機械漉きはどう違うのか?手漉き和紙の材料、作り方」など、手漉き和紙の疑問に答えるとともに、日本の原風景ともいえる全国各地の和紙の里をご紹介いたします。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

第3回公開講座「私たちの暮らしと地球温暖化6/8

このシリーズは2019年10月に行われた講座のご紹介で、「私たちの暮らしと地球温暖化」の6回目≪Q&A≫の前半を投稿します。

≪Q&A前半≫

司会者:前田様貴重なお話を頂きましてありがとうございました。大変勉強させていただきました。

続きまして質問の時間を取りたいと思います。本日ご参加の皆様から事前質問をいただいておりますのでこちらからご指名させていただきます。

≪Q1≫

地球温暖化がどうして起きているのかということは前田様のお話でよく理解できました。しかし、いわゆる温暖化懐疑派と言われる人たちがおります。先ほど荒井塾長も触れられていましたが、真っ先にパリ協定から離脱を表明したトランプ大統領で二言目には『フェイクニュース』『でっち上げだ』というのが決まり文句です。彼が言うには『その証拠に米国は逆にひどい寒波等に見舞われているではないか』というようなことをよく言うわけです。そのようなことを言っているから先日国連でスウェーデンの16才の少女グレタさんに睨みつけられたわけです。グレタさんは大した方だと思うわけですが、このグレタさんとは一体どういう方なのかご存じでしたらお教えいただけますでしょうか。

≪A1≫

トランプ大統領の件がありましたが、あの性格の方だということです。言論の自由がありますので私は何も否定することはできないと思います。ただ、一国の大統領ですからそれなりの見識を以ってグローバルな立場からご判断いただきたいと思います。そのためには、大統領には優秀なブレーンがたくさんおられると思いますので、それらの声も聴いてもう少し大人の発言をしていただきたいと思っています(会場から拍手)。

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グレタさんの発言を聞いていて感動しました。グレタさんは本当のことを言っています。全文を読みましたら大変大事なことがありましたので紹介します。グレタさんは『ティッピングポイント』ということをいわれましたが、ティッピングポイントとは臨界点(臨界しきい値:例えば気温上昇量)のことで、放射性物質が臨界に達すると爆発することはご存じと思います。臨界点を二酸化炭素で言いますと、現在世界の二酸化炭素濃度は、約400ppmです。この濃度が450ppmあたりになると危ないと言われています。年間2.5ppmずつ増加しているということは50ppm増加するのに後20年しかありませんので2040年説はこれにも符合します。そんなわけでこのグレタさんの発言は大変重い内容を含んだものと私は認識しました。

現在地球上空にはアメリカ・日本・中国の『温室効果ガス観測技術衛星』3機が飛んでいます。日本の衛星は『いぶき2号(GOSAT-2)』という新しいもので詳細な観測結果が期待されています。

司会者:ありがとうございました。グレタさんを批判する人もおりましたが、前田様には科学的なデータに基づいてお話をしていただきました。温暖化懐疑派に関するお話で前田様はIPCCの第5次評価報告書について触れられており、その中に気温上昇のお話がありました。これについてお聞きしたいという来場者の方がおられますのでご指名させていただきます。

≪Q2≫

『温暖化懐疑派』に関するものとなりますが、前田様のお話の中で、IPCCの第5次評価報告書(2013~2014年)が引用されました。21世紀末までに最大で4.8度上昇するとの予測がスライドにありましたが、以前私が新聞記事を見て関心を持ったことは「気候感度」という温暖化予測の様々な計算の基本となる数値です。それによると、最新の第5次報告書では摂氏1.5度~4.5度、その前の2007年に公表された第4次評価報告書によれば摂氏2度~4.5度でした。つまり、これは下限の数値が2度から1.5度に下がっています。そのため、懐疑派は「温暖化は誇張されている」と勢いづいて主張している原因になっているとお聞きします。上限値は相変わらず4.5度ですから放っておけば温暖化に進むのは疑いないことと私たちには思えるのですが、予測の基本となる重要な数値が不都合に修正されたことは紛れもない事実です。科学的に研究されているはずなのになぜそのような曖昧な結果が出てくるのか、一市民として温暖化予測をどう考えていけば良いのか教えていただければと思います。

司会者:ありがとうございました。非常に高度なご質問ですが前田様よろしくお願いします。

≪A2≫

大変鋭い良い質問ですね。『今まで2℃だった最小温度が1.5℃になり、巾が広がったではないか』というご指摘ですが、第5次報告書が出るまでの情報は第4次のものを使っていたためで、今は新しい第5次の情報を使っているからです。最新情報による数値変更は何時でもあり得ますので、第4次の情報を見直して第5次の1.5度~4.5度が正しい数値とお考えください。

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懐疑派の主張に関しては東京大学の研究者が書かれた本があります。『地球温暖化懐疑論批判東京大学 IR3S/TIGS叢書(2009)(「人為起源の二酸化炭素排出を主な原因として地球規模で気候が温暖化するという、いわゆる人為的地球温暖化説の信憑性や地球温暖化による被害を緩和するための対策の重要性に対し、懐疑的あるいは否定的な見解をとる議論が存在している。社会からの信頼にその活動基盤を置く科学者コミュニティは、こうした現状を座視すべきではないと考える。」)(本文「our mission」より)』このような本も出ていますし、いろいろな意見もあるかとは思いますが温暖化については疑う余地がございません。

司会者:ありがとうございました。科学というものは新しい情報が出ると修正もありうるということですが、懐疑派が主張する考えと科学は違うのだということ教えられました。地球温暖化が進むとどうなるかという質問で、既に起きている影響として極端な気温上昇、破壊的な台風、海面上昇といったお話がありましたが、これについてお聞きしたいという方がおられますのでお願いします。

≪Q3≫

前田様の第2章「地球温暖化が進むと?」のお話の中で、地球温暖化が進むと、既に起きている影響として、極端な気温、降水、破壊的な台風、海面上昇、海の酸性化といったことを挙げられていました。それに関してお伺いします。そうした事象というのは「気候変動」によって引き起こされているのでしょうか。もし仮にそうだとするとその因果関係はどのように説明できるのかなと思いまして、それをご教示お願いします。

≪A3≫

まず『極端な気温』は、冒頭41.1℃という数字をご覧いただきましたが日本では最高気温35℃以上の猛暑日が増加しており、これが裏付けの因果関係になります。次に極端な洪水ですが、海水温が高くなりますと水蒸気が増加して降水(雨)の量が増えますので大雨が降ったり、洪水が起きたりします。またよく耳にする言葉で『砂漠化』というのがありますが、これも温暖化の影響で海水温だけでなく陸地も暖かくなります。その結果日照りが続き畑等の水分が奪われて乾燥し、地割れを起こし植物が育たなくなったりします。『破壊的な台風』は大きな台風のことですが、台風が発生して水温の高い海を通過するときに水蒸気を沢山吸い込みます。つまり大型の台風になるには高くなった海水温が影響しますが、これも温暖化の影響です。

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『海面上昇』は先ほどもお話ししましたが、日本では海面が60センチメートル上昇した場合、大阪湾、伊勢湾、東京湾ゼロメートル地帯が1.5倍に増え、これも温暖化の影響です。海の温暖化は単に水温が上がるだけでなく海水が膨張して体積も膨らみますので、海面が上がるということになります。『海の酸性化』も非常に大事な話ですので少し調べてきました。簡単にお話ししますと海水中のペーハー(pH)(酸性度)は一般的に弱アルカリ性です。海水の表面では約8.1pHですが深くなるほど数値は下がって、北西太平洋の亜熱帯地帯で水深1000メートル付近だと約7.4pHというデータがあります。これは深くなるほど有機物の分解により海水中の酸素が消費されて、全炭酸濃度が増加することによって起こります。二酸化炭素が多く海に溶け込むとpHが下がり海水のアルカリ性が弱くなる。ということがあります。

司会者:ありがとうございました。地球温暖化と気候変動による異常気候の因果関係はなかなか難しいかも知れません。先ほど土地の温度も上がるとお話しされましたがスライドでも衝撃的な写真が出ており、コメの中が白化したり割れたりしてしまうということがありましたので、次の質問は食糧生産についてです。

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本日は以上ですが、次回は29日(水)に「Q&Aの続き」をお送りしますのでご期待ください。

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現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界へ の扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

また、12月9日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第5回「新幹線電車発祥の地はどこですか」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。放送日は1月14日(金)~1月20日(木)までで、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方でオンライン公開講座受講をご希望の方は次のID番号でご参加ください。Zoomの参加ID番号は 817 2214 7316 です。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第6回は1月13日(木)20時より、「手漉き和紙の里・探訪記」と題し、当笑楽日塾塾生が「手漉きと機械漉きはどう違うのか?手漉き和紙の材料、作り方」など、手漉き和紙の疑問に答えるとともに、日本の原風景ともいえる全国各地の和紙の里をご紹介いたします。

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本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

第3回公開講座「私たちの暮らしと地球温暖化5/8」

このシリーズは2019年10月に行われた講座のご紹介で、「私たちの暮らしと地球温暖化」の5回目を投稿します。

第4章:私たちは何をすればいいの?

≪1.地球温暖化の影響に備える適応策≫

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それでは私たちは何をすればよいかというと『気温上昇を低く抑える』ための適応策があります。

 

地球温暖化への適応策について次の動画をご覧ください

https://youtu.be/VHOAx_d5vmk

ここで新しい言葉が出てきました。

温暖化による悪影響に『備える』これが『適応策』になります。温暖化による悪影響を『減らす』これは『緩和策』になります。

この言葉を覚えてください。

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適応策①:熱中症対策で、皆さんもこまめに水分を取るなどの対策を取られていると思います。

 

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適応策②:暑い日が増えると農作物の生育に影響します。例えばブドウなどは着色不良がおこりますので、適応できる品種に植え替えることが必要になります。

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適応策③:洪水の発生が考えられる場所を示すハザードマップや、土砂崩れなどが考えられる場所を示すハザードマップ自治体等で作られていますので参考にしてください。

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適応策④:海面上昇が起こることも考えられます。これはイギリスのテムズ堤防の写真ですが、なかなかの優れものです。向こう側が海で手前側がテムズ川です。中央に見えるのが堤防で、何もないときは下に下がっています。海の水位が上がってくると下から丸い円盤がせり上がってきます。

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通常は回転ゲートが解放になっています。右側が海で左側が川になっていますので、海面が高くなってくると海水が川に逆流するのを防ぐため、円盤がぐるっと回って海水が川に入るのを防ぐ仕組みになっています。これが適応策になります。

≪1.温室効果ガスを減らす緩和策≫

緩和策は私たちにも出来る内容ですので簡単にご説明します。

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低炭素エネルギーを大幅に増やすということはお分かりと思いますので図をご覧ください。

低炭素エネルギーの例で(水力、地熱、バイオマス、水力、太陽光等)皆様ご存じの内容です。

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発電所等で沢山排出されたCO2については、地中に埋めてしまうCCS(二酸化炭素の回収・貯留)という技術があります。北海道の苫小牧では既に始まっています。CO2を地中に閉じ込めてしまい、地上に出さないようにする技術です。CCSをパソコンで検索すると既に世界中いろいろなところで行っていることが分かります。低炭素エネルギーを大幅に増やす必要があります。

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2010年には15%でしたが2050年には60%に、2100年には90%を低炭素エネルギーにしたいという目標値です。

 

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家庭とかオフィス等では省エネ性能の高い設備が大事です。例えば家庭の場合は冷蔵庫などを省エネ製品に変えるとよいですね。私の家でも今年、省エネ型の冷蔵庫に変えましたので皆様にもお勧めします。低炭素化にも貢献しますし電気代の節約にもなります。さらに、ご家庭の照明もLEDに変えることで省エネ行動に貢献できます。

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このグラフは『日本における2030年の温室効果ガス排出削減目標』です。緑色の産業部門はマイナス傾向にありますが赤色の家庭部門は若干上昇気味のため、環境省としては『これから4割くらい削減する必要があります』といっています。

皆様のご家庭で4割削減は難しいとしても、1割や2割を削減するための行動をお願いしたいと思います。

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皆様はこの青い矢印に文字が書かれたロゴマークをご存じでしょうか。『COOL CHOICE』という言葉を書いていますが、初めてご覧になる方も多いと思います。このロゴは環境省が作ったマークで『COOL』というのは涼しいとか冷たいという意味もありますが、この場合は賢いという意味になります。『CHOICE』は選択で、両方を合わせて『賢い選択をしましょう』ということです。

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クールチョイスを広めるためのチラシですが、裏面にはお子さんがごはん茶碗を出して『残さずに食べたよ。食べ物を大切にするということはCO2を減らしているのですよ』と表現しています。食べ物が残ると廃棄物になるため焼却場で燃料を使って燃やし、CO2が排出されることになりますので、皆様のご家庭でも食べ物は残さないで食べましょう。裏面の右下には夜景の中に『あなたが残業すると、電気まで残業になる』とありますが、これは言葉とすると少し硬いので私が会社の教育で使う場合は『残業すると電気も残業』とお話しします。電気を使うということはその分だけCO2も排出することになりますので、非常に効果的なキャッチコピーだと思います。なお、チラシの中には他にもいろいろな絵がありますので参考にしてください。

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太陽光パネルを屋根に設置したり、夏はエアコンの設定温度を上げる。また窓ガラスを二重ガラスにすることも有効です。車はガソリン車からハイブリットカーや電気自動車に変える。

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またカーシェアリングも有効です。車から電車やバスなどの公共交通機関を利用したり、近くでしたら自転車・徒歩等が有効です。

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グリーンカーテン私が工場で行ったヘチマを使った緑のカーテンは、計測当日には向側と日蔭側では3~4℃の違いがありましたのでこれも大変有効です。

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CO2の排出量を減らすための対策例です。

 

 

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グラフは再生可能エネルギーの動向ですが、太陽光の伸びが目立っています。

 

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森林を増やして二酸化炭素の吸収源を増やすことも重要です。健全な森林の整備や保全が重要。森の木は二酸化炭素を吸収しますので、森林の保全が大切になります。

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立体駐車場の壁でゴーヤを中心に植物を栽培していますが、私が勤務先の工場で行ったものです。駐車場利用者からは『帰宅時に車内が熱くならなくて助かっています』と感謝されました。また、採れたゴーヤは食堂で美味しくいただきました。

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私は、住んでいる鳩山町で森の整備を行い、緑の葉がCO2を吸収しやすくなるよう活動をしています。

 

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皆さまはどんな『CHOICE』をしていますか?

 

トーマス・ストッカー共同議長のコメント動画をご覧ください。

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~気候は、私たちの生命維持装置なのです~

https://youtu.be/iGEWAdMRGYs

 

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これまでのお話をまとめてみました。たった一つの地球を守るため、今日できることから実践しましょう。

≪動画チャンネル出典:環境省COOL CHOICE≫

本日はご清聴ありがとうございました。

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本日は以上ですが、次回は25日(土)に「Q&Aの1回目」をお送りしますのでご期待ください。

今日は二十四節気の1つで第22「冬至日」です。1年で最も昼が短い日で柚子風呂に入って邪気を払い、小豆粥を食べると疫病にかからないとも。なんきん(カボチャ)・れんこん・うどん等「ん」の付く食べ物を食べる。特にカボチャを食べると中風にならず、長生きをするという伝承があります。

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また、12月9日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第5回「新幹線電車発祥の地はどこですか」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。放送日は1月14日(金)~1月20日(木)までで、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方でオンライン公開講座受講をご希望の方は次のID番号でご参加ください。Zoomの参加ID番号は 817 2214 7316 です。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第6回は1月13日(木)20時より、「手漉き和紙の里・探訪記」と題し、当笑楽日塾塾生が「手漉きと機械漉きはどう違うのか?手漉き和紙の材料、作り方」など、手漉き和紙の疑問に答えるとともに、日本の原風景ともいえる全国各地の和紙の里をご紹介いたします。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

第3回公開講座「私たちの暮らしと地球温暖化4/8

このシリーズは2019年10月に行われた講座のご紹介で、「私たちの暮らしと地球温暖化」の4回目を投稿します。

第3章:世界はどう動いているの?

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『COP21』は2015年12月パリで開催され、この時にパリ協定を合意して安倍総理も演説をおこないました。パリに集まった首脳達が決めたことは『世界的な平均気温を産業革命時以前に比べて2℃よりも十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求する』というものでした。これでパリ協定が世界共通の目標となりました。

何もしないと4.8℃上がってしまいますので世界の首脳たちは『せめてその半分くらいは達成したい』という案が話されました。もっと低い方が良いことは当たり前ですが、出来ないことを決めてもしようがありません。2℃という目標で合意しましたが、その後各国首脳は『それでは足りないことが十分考えられるので1.5℃も深く心に刻んでおこう』ということが話されました。

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上記のような理由で2℃という数字が出てきましたが、2℃上昇までに残されているCO2総排出量はどのくらいなのかということで科学者が左の図(円筒形)を作りました。2℃上昇をもたらすCO2の総排出量は3兆トンと言われています。円筒の下(グレー)は産業革命以前からすでに人類が排出した量で、約2兆トンと言われていますので、残り(ピンク)は約1兆トンになり、あと1兆トンしか排出できないということになります。第1章のグラフの説明で『何も対策を行わないと2050年頃から赤い線が上昇します。厳しい対策を取ればほぼ水平にいきます』とお話ししました。しかし、このグラフでは『ここ数年と同じ量のCO2排出が続くと2050年より早まり、2040年頃には1兆トンに到達してしまいます。10年早まります。』ということが分かってきました。このように科学者はCO2の排出量を数値で表し、世界に警告しています。なおこのグラフには『現在見つかっている世界中の化石燃料の3分の1を使うだけでCO2の排出量は1兆トンを超えます。何も対策をしなければさらに早まる可能性があります』ということが書かれています。

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先ほどの画像とこの画像は大変重要なものです。3本の棒グラフの左側は2010年に世界中で排出されたCO2の量で、490億トンです。しかし、中央の棒グラフのように現状を上回る温暖化対策をとらなかった場合は、2050年のCO2排出量が今よりも1.5倍~2倍の約1000億トンになってしまいます。これではどうにもならないので2050年には『世界中で気温上昇を低く抑えるための対策としてCO2の排出量を40%~70%程度削減しなくてはならない』ということになります。最終目標年度の『2100年にはほぼゼロかマイナスにしましょう』ということを2015年のパリ協定で各国の首脳が決めましたが、冒頭荒井塾長が話されたように先月末の国連環境サミットで『2100年では間に合わないので2050年に前倒しする』ということになりました。このグラフからグレタさんが演説した『これは困る、私たちは生きて行けなくなる』という背景が見えてきます。

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気温上昇を1.5℃に抑えるためにはどうするかということです。CO2の排出量を現在の進行速度のまま増加し続けますと、2030年~2052年の間にパリ協定の努力目標である『気温上昇1.5℃』に達する可能性が高いわけです。仮に200年とか300年先ならこんな話は致しませんが、2030年とすれば後11年しかありません。

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気温上昇を1.5℃に抑えるためには、2030年までに世界全体の人為起源によるCO2の正味排出量を2010年に比べて約45%減少させるか、2050年前後までに正味ゼロにしなくてはなりません。しかし1.5℃に抑制することができれば持続可能な開発(SDGs)の達成や貧困の撲滅など、気候変動以外の世界的な目標とともに達成しうるでしょう。ですからSDGsの目標も踏まえながら環境対策も行わなくてはなりません。

冒頭から2050年というお話をしていますが、約10年は早めなくてはならないということがこのグラフでお分かりと思います。

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本日は以上ですが、次回は22日(水)に「 第4章:私たちは何をすればいいの?」をお送りしますのでご期待ください。

2021年12月追記:10月31日~11月12日までイギリスのグラスゴーでCOP26が開かれ、日本からは11月2日に岸田総理が首脳級会合である世界リーダーズ・サミット等に出席した他、山口環境大臣や各省庁の関係者が参加しました。COP21のパリ協定では、「気候上昇を2度よりかなり低くし、できれば、1.5度に抑える努力を追及する」という表現が盛り込まれていましたが、今回は努力目標だった1.5度を格上げし、事実上の「世界目標」に決めました。この目標を実現するためには多少不便な生活を強いられることになると思いますが、私たちも腹をくくって望まなくてはなりません。)

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第6回は1月13日(木)20時より、「手漉き和紙の里・探訪記」と題し、当笑楽日塾塾生が「手漉きと機械漉きはどう違うのか?手漉き和紙の材料、作り方」など、手漉き和紙の疑問に答えるとともに、日本の原風景ともいえる全国各地の和紙の里をご紹介いたします。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

第3回公開講座「私たちの暮らしと地球温暖化3/8」

このシリーズは2019年10月に行われた講座のご紹介で、「私たちの暮らしと地球温暖化」の3回目を投稿します。

第2章:地球温暖化が進むと?

≪1.既に起きている影響≫

地球温暖化の影響について次の動画をご覧ください。

https://youtu.be/hBwNvTdYYe8

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ご覧いただきました動画でもお分かりのように『これからは気候が大きく変わります』したがって『これからは極端な気温上昇が起き、猛暑日が増加します』また『極端なゲリラ豪雨による洪水も増えます』というように、世界的に見た場合には沢山雨が降る場所があるかと思うと、逆に乾燥する場所も出てきます。

破壊的な台風も起きるようになり、先日の台風15号は千葉県などで停電が多発して大変な被害を受けました。海では海面上昇や酸性化など、気候が影響した様々な不都合な状況が起きてきました。

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日本では最高気温が35度以上の猛暑日が増加しています。先ほども申しましたが、10月になっても30度超えの日が出ている状況です。

1930年代から2010数年の平均を赤い線で示していますが、ご覧の通り最高気温35℃以上の猛暑日が増加していることが分かります。

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赤い線は日本におけるカエデの紅葉日の平均値の推移で、10年間で約3日遅くなっています。広葉樹の葉は寒くならないと紅葉しないわけですが、最近は暖かい日が増えていますので紅葉の時期が遅れてしまい、観光地ではイベントが組めずに困っています。環境省の発表によると『何も対策を取らずに温暖化がもっと進んだ場合』カエデとかモミジの紅葉の見頃がクリスマスと同じ12月25日頃になるとされています。つまりそれくらい寒くなり難いということですが、反して桜は早く咲く傾向になります。

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温暖化は海の生物にも影響を及ぼし、サンゴの白化と藻場の消失に加えその北上が確認されています。サンゴや藻が消失するとそこに共生している小魚などの生物が、生き場を失い死滅してしまいます。

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日本の食糧生産ですが、近頃では農作物に高温障害が発生しています。左側にお米の絵があります。正常なお米は断面が非常にきれいですが、温暖化で高温障害がおこると右のように断面が白く濁ったり、割れたり等の品質低下を起こします。さらには味も低下してしまいます。この写真で右側のリンゴは通常ですと秋に色づきますが、その時期に高温になりますと色づきが悪くなったり生育が遅くなったりします。赤い色のリンゴが赤く色づかなくなってしまい売り物にならなくなりますので、今は高温に適合するような品種改良がおこなわれています。

≪2.影響の将来予測≫

影響の将来予測ですが、怖い話があります。暑さです。

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『現状を上回る温暖化対策を取らなかった場合は、21世紀末には最高気温が30℃以上になる真夏日が増加します』という表です。札幌から那覇までのデータが載っていますが、蕨市は東京に近いので真ん中に赤く囲っている東京のデータが参考になります。この数字の見方は『現在の真夏日の日数は約49日で、もし何もしなかったら約55日に増えます』と、いうことではありません。この約55日は増加日数ですので『49日プラス55日で合計は104日になり、1年間の約3分の1が真夏日になる』という非常に怖いデータを気象庁が出しています。

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日本には大阪湾・伊勢湾・東京湾等大きな湾がありますが、もし温暖化で海面が約60センチ上昇した場合どうなるか。ここには皆様ご存じの通りそれぞれにゼロメートル地帯という場所があります。ゼロメートル地帯とは海面より低い土地のことを言います。現状ではゼロメートル地帯の面積は577平方キロメートルありますが、平均海面水位が約60センチ上昇した場合にはなんと879平方キロメートルになり、その面積は1.5倍に増えると予測されています。地図上で赤く塗られた所は大変なことになりますので、自治体が解決策を考えておられることと思います。

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次は植物になりますが、素晴らしいブナ林で有名な青森県から秋田県に広がっている白神山地のお話です。ブナ林がなぜ大事かと言いますと、秋口にはブナの木の葉が落ちて根元には沢山溜まります。沢山溜まってふかふかな状態になったところに雨が降ると、時間を掛けてゆっくりと土壌に浸透することで浄化作用が起こり、きれいな水が河川に流れて行きます。自然の仕組みは素晴らしいですね。また、白神山地はブナに加えてカエデ等様々な落葉広葉樹で構成されおり、クマタカツキノワグマ・サル等多種多様な動植物が生息しています。

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何も対策をしないで温暖化が進むとこのような動植物の住む森はどうなるのかというと、21世紀末にはブナの生育可能域がどんどん北へ上がって行きます。北の方が気温は低いためブナは北へ移って行きますが、場合によっては人間の手助けが必要かもしれません。現在ブナ林はスライドの日本地図で左側のように赤色の生育可能域は東北地方に多くあります。厳しい対策を取った場合でも0.3~1.7度上昇すると想定されますので、中央の地図のように北海道にも生育可能域が移っています。何も対策を取らない場合は気温が2.6度~4.8度上昇してしまい、右側の地図のように北海道にもほとんどブナ林はなくなってしまいます。

ブナ林にはブナやカエデだけではなく熊や猿・鳥など多くの動物も住んでいますが、海で分けられているため空を飛べる鳥以外は北海道には渡れません。ブナがなくなった白神の生態系は全く変わってしまい、残った動物たちの生活圏もなくなり寂しい白神の地になることが予測されています。

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お米の将来予測(食糧生産)ですが、米収量の地域分布の推計では赤いところにお米の収量が増加するでしょう。温暖化が進むと東北地方や北海道などでは今以上に収量が増加すると思われます。逆に減少すると予測されるのが西日本になります。日本全体では増減地域があるためコメの収量に変化は少ないと思われますが、地域による収量の隔たりが大きくなり、品質は下がると予測されています。そこで農林水産省は高温に耐えられるようなお米の開発を急いでいます。

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地球温暖化が及ぼすリスクになりますが、海面上昇とか異常気象、生態系への悪影響、作物収量への影響等があります。後戻りできない影響も生じると考えられていますが、何℃になると生じるのかは分かっておりません。後戻りできないとはグリーランド氷床の完全な消失等で、これはまだ予測がつかないということになっています。これが融けだしてしまうと海面の水位がぐんと上がることが予測されています。

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本日は以上ですが、次回は18日(土)に「第3章:世界はどう動いているの?」をお送りしますのでご期待ください。

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現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界へ の扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

また、11月11日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第4回「日本人だから知っておきたい箸のマナー」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。放送日は12月10日(金)~12月16日(木)までで、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方でオンライン公開講座受講をご希望の方は次のID番号でご参加ください。Zoomの参加ID番号は 817 2214 7316 です。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第6回は1月13日(木)20時より、「手漉き和紙の里・探訪記」と題し、当笑楽日塾塾生が「手漉きと機械漉きはどう違うのか?手漉き和紙の材料、作り方」など、手漉き和紙の疑問に答えるとともに、日本の原風景ともいえる全国各地の和紙の里をご紹介いたします。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

第3回公開講座「私たちの暮らしと地球温暖化2/8」

≪私たちの暮らしと地球温暖化

前回に引き続き「私たちの暮らしと地球温暖化」の2回目になりますが、このシリーズは2019年10月に行われた講座内容を投稿しています。

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それでは今日のテーマである『地球温暖化』に入ります。よく気候変動という言葉を新聞等でご覧になると思いますが、気候変動というのは地球温暖化のことです。気候変動は気象ではなく地球温暖化のことで、皆様に分かりやすくお伝えしたいと思いますし、皆様と一緒に私たちの暮らしの中で何ができるかを分かりやすくお伝えしたいと思います。

今日の進行は、

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第1章 地球温暖化はなぜ起こっているのでしょう?

第2章 地球温暖化が進むとどうなるのでしょう?

第3章 世界はどう動いているか?

第4章 私たちは何をすればよいのか?

最後は まとめで完結します。

 

第1章:地球温暖化はなぜ起こっているの?

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ここでおさらいですが、皆様にはクイズに挑戦していただきます。過去132年の間に世界の年平均気温は何度上昇しているでしょうか。132年という期間は1880年から2012年の間のことを指しています。

答えは①0.85℃ ②3.2℃ ③4.8℃ の中からお選びください。

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正解は①の0.85℃で、クイズの答えのグラフに示されているとおり1880年からの2012年の132年間は、多少上下に振れてはいるものの右肩上がりになっていることがお分かりいただけると思います。

(1961~1990年比偏差:世界の地表面(陸地+海)温度の年平均)

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②の3.2℃は東京におけるおおよそ過去100年あたりの気温上昇温度です。東京は過密都市であり道路はアスファルトやコンクリートで加熱され、ビルの中のエアコンからは暖かい風が外に吐き出されています。また、車もたくさん走っており排気ガスの排出量も多く、まさに東京はヒートアイランド都市です。

③4.8℃は21世紀末における世界の気温上昇温度の最大値です。つまり『2100年まで何も温暖化防止の対策を取らないと世界の気温が4.8℃上がりますよ』と予測されています。この数字は2015年12月にパリで開催されたCOP21の席上で発表され、世界中で共有されているものです。

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このスライドの地図は2100年までの気温変化予測で『現状を上回る温暖化対策を取らなかった場合、地図上の地球は真っ赤になってしまいますよ(気温が高くなると色が赤や黄色に変化する)』という世界地図です。この画像は2015年のCOP21で初めて紹介されたものですが、日本の富士通スーパーコンピューター『京』で日本の科学者が作った画像になります。この世界地図の中心はアメリカでもヨーロッパでもなく日本になっており、日本の技術の高さを誇る素晴らしいものです。

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この2枚並べた世界地図は、世界の気温変化予測を色の変化で比較して分かりやすくしたものです。左側が『気温上昇を低く抑えるための対策(CO2排出量をゼロに等しいくらいの対策)を取った場合』で、右側は『現状を上回る温暖化対策をとらなかった場合』のものです。冒頭荒井塾長の挨拶にもありましたが、今年8月の国連環境デイで77ヶ国の首脳が二酸化炭素など温室効果ガスを2050年までに実質ゼロにすると誓いました。これまでの目標は2015年のCOP21の会議で決めた『2100年までにCO2排出量をゼロにしよう』というものでした。しかし右側の世界地図の色の変化でお分かりのように『現状を上回る温暖化対策を取らずに現在と同じ生活を続けた場合』には2050年頃、又はもう少し前から地図上の赤い部分や黄色い部分が目立って多くなり、急激に温暖化の加速が予測されたため目標を50年前倒して2050年にしました。

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このスライドは上記動画の内容を文字にしたもので、大事なところは『気温が現在より低いと青色に、高くなると色が赤や黄色へと変わる』ということです。

下記アドレスをクリックしてシミュレーション画像をご覧ください。

https://youtu.be/Y5oMhfJ5N-A

音声はありませんが、左下の年度の進行と合わせて地図上の色の変化に注目してください。色を赤や黄色に変化させて温暖化の進行を目で見えるようにしたもので、左側と右側を見比べてください。右側の地図では2050年より少し前あたりから急激に温暖化が進むことが分かります。

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左のグラフは2015年のCOP21の会議で初めて公表された『世界の平均気温の変化予測』です。オレンジ色のグラフのように21世紀末まで何も対策をしないと世界の平均気温の変化予測では、気温が2.6~4.8℃上昇することがお分かりいただけると思います。また2050年頃から、又は少し前から急激に上昇することが分かります。なお、下の紫色のグラフのように気温上昇を低く抑えるための対策を取った場合でも、予測では0.3~1.7℃上がってしまいます。このため温室効果ガスの排出規制を2050年よりも少し早めなくてはならないと指摘され、2100年では間に合わないことが分かりましたので今回(2019年8月)の国連の会議で50年早めました。

 

地球温暖化のしくみについて次の動画をご覧ください≫

https://youtu.be/nwXHbl-ARuM

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地球温暖化の要因はスライドの青い部分に書いてある通りですが『地球温暖化は人間活動の影響が主な要因である可能性が極めて高い(95%の可能性)』ということです。数年前までは80%~85%だと論議されましたが、最近では95%が人間活動の影響だという説が主流になりました。人間活動の影響というのは化石燃料(石油・石炭等)を燃やして二酸化炭素の量を増やしたり、森林等の伐採によって二酸化炭素の吸収源が減少することで、温室効果ガスが増えてしまっていることをさします。これはすごく分かりやすいことと思います。

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さて、このグラフの意味は非常に大きく、縦軸はCO2の排出量の累計で、横軸は年代です。左下には赤い文字で『産業革命』と書いてあり、1800年以前はグラフの伸び率が非常に小さくなっています。イギリスで産業革命が始まってからは世界各国で石油・石炭エネルギーをたくさん使って色々な物を作るようになったため急増しました。グラフはOECD、経済移行国、アジア、中南米、中東・アフリカに別れていますが、何れの地域もCO2が急増していることが分かります。地球が誕生してから46億年経ちますが、産業革命以降のわずか200年で壊れ始めてしまったこともお分かりいただけると思います。

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左のグラフのように『二酸化炭素の排出量と気温の上昇は正比例の関係にある』ことが2015年のCOP21における科学者の発表で分かりました。二酸化炭素は排出されても宇宙には飛んで行くことなく、地球の周りに溜まり続けて温室効果ガスになりますのでこれ以上増やさないことが大切です。

また、この原因を作ったのは人間だということがこれらのグラフから明確になりました。その結果、先日国連総会でお話をされたグレタさんを始め、若い人たちが『私達が生きていく地球は大丈夫なのか』と将来を心配し、さらに関心を持って行動するようになったことは喜ばしいことです。

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左のグラフは1960年からの『日本のCO2排出量の推移』で、縦軸がCO2の排出量、横軸は年代です。日本の場合高度経済成長期には自動車産業や家電産業等様々な業界で沢山の製品が作られ、CO2排出量は右肩上がりに伸びました。1970年代のオイルショックで一時期さがったものの、その後のバブル景気で再び伸び始め、さらにリーマンショックでまた下がりましたが今ではまた上がり始めています。エネルギーがないと物を作れませんので、経済を成長させるためにはある意味当然と言えます。

≪動画チャンネル出典:環境省COOL CHOICE≫

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本日は以上ですが、 次回は15日(水)に「第2章:地球温暖化が進むと?」をお送りしますのでご期待ください。

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現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界へ の扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

また、11月11日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第4回「日本人だから知っておきたい箸のマナー」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。放送日は12月10日(金)~12月16日(木)までで、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方でオンライン公開講座受講をご希望の方は次のID番号でご参加ください。Zoomの参加ID番号は 817 2214 7316 です。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第6回は1月13日(木)20時より、「手漉き和紙の里・探訪記」と題し、当笑楽日塾塾生が「手漉きと機械漉きはどう違うのか?手漉き和紙の材料、作り方」など、手漉き和紙の疑問に答えるとともに、日本の原風景ともいえる全国各地の和紙の里をご紹介いたします。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。(リンクを貼る)

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

第3回公開講座「私たちの暮らしと地球温暖化1/8」

例年ですとノーベル物理学賞の授賞式は12月にスウェーデンの首都、ストックホルムで盛大に行われていましたが、ノーベル財団は今年の授賞式は新型コロナウイルスの影響を考慮し、メダルなどの授与は去年同様に受賞者が居住する国で行うことを発表しました。地球温暖化予測のための大気海洋結合モデルが評価され物理学賞に決定した、日本人の物理学者真鍋淑郎博士と奥様は舞踏会で踊られるのか、失礼ながら心配と楽しみにしていたのですが残念ですね。それにしてもコロナには困ったものです。

コロナとは直接関係ありませんが当ブログも今回101回目に突入しましたので、12月は環境月間として2019年に開催した公開講座「私たちの暮らしと地球温暖化」をとりあげます。

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当笑楽日塾では2019年10月6日(日)蕨市の旭町公民館に於いて「私たちの暮らしと地球温暖化」と題し、アクティブシニアの地域デビューを後押しする「埼玉県 環境アドバイザー」や「環境省 地球温暖化防止 コミュニケーター」等でご活躍されている前田則義様に、地球温暖化に関する問題点をお話しいただきました。この後8回に分けて週2回の投稿を予定していますが、今回取り上げる講演は2019年10月に行われたものですのでご考慮ください。

≪環境公開講座 開会の辞:司会者≫

今年の夏も猛暑・酷暑になり昨日も30℃を越える非常に暑い日になりました。今日も少し熱くなりましたが夏は暑くて当たり前というフレーズも、命に係わる危険度が増す現在では的外れになってきました。

これが地球温暖化によるものだということを完全否定する方は少ないでしょう。その地球温暖化対策という国連の持続可能な開発目標、いわゆるSDGs(Sustainable Development Goals)にも繋がる大きなグローバルイシュウ(地球的規模での解決が必要な問題)を前にして市民一人一人が自分の暮らしの中で何ができるのか。日々この問題に取り組んでいる専門家のお話を伺うことにより我々一人ひとりがこの問題の意識を高め、暮らしの中で一歩を踏み出す機会になればと考えこのような講座を企画いたしました。それでは開会にあたりまして笑楽日塾の塾長荒井貞夫より挨拶をお願いします。

≪開会挨拶:笑楽日塾塾長 荒井貞夫≫

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皆様こんにちは、笑楽日塾の荒井でございます。今日はお忙しい中この環境講座にお集まりいただきまして誠にありがとうございます。

先ほど司会者から3回目の公開講座との話しがありましたが、1回目は今年3月に中山道の話を歴史と文化ということで開催させていただきました。2回目は8月の蕨市市政施行60周年を記念した講演会とシンポジウムでした。3回目となる今回の公開講座は今年の春から準備をしておりましたが、会場の手配等に手間取り今日の開催に至った次第です。たまたま、今この時期に世界中が環境問題に盛り上がっています。その1つとして9月23日の国連環境デイで77ヶ国の首脳が2050年までにCO2の排出をゼロにするという宣言をいたしました。残念ながらこの場に世界の2つの大国が入っていません。1つはアメリカで、もう1つが日本です。アメリカには『あれはフェイクニュースだ。信じるな。無視しろ。』と言っている人がいます。もう1つは我が日本で、先日小泉進次郎環境大臣がニューヨークまで行って総会に出席しましたが、何ら成果もアピールすることもなかったとジャーナリストから批判されています。しかし日本には日本の事情があって2011年に原子力発電が停止したため、今はどうしても火力発電に頼らざるを得ません。経済産業省によると『これからは風力発電太陽光発電等の自然エネルギーを利用する』『火力発電を減らす等の努力をするとともに、2050年には間に合わなくても原発に頼らない政策を前向きに進める』と、政府として誓っています。私は環境問題に素人のため詳しいことは分かりませんが、今日は埼玉県環境アドバイザーの前田様が分かりやすく解説してくださいますので是非ご期待ください。一緒に学びたいと思いますのでよろしくお願いします。

≪講演者紹介:司会者≫

それでは講演者前田則義様のご紹介をいたします。前田様は会社にお勤めのときに環境問題に係わっておられた関係で、環境の問題に関心を持たれて現在に至っておられます。現在は埼玉県の環境カウンセラー協会に所属され、環境省の環境カウンセラーや埼玉県の環境アドバイザー・環境省地球温暖化防止コミュニケーター等、環境の専門家としてご活躍されています。

2年前に埼玉県の共助社会づくり課が中心となって立ち上げた『地域デビュー楽しみ隊』というアクティブシニアのための組織が出来、私はその地域デビュー楽しみ隊に前田様と共に参加してお知り合いになった次第です。今日は自分事として環境を考える機会にしたいと思いますのでよろしくお願いします。

それでは講演に入らせていただきます。前田様よろしくお願いします。

≪講演:埼玉県環境アドバイザー 前田則義様≫

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皆さまこんにちは、只今ご紹介をいただきました前田と申します。本日はよろしくお願い致します。

最初にこのような素晴らしい機会を作っていただきました笑楽日塾荒井塾長様、笑楽日塾の皆様に熱く感謝申し上げます。ありがとうございます。

さて先ほど塾長もお話しされていましたように、先月末には国連の温暖化対策サミットが開催され、スウェーデンの16才の少女グレタさんが各国の代表を前に涙の演説をされたことをご存じと思います。私は彼女の演説の全文を読みましたが、まさにその通りで『若いのにさすがだ』と思いました。おそらく皆様も同じように感じられたことと思います。

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さて本日のテーマは『私たちの暮らしと地球温暖化』で、流氷に乗って流される白熊君の絵を用紙しました。私はこれからご覧いただくスライドの内容を勤務会社内の環境教育でかなり使っていましたが、その内容は日毎に新しいものに変わっています。今回は今年3月に環境省が改訂した最新バージョンのものをご覧いただきますが、グレタさんが話された講演の裏付けの話にもなります。

私の話は皆様に少し厳しい内容になると思いますが決して将来に悲観することはありません。人には解決する知恵があります。また温暖化と聞くと他人事と考える方も大勢おられます。今日のお話を聞かれた皆様は自分事として考えていただき、本日から皆様の出来ることを是非実践していただきたいと思います。

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それではスライドを切り替えると変な数字が出てきました。

Q:これが何かお分かりになりますでしょうか。

荒井塾長:埼玉県熊谷市の温度ではないでしょうか。

A:講師、前田則義様:今塾長が正解を答えられました。この数字は昨年の7月23日(大暑の日)に日本で最高気温を記録した熊谷市の気温です。

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日本経済新聞によりますと『埼玉・熊谷市で41.1度、観測史上最高 東京・青梅40.8度』 2018/7/23 13:20 (2018/7/23 18:03更新)

一年で最も暑さが厳しいとされる「大暑」の23日、日本列島は引き続き広い範囲で高気圧に覆われ、午後2時23分に埼玉県熊谷市で国内の観測史上最高となる41.1度を記録した。午後1時29分には東京都青梅市で都内初の40度超えとなる40.8度を記録した。午後1時40分に岐阜県多治見市でも40.7度を記録するなど、各地で猛烈な暑さとなった。

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国内の過去最高は2013年8月の高知県四万十市の江川崎で観測した41.0度で、東京都内の過去最高は04年7月に東京都心と練馬区で観測した39.5度だった。午後5時までの主な各地の最高気温は、甲府市が40.3度、埼玉県寄居町群馬県桐生市が39.9度。東京都心は39.0度、名古屋市39.6度、大阪市37.2度だった。(出典:日本経済新聞2018年7月23日より一部抜粋)

熊谷市の最高気温41.1℃は5年前に記録した高知県四万十市の41.0℃より0.1℃上がっただけですが、実はこれは大変なことなのです。今年は10月になっても30℃越えの日があり、毎日が暑くて大変ですね。

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私は今コミュニケーターのバッジを付けていますが、コミュニケーターになったきっかけは勤務していた会社で20年近く前から環境問題に係わっていたことです。すると今私たちが何を行わなければならないかということが分かってきました。ご覧のスライドにはブルーの文字で書いてありますが『次世代の子供たちが、この地球でいつまでも暮らせるよう私たちが今出来ることを、多くの方にお伝いしたいと思います』ということで、子供たちに未来永劫この地球を残したいということです。

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長くなりますので、本日から8回分けて投稿いたします。なお、次回は11(土)に「私たちの暮らしと地球温暖化」をお送りしますのでご期待ください。

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また、11月11日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第4回「日本人だから知っておきたい箸のマナー」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。放送日は12月10日(金)~12月16日(木)までで、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方でオンライン公開講座受講をご希望の方は次のID番号でご参加ください。Zoomの参加ID番号は 817 2214 7316 です。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第5回は12月9日(木)20時より、「新幹線電車発祥地はどこですか」と題し、当笑楽日塾塾長荒井貞夫が「57年前にいきなり時速210kmを実現して世界をアッと言わせた夢の超特急・新幹線電車の発祥の地は何処か、新幹線電車が作られた工場は何処にあったのか、新幹線電車の工場は、何故その場所だったのか。新幹線の開発者・十河信二国鉄総裁と島技師長はなぜ開業式に出席出来なかったのか」など隠れたエピソードをご紹介いたします。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

100回記念号

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当ブログ「笑楽日塾の事件簿」も今回で100号目になりました。いつまで続くのか、はらはらしながら始めたブログですが何とか100回目の原稿を投稿することが出来ました。ボケ防止、暇つぶし、備忘録と考えて書き始めたブログにも次第に力が入り、今では真剣に地球温暖化問題にも取り組むようになったことは驚きです。

笑楽日塾とは 埼玉県南部に位置し、全国の市の中で最も面積が狭く、人口密度は全国の市町村で最も高い蕨市で活動する『就労からリタイアした、又はリタイア間近な男の集団』です。

タイトルは『笑楽日塾の事件簿』などと大層な名前を付けましたが、殺人事件は起きませんし名探偵も登場しません。ミステリー好きな管理人の単なる気まぐれですので気楽にお付き合いください。

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毎月1回一堂に会して行われていた笑楽日塾の塾会も、新型コロナウイルス感染拡大の影響で集まることが出来なくなり、ZOOMミーティングに変えて開催することになりました。ZOOMに変えると更に上を目指す目標も見え「塾生以外の方とも交流を深めたい」と、オンラインによる公開講座の開催に至ったことは流石です。講座の内容は都度当ブログでも紹介していますのでご一読ください。

当初は高齢者の地域活動参加のキッカケ作りに役立ちたいとの思いで書き始めたブログですが、時の流れは恐ろしいもので内容も最近は少し方向を変えはじめ、SDGs 17ゴール13番目の地球環境問題にも多くのスペースを割くようになりました。これには子供たちの未来に私たち大人が禍根を残してはならないとの思いからです。「誰ひとり取り残さず解決し、美しい地球を後世へ繋ぐ。」素晴らしいフレーズですね。笑楽日塾では2018年の暮れ頃からSDGsの言葉が塾会の話題に上がり、その後は塾生全員で勉強会を重ねてきました。

2019年10月には埼玉県環境アドバイザーの前田則義様をお迎えし「地球温暖化と私たちの暮らし」と題して市民公開講座を開催し、市民の皆様に問題を提起しました。

今ではタイミングもぴったりに、2021年10月5日マスコミが一斉に報道した『日本人の物理学者真鍋淑郎博士が嘗て発表していた「地球温暖化予測のための大気海洋結合モデル」が評価され、ノーベル物理学賞受賞が決まった』とのニュースで盛り上がりました。

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後追いの感はありますが、 我が蕨市も広報誌「広報WARABI」2021年11月号にSDGs 12番目の「作る責任 使う責任」の特集が取り上げられています。大変すばらしい内容ですので「SDGsの企画はこれからも続けて欲しい」と望んでいます。

なお、埼玉県でSDGsの先輩格行政、三芳町の「Miyoshi(広報みよし)」には2019年12月号に特集記事が載っています。これを見た時には身震いするほどの刺激を受けました。

https://www.city.warabi.saitama.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/007/052/202111honshi.pdf

https://www.town.saitama-miyoshi.lg.jp/town/koho/2019_12.html

当ブログは笑楽日塾の活動を現在と過去に行ったり来たりしながら脈絡なく書きなぐりますので、個人情報保護重視の観点から多少理解し難いことがあるかもしれません。ご承知おきください。

なお、毎週水曜日の週1回投稿を基本としていますが、時々都合により複数回の投稿になります。前後の脈絡もなく、気まぐれな取り留めのないブログですがお手すきの時にでもお立ち寄りください。

2021年12月4日

≪ 重 要 ≫

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

町内の清掃作業

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2021年10月24日、蕨市で活動する37町会の1つ「中央一丁目旭町町会」の壮年部が主催する、町内の清掃作業が行われました。今回の参加者は34名で京浜東北線沿いの雑草除去とごみ拾い。フェンスに絡まった弦は頑強にしがみついており、中々手ごわいものでした。フェンス際に生えた雑草には隠れるように、タバコの吸い殻や空カン・ペットボトル・ビニール袋などが捨てられており、これらのごみを川や海までたどり着く前に集めたことは、大変有意義だったと自負もしております。

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当日は快晴無風の秋晴れのなかでの作業でしたが、コロナ感染防止で静まりかえっていた地域に大勢の方がボランティアとして参加してくださり、陽光が降り注ぐ中で軽く汗をかきながら一時間あまりの作業となりました。

今回の清掃活動には「日本たばこ産業川口支店」からも、3名の方が町会の趣旨に賛同し参加してくださいましたことに感謝しております。

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また、この日は町会の自主防災委員会の委員長他、役員数名が文化ホール「くるる」南側の小さな防災公園内に設置された、地下倉庫の排水作業を約一時間行ってくださいました。

私も中央一丁目旭町町会の一員で、もちろん今回の清掃活動に参加しました。私以外にも笑楽日塾の塾生は荒井塾長他4名が居住しておられ、当日は皆さんが参加して汗をかきながらご活躍されていました。

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当ブログ「笑楽日塾の事件簿」も最近はSDGsについて取り上げることが多くなりました。今回の清掃活動はSDGsのゴール13番目「気候変動に具体的な対策を」と、14番目の「海の豊かさを守ろう」について多少なりとも役立ったものと思います。

新型コロナウイルス感染収束後は地球環境を守るため世界中の人々が、様々な活動の輪を広げていくものと思います。まずは町内の清掃から。これからに期待しましょう。

(上記内容は荒井塾長のレポートを参考にさせていただきました。)

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なお、笑楽日塾の塾生には町会が違うため今回の清掃に参加していないものの、地元の町会で代表を務めて公園の清掃や整備に頑張っている方もおられます(後日当ブログ内でご紹介します)。

埼玉県内には快適さや豊かさの実現に向け、地域の人々が協力し、自主的な清掃美化活動を行っている団体が多数あります。

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埼玉県は県内清掃美化活動の一環として「地域清掃気軽に登録制度」を作り、地域の環境を美しく保つことで私たちの暮らしに、今まで以上の快適さや豊かさの向上に努めています。

県のホームページによりますと、普段、皆様が行う地域清掃活動について「地域清掃気軽に登録制度」(正式名称:埼玉県地域清掃活動団体登録制度)を設けており、「多くの団体の皆様の登録をお待ちしています」とのこと。

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登録できる団体としては「構成員が5名以上」「活動頻度が年1回以上」だそうで、ハードルはかなり低いようです。なお、登録した団体には多少の清掃物品を支援する制度もあるようですし、活動内容はホームページ上で紹介してくれています。

新型コロナウイルス感染症が流行する中、清掃活動に取り組んでいいただいている皆さまが安心して活動いただけるようにと、県では活動団体のご協力のもと10のポイントを策定していますのでご紹介します。

ちなみに、この「地域清掃気軽に登録制度」には蕨市からも小学校が2校、中学校は1校、企業数社が登録しています。

この制度がもっと多くの方に認知され「県内清掃美化活動」が全県の行事に広がったら素晴らしいことになりますよね。

(県のホームページを参考にさせていただきました。)

https://www.pref.saitama.lg.jp/a0507/seiso/kigaru.html

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現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

また、11月11日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第4回「日本人だから知っておきたい箸のマナー」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。放送日は12月10日(金)~12月16日(木)までで、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方でオンライン公開講座受講をご希望の方は次のID番号でご参加ください。Zoomの参加ID番号は 817 2214 7316 です。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第5回は12月9日(木)20時より、「新幹線電車発祥地はどこですか」と題し、当笑楽日塾塾長荒井貞夫が「57年前にいきなり時速210kmを実現して世界をアッと言わせた夢の超特急・新幹線電車の発祥の地は何処か、新幹線電車が作られた工場は何処にあったのか、新幹線電車の工場は、何故その場所だったのか。新幹線の開発者・十河信二国鉄総裁と島技師長はなぜ開業式に出席出来なかったのか」など隠れたエピソードをご紹介いたします。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

オンライン公開講座PartⅡ第3回「海外コンサルタント生活 タイ、カンボジア編4/4」

今回はカンボジアの首都プノンペンの生活や観光地、旅行で伺ったときのお土産の一押しを紹介してくださいます。最後はいつものようにQ&Aをお楽しみください。

≪ここからは生活面についてお話しします≫

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私の任期は8か月でしたがその間にスタッフの結婚式があり、お呼ばれした時にビールを飲んでいる様子です。スタッフの慰労会も行われ、カラオケも歌いました。昔は「北国の春」と「昴」がカラオケの定番でしたが、今の若いスタッフ歌えません。「涙そうそう」が少し歌われている程度です。

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写真はワットプノンで、私たちの宿舎や現場の近くにありました。元々プノンペンというのは信心深いペンさんというご婦人が、川から仏像を拾ってきて近くの丘(プノン)に祀り、このことから「ペン婦人の丘」を意味する「プノンペン」になったそうです。ワットプノンはワット(寺院)とプノン(丘)を意味しているとのこと。

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プノンペンは東洋のパリと言われる位ですから、街並みはそれなりに綺麗です。トレンサップ川沿いの街並みも綺麗に整備されています。

 

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これは5月のトレンサップ川の写真で、水位は低く川沿いも綺麗に整備されています。上流に向けて撮影されたもので、奥の方に日本が作った日本橋という橋が架かっています。また、更に上流にはアンコールワットを訪れる時の拠点で州都シェムリアップがあります。

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カンボジアではまだオリンピックは開催されていませんが、プノンペン市内には「オリンピック広場」や「オリンピックスタジアム」があります。一番盛んなスポーツはサッカーです。本田圭佑が総監督をしている時期がありましたが、私の赴任中の時期のことでした。

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都庁舎の隣には郵政省があり、入り口にはシアヌーク殿下と王妃や現国王の写真が飾られています。プノンペンの駅前で奥には駅舎が見えます。鉄道はまだまだ貧弱で運行の時間もはっきりしていませんけれども立派な駅舎がありました。

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プノンペン市内には大きなマンションが中国資本で沢山建っています。40階近いツインのアパートメント も見えます。

 

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市内の道路にはそれぞれ名前が付いており、ロシア道路、シャルル・ドゴール道路、フランス大使館近くにはフランス道路、マオ・ツォードン(毛沢東)道路などの名前が付いたものがありました。

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11月のトレンサップ川で今度は下流に向いていますが、右側の大きなホテルの先約4kmでメコン川との合流になります。

11月上旬には3連休があり、この時に合わせて開催される「水まつり」というお祭りが開催されます。

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この時はカンボジア各地から大勢の人が集まり、写真のようなボートレースが行われます。この大きなボートには70人くらいの漕ぎ手が乗っています。他にもボートの種類によって5人位のものや20人位のもの他いろんなものがあります。祭り当日はすりなど犯罪の被害に遭いやすいので「近寄るな」と大使館からの通達も出ていました。

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街の中は写真のようなプレートが貼られた建物がありました。これはJICAの実績で「洪水対策工事」のモニュメントで、洪水対策のポンプ室を作ったというものです。

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プノンペンの北にはトレンサップ川を渡る橋があり、ここもJICAが行った工事で「チュルイ・チョンバー橋(日本橋)」日本の大林組が架けました。ここには日本橋と中国橋が並んで作られています。日本橋が先に作られましたが内戦の影響で一度落橋してしまい、その後修復したものです。2014年には中国が新しく橋を併設したため負けてはならじと、日本も2017年から拡幅と補修を行いました。今では日本橋と中国橋それぞれ片側各2車線あり、上下車線とも4車線になっています。

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都庁の中庭で日章旗の付いたバスを見つけました。珍しいので思わず写真を撮ったのですが、日本がいろいろな支援をしている中にバスの供与というものがあるんですね。バスには扇子に日章旗カンボジアの国旗を描いたシールも付いています。JICAは交通網の整備他、様々な支援を一生懸命行っているようです。

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カンボジアに行くと様々なお土産がありますが、私の一押しはタマリンドクッキーです。カンボジアアンコールワットを売りにしていますので、アンコールクッキーやアンコールビールなど様々な物にアンコールの名を付けています。しかし、このタマリンドクッキーにはアンコールの文字はありません。タマリンドはサヤエンドウのような形をしたマメ科被子植物で、このクッキーはタマリンドの甘酸っぱい実を練り込んであるレモン風味のするクッキーです。10枚入りで1.5ドル、20枚入りで3ドルでした。プノンペンには北と南にイオンの大きなショッピングセンターがありますので、そちらでお買い求めになられては如何でしょうか。

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ODAのシンボルマークです。先ほど申しましたように「From the People of Japan」(日本から応援していますよ)それから「Official Development Assistance」(ODAですよ)というプレートが開発途上の国ではあちこちで見られると思います。旅先で目に触れましたら「ここでも日本が貢献して頑張っているんだな」と思いだしてください。

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バンコク同様プノンペンでも休日は専らゴルフで心身ともにリフレッシュしていました。

ご清聴ありがとうございました。

 

≪Q&A≫

Q1:現地ではゴルフも楽しまれたようですがキャディさんは女性でしたでしょうか、それとも男性でし たでしょうか。また、プレーフィーはどれくらいでしたでしょうか。

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A1:カンボジアではクラブハウスから紹介された女性にお願いしていました。私は仕事がお休みの土曜日か日曜日にプレーしていましたが、プレーフィーは電動カート付きで70ドル。プレー終了後にチップとしてキャディさんに10ドルお渡ししました。

Q2:タイはタイ文字という独特の文字がありますが、カンボジアも独自の文字を持っているのでしょうか。

A2:タイにはタイ語があり、カンボジアにはクメール語があります。カンボジアのエンジニアに「タイ語は読めるか」と聞いたら「半分くらい読めるが意味は分からない」と言っていました。似ているようですが実は違うんですね。あと、ラオスにはラオス語もありまして、これはタイ語に近いのでヴィエンチャンに行くとタイのバーツが使えたり、タイの新聞が売られていたりします。

Q3:現地で雇われたスタッフの収入は日本と比べた場合どれくらいのものでしょうか。

A3:タイの場合で半分まで届きません。カンボジアはもう少し低いですね。

Q4:ブータン国民の幸福度は有名ですが、タイやカンボジアの人々の幸福度は直感的にどんなものだとお思いですか

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A4:確かに収入は日本と比べた場合には低いです。しかし、皆さんは大変に幸せそうです。私たちはタイでもカンボジアでも現地スタッフを短期で雇うことになりますが、皆さんは期間が短いことを全く憂いていません。例えばバンコク東部外環状道路国道9号線改修工事で働いた」という証明書を貰えば次のステップに進めると考えるからです。また、次の仕事はすぐに見つかるので彼らに不安感はありませんでした。

Q5:JICAが事業を行ったところに「From the People of Japan」と書かれたプレートがありました。これには「the People」と付いているのですが、私は日本のことを「the People of Japan」というのを初めてみましたので、これには何か特別な意味があるのか疑問に思いました。私も十数年前にJICAのボランティアでバヌアツに行きましたが、その時には「the People」という文字はなかった様に記憶しているのでお聞きしてみました。

A5:このプレートのロゴはJICAから指定されたものですので、特別の意味があるのかそれともないのかは私には分かりません。お答えにならなくて申し訳ありません。

 

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街中が綺麗に清掃されていることにびっくりです。日本も綺麗な方だと思っていたのですが、プノンペンにはかないそうもありません。ごみを減らすこともSDGsですね。

水まつりに70人で漕ぐボートレース、すごい迫力でしょうね。一度見たいものですが犯罪に巻き込まれるのは遠慮したいですね。また、タマリンドクッキーも未知の味のようですので興味があります。

今回はODAとJICAについて教わりました。普段何気なくテレビのニュースや新聞などで見聞きしているフレーズですが、知っているようで実は大して知っていないということが良く分かりました。何事にも貪欲に興味を持ちたいものです。講演の後にふと思いついて調べてみたのですが「青年海外協力隊」もJICAの事業の一つとのこと、多くの日本人が海外で活躍されていることを知り嬉しく思いました。

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現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

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また、11月11日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第4回「日本人だから知っておきたい箸のマナー」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。放送日は12月10日(金)~12月16日(木)までで、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方でオンライン公開講座受講をご希望の方は次のID番号でご参加ください。Zoomの参加ID番号は 817 2214 7316 です。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第5回は12月9日(木)20時より、「新幹線電車発祥地はどこですか」と題し、当笑楽日塾塾長荒井貞夫が「57年前にいきなり時速210kmを実現して世界をアッと言わせた夢の超特急・新幹線電車の発祥の地は何処か、新幹線電車が作られた工場は何処にあったのか、新幹線電車の工場は、何故その場所だったのか。新幹線の開発者・十河信二国鉄総裁と島技師長はなぜ開業式に出席出来なかったのか」など隠れたエピソードをご紹介いたします。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

オンライン公開講座PartⅡ第3回「海外コンサルタント生活 タイ、カンボジア編3/4」

今回からはカンボジア プノンペンの信号機工事のお話です。カンボジアは経済成長に伴い自動車台数が増加しており、特にプノンペンでは交通渋滞が深刻な問題となっているとか。特に朝・夕のラッシュ時には市内のいたる所で渋滞が見られるそうですが、その解決方法をお話しくださいます。

≪3.カンボジア プノンペン信号機工事≫

・案件の概要です。

カンボジアの首都プノンペン市は、信号機の整備と交差点の改良、立体交差の建設など交通改善施策に取り組んできました。

しかし、プノンペンの各交叉点は信号機や制御システムが統一されていないため、交通量の流れと無関係に信号が表示されていました。これらが交差点と交差点の間の車両の滞留と交通渋滞の悪化や交通事故死亡者数の増加を招き、深刻な問題になっていました。

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プノンペンはそんなに大きな町ではありません。7km×6km位の小さな首都で、ここには元々69個の信号機が設置されていました。信号機はカンボジア独自の物の他、フランス、中国、アメリカ、その他様々な物が7種類69個設置されていました。今回JICAはその中の64か所を取り替えた他、新たに45か所を追加し、プノンペンの南側を東西に走る国道1号線沿いにも6か所を追加して合計115か所の工事を行いました。その115か所の新しい信号機から交通の情報を1か所に集め、管制制御する交通管制センターの整備を行いました。ちなみに国道1号線も日本の支援によって作られたものです。

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信号機は26基に車両監視のカメラが付いています。それらを光ファイバーケーブルでプノンペン都庁舎の中にある交通管制センター管制室と繋ぎ、このネットワークでセンターからリモートコントロールするという工事でした。

上の写真は都庁舎です。都庁舎は複数の建物に分かれていますがこの建物の9階に交通管制センターが設置されています。

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都庁舎の中にはなぜか鹿と銃のモニュメントがありました。この銃は何処を向いているのかと聞いてみても、どなたも答えてはくれませんでした。

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工事の内容は単純ですけれども、信号柱を立て、信号機を取り付け、光ファイバーケーブルで繋ぐということです。これらは日本が調達したタイからの輸入品です。

私は後半の8カ月しかおりませんでしたが、赴任した頃にはほとんどの工事は終わっていました。我々が行った工事範囲は交差点の中の舗装や整備をすることでした。

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もちろん交差点の外側にも不具合があれば直しますし、混雑する大きな道路は中央分離帯の工事を行いましたが、広範囲の道路工事までは含まれていませんでした。

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プノンペンはオートバイが沢山走っているため、オートバイが原因の事故が多くあります。

ほとんどの信号機は6灯式で、単純な交差点には3灯式のものもありますが、左折帯や右折帯があるような道路では6灯式のものが使われています。

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信号機の上にはさらに信号柱を伸ばして車両の検知器と監視カメラが付いています。

歩道の信号機も我々の工事の範囲内です。シンプルなものでは駆け足をするような絵のものがあり、パカパカ点滅はしますがそれほどモダンではありません。

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プノンペンはオートバイやトゥクトゥクが走り、高層ビルも建ち始め、古いものと新しいものが混在した活気のある街でした。ちなみにトゥクトゥクは乗っている人は快適なんでしょうが、周りを走る車やオートバイにとっては厄介な代物のようです。

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交差点で信号柱が道路に近い所では写真のようなトラ模様の防護柱を設置しました。各信号にはコントロールボックスが付いており、そこには「From the People of Japan」と書かれたシールが貼られています。皆様もプノンペンに行かれた折には信号だけではなく、コントロールボックスに貼られたシールを是非確認してください。

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コントロールセンターです。モニターは12の画面に分割されており、左側の6画面に映っている地図の中には車両検知器から送られてきた混雑状況が赤や青の点で表示されます。右側の6画面には26か所のカメラから送られてきた絵が出ます。このカメラは角度を変えたり拡大や縮小することも出来ます。警察も使用する権利を持っているようですが、基本的には交通管制として使われます。このセンターから混んでいる所と空いている所を調整することが出来ることになります。

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竣工式です。工事は12月に終わったため私は帰任していましたが、翌年の8月頃に写真のような竣工式が行われ感謝状をいただきました。

 

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1年後の瑕疵検査には私も参りましたが大きな瑕疵はありませんでした。なお、交通事故や災害で信号機が壊れたとか映像が映らないとかは瑕疵には当たりませんので客先の方で直していただいております。

 

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プノンペンの街中を走るオートバイとトゥクトゥクの迫力はテレビの画面からもすごさを感じさせられますね。 信号機が整備されたことで交通事故が無くなることを願っています。また、これにより交通状況が改善をされ、経済活動が活発になって欲しいものです。

次回はプノンペンでの生活やカンボジアの観光地、旅行に行かれた際のお土産などを教えてくださいます。

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現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

f:id:jiajiawarabi:20211007171247j:plainf:id:jiajiawarabi:20211007171307j:plainまた、11月11日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第4回「日本人だから知っておきたい箸のマナー」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。放送日は12月10日(金)~12月16日(木)までで、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方でオンライン公開講座受講をご希望の方は次のID番号でご参加ください。Zoomの参加ID番号は 817 2214 7316 です。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第5回は12月9日(木)20時より、「新幹線電車発祥地はどこですか」と題し、当笑楽日塾塾長荒井貞夫が「57年前にいきなり時速210kmを実現して世界をアッと言わせた夢の超特急・新幹線電車の発祥の地は何処か、新幹線電車が作られた工場は何処にあったのか、新幹線電車の工場は、何故その場所だったのか。新幹線の開発者・十河信二国鉄総裁と島技師長はなぜ開業式に出席出来なかったのか」など隠れたエピソードをご紹介いたします。

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オンライン公開講座PartⅡ第3回「海外コンサルタント生活 タイ、カンボジア編2/4」

前回は「日本の国際協力ODAとJICA」についてでしたが、今回はタイ バンコク高速道路改修工事についてお話しくださいます。バンコクの大半は海抜ゼロメートル地帯だそうですので心配は尽きませんが、最近は日本でもゲリラ豪雨による洪水が頻発しており、バンコクのことを他人ごとと言ってはいられません。バンコクでは洪水が起きた場合を想定し、どのような対策を取ったのでしょうか。また、後半はバンコクでの生活やタイの観光地を紹介してくださいます。

≪2.タイ バンコク高速道路改修工事≫

・案件の概要です

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タイ王国では2011年7月から断続的に降り続いた80年に一度と言われる記録的な大雨により、10月以降は首都バンコクをはじめ、多くの工業団地が集積するアユタヤ県及びその周辺など多くの地域が洪水による被害を受けました。

同年10月に日本政府は洪水収束後の支援について調査団を派遣し、首都バンコク東部の自動車専用道路(国道9号線、全長約63km)のうち、冠水した30kmを対象に改修することとしました。

設計方針は、2011年の洪水と同規模の洪水に対しても、北行き4車線を中央で分けて南北2車線ずつの交通が共用できるようにする。ということで北行き4車線の路面の高さをかさ上げすることとしました。

2011年は日本でも大きな震災で壊滅的な被害を受けた年ですが、バンコクは大変な洪水に見舞われました。バンコクの北にあるアユタヤ県や東南に位置するチョンブリー県は、日本の自動車産業を始め精密機械工業が多く進出しているため、洪水により大変な被害を受けています。また、この辺りには高台がありませんので写真でもお分かりのように、沢山の車が人工的に作られたインターチェンジ等に避難していることが分かります。

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次は工事の位置図ですが、バンコクの拡大図をご覧ください。バンコクの周りには環状道路が走っています。バンコクの北にあるアユタヤ県には多くの工業団地があります。この工業団地で使われる材料等の入荷や完成品の出荷は、高速道路9号線を南に下ったレムチャバン(地図の右下)という港を経由して輸出入することになります。

・工事の概要です

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この写真左はプロジェクト契約時の様子で、タイ国のダイレクターでサイナーと右側は請負業者の代表者です。セレモニーがタイのバンコクで行われました。

次の図は晴天時と洪水時の高速道路の様子を描いたもので、北から南を見たものです。片側の4車線だけを砂利やアスファルト等でかさ上げし、平均45cm高くしようということです(図では右側車線の北行きをかさ上げしています)。

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2011年の洪水は80年に一度の大雨のため起こった大洪水でしたが、かさ上げしてこの時と同程度の雨が降った場合でも北行き4車線は路肩程度で水位が止まるようにしました。水没を免れた北行き4車線の中央に分離帯を置き、南行き2車線と北行き2車線に分けて通行しようというのが今回のプロジェクトの設計思想になります。

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この図のように既存の舗装構成を新設舗装構造のようにかさ上げを行います。既存舗装構成は下から順に下層路盤という20cmの砂利の層があります。25cmの上層路盤という砂利の層があります。さらに10cmの下層アスファルト、5cmの基層アスファルト、5cmの表層アスファルトがあります。

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新設舗装工事を行うために既存のアスファルト部分の3層をめくって壊し、20cmのサブベースという砂利の層、25cmのベースコースという砂利層を設け、その上には既存舗装構成と同じように10cmの下層アスファルト、5cmの基層アスファルト、5cmの表層アスファルトで45cmのかさ上げを行います。最後にアスファルトフィニッシャという機械でアスファルトを舗設し、転圧機で固めて完成です。

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改修工事完了の写真を見ていただくと左側車4線がかさ上げされて高くなっているのがお分かりいただけることと思います。

私が関わっていたのは2013年から2015年まででしたが、2014年5月20日にタイでは軍事クーデターが起こりました。我々が仕事をしていた事務所は、工事をしている道路のインターチェンジの中央にありました。

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そのオフスは軍に占拠されてしまい、軍からは『おまえたちはここにいて仕事をしていてもいいが静かにしていろ』と言われる羽目に。JICAに報告したら『1週間ほど事務所に行くな』と言われ、私たちは暫く仮事務所にいました。軍人は片時も銃を離さないためトイレで一緒に用を足したときは少し不気味でしたが、軍隊も一週間くらいで別なところに移りましたので安堵したという経験もしました。

≪ここからは生活面についてお話しします≫

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私が住んでいたところは都心から少し北へ行った地下鉄のホイクアンという駅に近い、40階建ての大きなコンドミニアムで50㎡位の部屋でした。

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基本的には自炊ですので毎週日曜日には写真(居住地近くの街並み)の右側に見えますBig Cというスーパーマーケットにリュックをしょって買い物です。特に1階のフードコートなどは人も大勢来ており、かなりの賑わいでした。

ホイクアンは都心からかなり離れているのですが、途中にはこのような大変モダンな歩道橋があります。

象さんはタイの生活にも信仰にも欠かせない存在で、バンコクの町中至る所に写真のような祠がありました。

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また、バンコク市内には85階建てのホテル他高い建物が沢山あり、まさに近代的なアジアン都市です。

私は単身赴任でしたので家族はもちろん、友達も度々遊びに来てくれました。そんなときに案内する旅行先をご紹介します。

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まずは近い所ではバンコクの北にあるアユタヤですね。ここにはワット・マハタートという木の根っ子に仏像の顔が飲み込まれたような、“奇跡の仏頭”として知られる寺院があります。アユタヤではこういう古い遺跡も沢山見ることが出来ます。

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アユタヤからは少し南になりますが、数多くの宮殿を見ることが出来るバンパイン宮殿群があり、ゴシック風の宮殿が魅力的です。樹木の葉をうまく使って造形して象さんの形に作ったものもあり、大変見栄えのする憩いのある宮殿です。

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バンコクからは160km程離れた所にあるパタヤは、車だと2時間ちょっと位です。夜の街は正に華やかでにぎやかな街です。

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サムイ島というところもあります。バンコクからは少し離れていますのでここには飛行機で行きました。ベトナムカンボジア・タイ・マレーシアに囲まれたタイランド湾はあまりきれいな海ではありませんが、ここはココナッツアイランドといって少しきれいなところがあり、落ち着いた島でした。

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なお、 水はあんまりきれいではないのですが、有名なのはやはりプーケットですね。ここには大きな五つ星ホテルも沢山あり、欧米からの旅行者も沢山来ておられました。

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隠れた保養地になりますが、バンコクから200km位の所にホアヒンがあります。ここには王室の別荘や立派なゴルフ場などがあり大変落ち着いたところです。しかし残念なことに私はここのゴルフ場には行っていません。

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バンコク市内の王宮です。ここには観光客が沢山来られて何時も賑わっています。私が滞在していた頃は国王が体調を崩されていたとのことで、新聞などには『お元気になってください』という文字が並んでいました。

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少し西になりますがミャンマーとの国境近くに「戦場に架ける橋」で有名なカンチャナブリーがあります。ここにも家族が来た時やお友達が来られた時には必ず案内しました。バスで3時間半ほどかかるため少し遠いのですが、お連れしていました。

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バンコクでの余暇は専らゴルフを楽しんでいました。施工業者さんもプレーする方が沢山おられましたので。

 

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バンコクの幹線道路が埋没しないように行った「かさ上げ工事」は素晴らしいですね。また、タイの数々の観光地を紹介していただきました。「カンチャナブリー」ウイリアムホールデンが主演した映画「戦場に架ける橋」は見ていませんが、クワイ川マーチはあちこちで耳にしたと記憶しています。ちなみにウイリアムホールデン丹波哲郎と共演した「第七の暁」が好きです。

次回24日(水)はカンボジア プノンペンの信号機工事のお話です。

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現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

f:id:jiajiawarabi:20211007171247j:plainf:id:jiajiawarabi:20211007171307j:plainまた、11月11日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第4回「日本人だから知っておきたい箸のマナー」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。放送日は12月10日(金)~12月16日(木)までで、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方でオンライン公開講座受講をご希望の方は次のID番号でご参加ください。Zoomの参加ID番号は 817 2214 7316 です。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第5回は12月9日(木)20時より、「新幹線電車発祥地はどこですか」と題し、当笑楽日塾塾長荒井貞夫が「57年前にいきなり時速210kmを実現して世界をアッと言わせた夢の超特急・新幹線電車の発祥の地は何処か、新幹線電車が作られた工場は何処にあったのか、新幹線電車の工場は、何故その場所だったのか。新幹線の開発者・十河信二国鉄総裁と島技師長はなぜ開業式に出席出来なかったのか」など隠れたエピソードをご紹介いたします。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

オンライン公開講座PartⅡ第3回「海外コンサルタント生活 タイ、カンボジア編1/4」

2021年10月14日(木)20時より、当笑楽日塾塾生が「海外コンサルタント生活 タイ、カンボジア編」と題し、タイ・バンコク高速道路改修工事とカンボジアプノンペン信号機工事について、工事概要とコンサルタントについて、また当地での生活ぶり等を紹介してくださいました。

JICAの活動はテレビのニュースなどで時々耳に入って来ることはありましたが、その詳細を知ることはありませんでした。しかし、今回のお話で開発途上国などへの貢献を詳しく教えていただき感謝です。

講演の内容を4回に分けて、本日より週2回(水曜日と土曜日)投稿します。

≪荒井塾長挨拶≫

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皆様今晩は、笑楽日塾の荒井貞夫でございます。今夜はオンライン公開講座にご参加いただき、誠にありがとうございます。オンライン公開講座PartⅡ第3回目の開催に当たり一言ご挨拶申し上げます。いつもは笑楽日塾の紹介画像をご覧いただきながらお話ししておりましたが、今夜は一味違った画像から入りたいと思います。

10月5日皆様ご存じのように真鍋博士のノーベル物理学賞受賞が発表され、日本中が湧きたちました。地球温暖化の研究が認められたわけでございます。54年前にこの研究発表されたということでございます。私たちはこの笑楽日塾で2年前から地球環境改善とかSDGsの勉強を始めました。

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ちょうど今から2年前に埼玉県の環境アドバイザーである前田則義様にご講演をいただきました。そして様々な学ぶことがでてきたわけであります。また、前田様には先月(9月9日)にもこのオンライン講座で「環境にやさしい緑のカーテン」と題しまして、地球温暖化への庶民の目線で取り組むお話をしていただきました。この講座の様子は蕨ケーブルビジョン株式会社が先週(10月1日~7日まで)ウインクという特別番組で放送してくださいました。そのようなことがありまして、この度真鍋博士のノーベル賞受賞が発表されました。私たちが笑楽日塾として「何かやろう!」と始めた時、最初はこれを取り上げたらどうかなということで勉強会を始めました。それがこの環境問題でありました。そこに前田様に加わっていただきいろいろと勉強をした訳でございます。このときには思いもしませんでしたが「今日では誰もが注目しているノーベル物理学賞の気候変動に関するものと関係がある」ということは全く想像も出来ませんでした。

この地球温暖化問題は2年前にアメリカの大統領が「俺はそんなことはしない」といってパリ協定から脱退したという大事件がございましたけれども、その後を継いだバイデン大統領がパリ協定に復帰しました。いろいろなことを勉強する中で「笑楽日塾はこれをやってきて良かった」ということを今は実感しております。

さて、今夜は塾生による「海外コンサルタント生活」のお話です。JICAの専門家として赴任されたタイとカンボジアで活動され、2つの大きなプロジェクトの成功と、日本とはまるで違っている南国での人々の暮らしぶりを紹介してくださいます。ご期待ください。

≪塾生講演≫

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ご紹介いただきました様に海外コンサルタント生活として、タイとカンボジアで仕事をした工事の中身とその生活ぶりについてご紹介したいと思います。私は38年間ゼネコンに勤務し、海外に橋を架けてきました。

その後、縁あって海外の工事を専門にする建設コンサルタント契約社員として勤務し、そこでJICAとの仕事に出合いました。今日は日本の国際協力ODAとJICAについて簡単に説明した後、私が担当したタイのバンコックでの高速道路改修工事と、カンボジアプノンペンでの信号機工事をご説明させていただきます。

≪1.日本の国際協力ODAとJICA≫(参考資料:外務省、JICAホームページ)

国際協力には、政府開発援助:ODAOfficial Development Assistance)があります。政府が開発途上国の社会や経済の開発を支援する行為です。2019年の実績ですが世界の国々からの支援は、1位:アメリカ334.9億ドル、2位:ドイツ242.0億ドル、3位:イギリス193.9億ドル、4位:日本155.9億ドル、5位フランス122.1億ドルになります。日本は4位ですが155.9億ドルを110倍すると、1兆6千億円を超える国際協力をODAとして行っていることになります。

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ODAの中にはJICAというものがあります。国際協力機構JICA(Japan International Cooperation Agency)。

ODAの支出は二国間援助の約117.9億ドルと、国際機関への出資37.9億ドルで、拠出金はこの2つに分けられます。2つの行為のうちJICAは二国間援助を担います。絵の右上にあるロゴはJICAのマークです。

JICAの二国間援助には用途が3項目あり、117.9億ドルの内訳は1.技術協力に27.2億ドル 2.有償資金協力に65.2億ドル 3.無償資金協力に25.6億ドルになります。これは2019年の資料ですが、その後もこの比率はあまり変わっていません。

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二国間援助の中の一つで技術協力というのはどのようなものかと申しますと、専門家の派遣、機材の供与、日本での研修等を通じて開発途上国の経済や社会発展に必要な人材育成、制度構築、技術普及、研究開発などを支援するものです。技術協力の写真はバングラデシュの小学校で、理数科の授業の様子です。

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二番目の有償資金協力は、開発途上国に対し低利でしかも長期の緩やかな条件で開発資金を貸し付けることにより、開発途上国の発展への取組みを支援する貸付行為のことです。有償資金協力の写真はインドの高速輸送システム建設事業で、地下鉄ですね。ここに資金を貸し付けています。

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最後は無償資金協力です。開発途上国が経済や社会開発のために必要な施設を整備したり、資機材を調達したりするための開発資金を贈与します。贈与ですからこれには見返りはありません。寄付ですね。こういう行為が無償資金協力です。無償資金協力の写真はモーリタニアの地方飲料水供給事業のものです。

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無償資金協力事業についてご説明します。相手国の政府と日本国政府は交換公文(Exchange of Notes)を交わします。この期間に、こういう目的で、この金額を贈与しますよ、ということです。交換公文に対して JICAは贈与契約というものを結びます。どういう形でこの行為をするか、この期限でどの仕事をどのようにするか、ということをこの贈与契約で結びます。コンサルタントはJICAと契約をしてその工事の「詳細設計」「事業費の積算」「入札図書の作成」「入札の評価」「契約書類の作成」を行います。

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その後JICAはこのコンサルタントを相手国に推薦します「施工監理としてこのコンサルタントを使いなさい」という推薦です。相手国はコンサルタントと契約を行います。その中身には「施工監理」と「瑕疵検査」というものが含まれます。工事の施工が終わって1年後を目途に、その工事の内容について「瑕疵の有無を検査しなさい」。その時に「瑕疵の責任が請負業者に認められるときには、その瑕疵を請負業者が責任をもって修正しなさい」ということまで契約に結ばれています。施工については施工業者が行いますが、物資の調達がありますので商社がJV(共同企業体)に加わることも多々あります。

コンサルタントの施工監理は、契約書で規定されている仕様書、設計図書などに則って所定の品質を確保しながら正しく施工されていることを管理することです。

実際の管理項目としては

・工程の管理:供与期限内に完了すること、これは週例、月例工程会議でチェックします。

・使用資材の品質、規格の確認:これは材料の出荷時の証明書等を我々が確認します。

・施工方法の承認、出来形の確認:施工方法はメソッド・ステートメントという工法のやり方を事前にコンサルタントに提出し、許可を得てから施工業者は工事に入ります。現場試験にも立会います。

労働災害と公衆災害防止の徹底:JICAは安全についても非常にシビアです「日本国内並みの安全管理をしろ」と、かなり厳しい注文が付きます。週例、月例会議でチェックします。

・治安情報への配慮:現地の情報を収集して、請負業者に伝えることも役目の一つです。

・日常管理:週報と月報を作成して関係各部署に配布することも重要な仕事になります。

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日本の国際協力ODAとJICAの関係が良く分かりました。日本からも多額の金額が支出されていますので無駄なく有効に使っていただきたく思います。何気なくテレビを見ていたら「JICA海外協力隊」のコマーシャルが流れていました。ホームページのほんの一部分ですが「開発途上国の国づくりに貢献できる人材を現地に派遣する」と書かれていました。素晴らしいですね。

次回20日(土)はタイ バンコク高速道路改修工事のお話です。

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現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

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また、11月11日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第4回「日本人だから知っておきたい箸のマナー」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。放送日は12月10日(金)~12月16日(木)までで、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方でオンライン公開講座受講をご希望の方は次のID番号でご参加ください。Zoomの参加ID番号は 817 2214 7316 です。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第5回は12月9日(木)20時より、「新幹線電車発祥地はどこですか」と題し、当笑楽日塾塾長荒井貞夫が「57年前にいきなり時速210kmを実現して世界をアッと言わせた夢の超特急・新幹線電車の発祥の地は何処か、新幹線電車が作られた工場は何処にあったのか、新幹線電車の工場は、何故その場所だったのか。新幹線の開発者・十河信二国鉄総裁と島技師長はなぜ開業式に出席出来なかったのか」など隠れたエピソードをご紹介いたします。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

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