笑楽日塾の事件簿blog

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就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

第3回公開講座「私たちの暮らしと地球温暖化7/8」

このシリーズは2019年10月に行われた講座のご紹介で、「私たちの暮らしと地球温暖化」の7回目≪Q&A≫の後半を投稿します。

≪Q&A後半≫

司会者:地球温暖化と気候変動による異常気候の因果関係はなかなか難しいかも知れません。先ほど土地の温度も上がるとお話しされましたがスライドでも衝撃的な写真が出ており、コメの中が白化したり割れたりしてしまうということがありましたので、次の質問は食糧生産についてです。

≪Q4≫

地球温暖化が進んだ将来の影響について、特に食料生産のことでお伺いしたいと思います。日本のおコメ収穫はあまり変わらないものの、地域による偏りが大きくなり品質も落ちると先ほどおっしゃいましたが、地球温暖化で食料の供給に大きな悪影響があるということは避けられないということがよく分かりました。だから、世界が一丸となって温室効果ガスのゼロ排出に向けて必死に努力しなければならない、ということだと思いました。そこで、さる8月初めにIPCCが発表した土地利用に関する特別報告書のことに触れたいと思いますが、それを報道した新聞記事によると、その有効な手立ての一つが「効率的な土地利用の推進」であり、温室効果ガスを減らし土地の砂漠化進行を防ぐ「森林再生」が最も良い気候変動への解決策だということです。しかしながら、そこで厳しい現実があると思います。それは、森林再生によって効果を上げるだけの土地が不足しているということだと思います。そうなると、食料の安定供給と温室効果ガス低減を両立させるにはどうしたらよいのか、ご教示をお願いします。

≪A4≫

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今二つのお話をされ、一つ目は食糧生産で二つ目は森による二酸化炭素吸収で少しニュアンスは違いますが、日本の場合は農家の方が高齢化して田んぼや畑を耕すのが難しくなってきたため、各地に休耕田が沢山あります。税金対策等いろいろな問題があると思いますがこのような休耕田、つまり国や県等が寝ている田んぼや畑をうまく活用する仕組みを作ることが大事だと思います。但しすぐに出来るかというと難しいと思いますが。森林再生は大変重要なことですが、今は森の所有者の方が高齢化して木の手入れが出来なくなっています。私は鳩山町で森の手入れをやっていますが、森の所有者の方は高齢化のためとても手入れなどしていられません。林野庁などもボランティア等の各団体にそれなりのインセンティブを与えて、もっと活動してもらうことも必要だと思います。食料に関しては私も非常に関心を持っていますが、日本の食料自給率はカロリーベースでは40%と言われていました。そこで国は目標を45%に上げましたが、実際にはうまくいかずに結果は37%になり40%を割ってしまいました。国が本気になって自給率を上げることも大事ですが、私が皆さんにお勧めしたいのは、プランター1つでも2つでも良いのでご自分で種を撒くなり苗を植えるなりして、食べられる野菜を作って欲しいということです。我が家ではミニトマト、冬は絹サヤを作っていますが、プランターにいっぱいできます。肝心なのは『自分の出来ることをする』ということです。買ってくるのではなく自分で汗を流して作った野菜は美味しいですし、もちろん無農薬野菜です。我が家は夏場緑のカーテンを作っていますが、冬場はプランターが空いていますので12月頃に絹サヤの種を撒くと春先には立派なものができます。

司会者:冒頭前田様の紹介で言い忘れましたが、前田様は環境アドバイザーとかだけではなく、鶴ヶ島市を中心に『緑のカーテン市民実行委員会(愛称:みどりかぜ)』の代表を務められておられます。

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市民の環境意識を高めるためゴーヤ等の植物で日よけのカーテンを作って温度を下げ、なるべくエアコンを使わなくても済む生活ができるように地道な活動をされています。森林再生という大層なお題目がありますけども今お聞きしたように、プランターを活用して気温を下げたり食糧を育てたりすること、つまり『みどりかぜ』の活動を行えば一人ひとりの貢献が大きな輪になるものと思います。

先ほどスライドで地球温暖化に備える『適応策』と温室効果ガスを減らす『緩和策』という二の対策を示されました。この件で質問がございます。

≪Q5≫

今日はご講演ありがとうございます。温暖化による悪影響に備える『適応策』と、その悪影響を減らす『緩和策』について前田様のお話とかスライドで勉強させていただき、私も環境に対する思いを今更ながら新たに受け止めたところでございます。私もあまり詳しくは分からいのでが、最近よく耳にするのが「SDGsエスディージーズ)」(持続可能な開発目標)という言葉です。第3章に少し出ていたと思います。そのことについて、特に「気候変動に具体的な対策を」とありますので、お伺いしたいと思います。そもそもSDGsという言葉自体が、私ども勉強不足もありまして『持続可能な開発目標』となりますとどうしても企業の方に目が行ってしまって、私たち一市民はどういう風に理解したらよいのかなというのが一つです。マスコミは反響の大きいところを取り上げたりしますので私たちはどう向き合っていったらよいのか具体的な行動指針と言いますか、そのいろはについてご教示いただければと思っております。よろしくお願いします。

≪A5≫

SDGs』とは『Sustainable Development Goals』の略で『持続可能な開発目標』発音はエスディージーズと言います。時々『エスディジーエス』と読まれる方がおられますが、最後はGoals(ゴールズ)の略で(ジーズ)になります。これは2015年9月にニューヨーク国連本部で開催された、「国連持続可能な開発サミット」で採択されたもので国連加盟193ヶ国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。17の大きな目標とそれらを達成するための具体的な169のターゲット及び数値目標232の指標で構成されています。

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SDGsの17の目標のスローガンは誰も置き去りにしないです。SDGsの目標を見てみますと左図のように1~17まであり『経済』『産業』『社会』の3軸で構成され諸課題を包括的に扱います。本日のテーマ『気候変動に具体的な対策を』も13番目にあります。1番は『貧困をなくそう』です。全世界には貧困の方が10億人おられて1日1ドルで生活しているそうですが、1ドルというとパン1個分の金額にしかなりません。日本にも貧しい子供が7人に1人いるということが言われています。私は4番の『質の高い教育をみんなに』が大事で、このような講座も教育の一つかなと思います。7~12はエネルギーの問題・不平等をなくそう等大きな問題があります。13番からは社会の問題ですが、先日アメリカのゴア元副大統領が日本に来られて2時間半にわたり熱弁を振るわれました。https://www.sustainablebrands.jp/news/jp/detail/1194195_1501.html

ゴア元副大統領は『不都合な真実』という映画を作られた方で、その中で『今、人類の最大の課題は環境問題である。これに取り組まないと大変なことになる。』と、言われています。

環境省としての目標は17項目中次の7項目『4.質の高い教育を皆さんに、6.安全な水とトイレを世界中に、7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに、13.気候変動に具体的な対策を、14.海の豊かさを守ろう、15.陸の豊かさも守ろう、17.パートナーシップで目標を達成しよう』です。

司会者:ありがとうございました。SDGsというと大層な政府レベルの話かなと思いますけど、先ほどの『みどりかぜ』のお話し同様、我々一人ひとりの活動が全て繋がっているということと思います。日本は温室効果ガスの排出目標が低い、あるいは消極的というような話を冒頭に荒井塾長も言及されましたが、日本は5大CO2排出国の1国だということで質問があります。

≪Q6≫

本日は大変貴重で有意義なお話をお聞かせいただきましてありがとうございました。日本は2011年のパリ協定合意から離脱することなく、2018年6月には「気候変動適応法」「地球温暖化推進対策法」を策定しています。その意味では非常に前向きのように見えるのですが、先生のお話をお聞きして再認識したのはやはり立ち遅れている国であるということでした。再三皆様からお話がありましたようにグレタさんの『大人が裏切ったら絶対許さない』という言葉を私も何度か聞きまして大変衝撃を受けました。またご説明がありましたように環境省が「クール・チョイス運動を推進しよう」これもスローガン倒れになっているのではないか。賢い選択ということで国民をスローガンに乗っけているような気がします。先生のお話をお聞きする中で国民の一人として何をしなくてはならないかということを非常に痛感致しました。そこでお伺いしたいのは先生の長いご経験あるいは実践活動を通じて、我々一人ひとりが何をやったら良いのかということを是非ご教授いただきたいと思います。

≪A6≫

答えは簡単です。皆様が出来ることをやればよいということです。私が会社で行ったことですが、例えば電気ならLED電球に変える。エアコンの使い方は昼休み15分前に止めるよう提案したら職場によっては30分前に止めた部署もあり、結果的には電気代をかなり節約できました。家庭では夜寝る30分前にエアコンを消してしまうということで、我が家でも実践することで電気代の節約になりました。

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これらはお金をかけることもなく、やり方の工夫次第ですぐに実践できます。他に大事なことは車です。電気自動車に変えられれば良いのですが簡単にはできませんから、会社に近い人は車を自転車に変える。自転車の人は徒歩にする等が有効です。見方を変えて公共交通機関に移行して電車やバス利用をすることが有効です。日本は2011年に東日本大震災がありましたので国が舵取りをして、安倍首相の号令一下で再生可能エネルギーに移行出来たら素晴らしいと思いますが、なかなか踏ん切りがつかないのに歯がゆい思いをしています。日本には風力エネルギーや太陽光エネルギー等沢山ありますが、その先を言っているのが中国です。中国は太陽光発電風力発電も世界ナンバーワンです。中国は上の指揮の号令一下で大変換出来ますが、日本もここで大きく変化していただき世界のお手本になるような国になってもらいたいものです。その一端を蕨市の皆様が率先して動いていただければ幸甚です。本日はありがとうございました。

司会者:お時間も押しておりますので質問はこの辺りで終わらせていただきたいと思います。前田様今日は長い間ありがとうございました。皆様盛大な拍手をお願い致します。(会場より大きな拍手)

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本日は以上ですが、次回は31日(金)に「閉会の辞・締めの挨拶」をお送りしますのでご期待ください。

アル・ゴア元副大統領来日記事出典:サステナブル・ブランドジャパン≫

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現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界へ の扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

また、12月9日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第5回「新幹線電車発祥の地はどこですか」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。放送日は1月14日(金)~1月20日(木)までで、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方でオンライン公開講座受講をご希望の方は次のID番号でご参加ください。Zoomの参加ID番号は 817 2214 7316 です。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第6回は1月13日(木)20時より、「手漉き和紙の里・探訪記」と題し、当笑楽日塾塾生が「手漉きと機械漉きはどう違うのか?手漉き和紙の材料、作り方」など、手漉き和紙の疑問に答えるとともに、日本の原風景ともいえる全国各地の和紙の里をご紹介いたします。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

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