笑楽日塾の事件簿blog

笑楽日塾の事件簿

就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

第3回公開講座「私たちの暮らしと地球温暖化4/8

このシリーズは2019年10月に行われた講座のご紹介で、「私たちの暮らしと地球温暖化」の4回目を投稿します。

第3章:世界はどう動いているの?

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『COP21』は2015年12月パリで開催され、この時にパリ協定を合意して安倍総理も演説をおこないました。パリに集まった首脳達が決めたことは『世界的な平均気温を産業革命時以前に比べて2℃よりも十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求する』というものでした。これでパリ協定が世界共通の目標となりました。

何もしないと4.8℃上がってしまいますので世界の首脳たちは『せめてその半分くらいは達成したい』という案が話されました。もっと低い方が良いことは当たり前ですが、出来ないことを決めてもしようがありません。2℃という目標で合意しましたが、その後各国首脳は『それでは足りないことが十分考えられるので1.5℃も深く心に刻んでおこう』ということが話されました。

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上記のような理由で2℃という数字が出てきましたが、2℃上昇までに残されているCO2総排出量はどのくらいなのかということで科学者が左の図(円筒形)を作りました。2℃上昇をもたらすCO2の総排出量は3兆トンと言われています。円筒の下(グレー)は産業革命以前からすでに人類が排出した量で、約2兆トンと言われていますので、残り(ピンク)は約1兆トンになり、あと1兆トンしか排出できないということになります。第1章のグラフの説明で『何も対策を行わないと2050年頃から赤い線が上昇します。厳しい対策を取ればほぼ水平にいきます』とお話ししました。しかし、このグラフでは『ここ数年と同じ量のCO2排出が続くと2050年より早まり、2040年頃には1兆トンに到達してしまいます。10年早まります。』ということが分かってきました。このように科学者はCO2の排出量を数値で表し、世界に警告しています。なおこのグラフには『現在見つかっている世界中の化石燃料の3分の1を使うだけでCO2の排出量は1兆トンを超えます。何も対策をしなければさらに早まる可能性があります』ということが書かれています。

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先ほどの画像とこの画像は大変重要なものです。3本の棒グラフの左側は2010年に世界中で排出されたCO2の量で、490億トンです。しかし、中央の棒グラフのように現状を上回る温暖化対策をとらなかった場合は、2050年のCO2排出量が今よりも1.5倍~2倍の約1000億トンになってしまいます。これではどうにもならないので2050年には『世界中で気温上昇を低く抑えるための対策としてCO2の排出量を40%~70%程度削減しなくてはならない』ということになります。最終目標年度の『2100年にはほぼゼロかマイナスにしましょう』ということを2015年のパリ協定で各国の首脳が決めましたが、冒頭荒井塾長が話されたように先月末の国連環境サミットで『2100年では間に合わないので2050年に前倒しする』ということになりました。このグラフからグレタさんが演説した『これは困る、私たちは生きて行けなくなる』という背景が見えてきます。

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気温上昇を1.5℃に抑えるためにはどうするかということです。CO2の排出量を現在の進行速度のまま増加し続けますと、2030年~2052年の間にパリ協定の努力目標である『気温上昇1.5℃』に達する可能性が高いわけです。仮に200年とか300年先ならこんな話は致しませんが、2030年とすれば後11年しかありません。

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気温上昇を1.5℃に抑えるためには、2030年までに世界全体の人為起源によるCO2の正味排出量を2010年に比べて約45%減少させるか、2050年前後までに正味ゼロにしなくてはなりません。しかし1.5℃に抑制することができれば持続可能な開発(SDGs)の達成や貧困の撲滅など、気候変動以外の世界的な目標とともに達成しうるでしょう。ですからSDGsの目標も踏まえながら環境対策も行わなくてはなりません。

冒頭から2050年というお話をしていますが、約10年は早めなくてはならないということがこのグラフでお分かりと思います。

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本日は以上ですが、次回は22日(水)に「 第4章:私たちは何をすればいいの?」をお送りしますのでご期待ください。

2021年12月追記:10月31日~11月12日までイギリスのグラスゴーでCOP26が開かれ、日本からは11月2日に岸田総理が首脳級会合である世界リーダーズ・サミット等に出席した他、山口環境大臣や各省庁の関係者が参加しました。COP21のパリ協定では、「気候上昇を2度よりかなり低くし、できれば、1.5度に抑える努力を追及する」という表現が盛り込まれていましたが、今回は努力目標だった1.5度を格上げし、事実上の「世界目標」に決めました。この目標を実現するためには多少不便な生活を強いられることになると思いますが、私たちも腹をくくって望まなくてはなりません。)

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本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

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