笑楽日塾の事件簿blog

笑楽日塾の事件簿

就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

オンライン公開講座PartⅡ第3回「海外コンサルタント生活 タイ、カンボジア編1/4」

2021年10月14日(木)20時より、当笑楽日塾塾生が「海外コンサルタント生活 タイ、カンボジア編」と題し、タイ・バンコク高速道路改修工事とカンボジアプノンペン信号機工事について、工事概要とコンサルタントについて、また当地での生活ぶり等を紹介してくださいました。

JICAの活動はテレビのニュースなどで時々耳に入って来ることはありましたが、その詳細を知ることはありませんでした。しかし、今回のお話で開発途上国などへの貢献を詳しく教えていただき感謝です。

講演の内容を4回に分けて、本日より週2回(水曜日と土曜日)投稿します。

≪荒井塾長挨拶≫

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皆様今晩は、笑楽日塾の荒井貞夫でございます。今夜はオンライン公開講座にご参加いただき、誠にありがとうございます。オンライン公開講座PartⅡ第3回目の開催に当たり一言ご挨拶申し上げます。いつもは笑楽日塾の紹介画像をご覧いただきながらお話ししておりましたが、今夜は一味違った画像から入りたいと思います。

10月5日皆様ご存じのように真鍋博士のノーベル物理学賞受賞が発表され、日本中が湧きたちました。地球温暖化の研究が認められたわけでございます。54年前にこの研究発表されたということでございます。私たちはこの笑楽日塾で2年前から地球環境改善とかSDGsの勉強を始めました。

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ちょうど今から2年前に埼玉県の環境アドバイザーである前田則義様にご講演をいただきました。そして様々な学ぶことがでてきたわけであります。また、前田様には先月(9月9日)にもこのオンライン講座で「環境にやさしい緑のカーテン」と題しまして、地球温暖化への庶民の目線で取り組むお話をしていただきました。この講座の様子は蕨ケーブルビジョン株式会社が先週(10月1日~7日まで)ウインクという特別番組で放送してくださいました。そのようなことがありまして、この度真鍋博士のノーベル賞受賞が発表されました。私たちが笑楽日塾として「何かやろう!」と始めた時、最初はこれを取り上げたらどうかなということで勉強会を始めました。それがこの環境問題でありました。そこに前田様に加わっていただきいろいろと勉強をした訳でございます。このときには思いもしませんでしたが「今日では誰もが注目しているノーベル物理学賞の気候変動に関するものと関係がある」ということは全く想像も出来ませんでした。

この地球温暖化問題は2年前にアメリカの大統領が「俺はそんなことはしない」といってパリ協定から脱退したという大事件がございましたけれども、その後を継いだバイデン大統領がパリ協定に復帰しました。いろいろなことを勉強する中で「笑楽日塾はこれをやってきて良かった」ということを今は実感しております。

さて、今夜は塾生による「海外コンサルタント生活」のお話です。JICAの専門家として赴任されたタイとカンボジアで活動され、2つの大きなプロジェクトの成功と、日本とはまるで違っている南国での人々の暮らしぶりを紹介してくださいます。ご期待ください。

≪塾生講演≫

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ご紹介いただきました様に海外コンサルタント生活として、タイとカンボジアで仕事をした工事の中身とその生活ぶりについてご紹介したいと思います。私は38年間ゼネコンに勤務し、海外に橋を架けてきました。

その後、縁あって海外の工事を専門にする建設コンサルタント契約社員として勤務し、そこでJICAとの仕事に出合いました。今日は日本の国際協力ODAとJICAについて簡単に説明した後、私が担当したタイのバンコックでの高速道路改修工事と、カンボジアプノンペンでの信号機工事をご説明させていただきます。

≪1.日本の国際協力ODAとJICA≫(参考資料:外務省、JICAホームページ)

国際協力には、政府開発援助:ODAOfficial Development Assistance)があります。政府が開発途上国の社会や経済の開発を支援する行為です。2019年の実績ですが世界の国々からの支援は、1位:アメリカ334.9億ドル、2位:ドイツ242.0億ドル、3位:イギリス193.9億ドル、4位:日本155.9億ドル、5位フランス122.1億ドルになります。日本は4位ですが155.9億ドルを110倍すると、1兆6千億円を超える国際協力をODAとして行っていることになります。

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ODAの中にはJICAというものがあります。国際協力機構JICA(Japan International Cooperation Agency)。

ODAの支出は二国間援助の約117.9億ドルと、国際機関への出資37.9億ドルで、拠出金はこの2つに分けられます。2つの行為のうちJICAは二国間援助を担います。絵の右上にあるロゴはJICAのマークです。

JICAの二国間援助には用途が3項目あり、117.9億ドルの内訳は1.技術協力に27.2億ドル 2.有償資金協力に65.2億ドル 3.無償資金協力に25.6億ドルになります。これは2019年の資料ですが、その後もこの比率はあまり変わっていません。

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二国間援助の中の一つで技術協力というのはどのようなものかと申しますと、専門家の派遣、機材の供与、日本での研修等を通じて開発途上国の経済や社会発展に必要な人材育成、制度構築、技術普及、研究開発などを支援するものです。技術協力の写真はバングラデシュの小学校で、理数科の授業の様子です。

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二番目の有償資金協力は、開発途上国に対し低利でしかも長期の緩やかな条件で開発資金を貸し付けることにより、開発途上国の発展への取組みを支援する貸付行為のことです。有償資金協力の写真はインドの高速輸送システム建設事業で、地下鉄ですね。ここに資金を貸し付けています。

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最後は無償資金協力です。開発途上国が経済や社会開発のために必要な施設を整備したり、資機材を調達したりするための開発資金を贈与します。贈与ですからこれには見返りはありません。寄付ですね。こういう行為が無償資金協力です。無償資金協力の写真はモーリタニアの地方飲料水供給事業のものです。

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無償資金協力事業についてご説明します。相手国の政府と日本国政府は交換公文(Exchange of Notes)を交わします。この期間に、こういう目的で、この金額を贈与しますよ、ということです。交換公文に対して JICAは贈与契約というものを結びます。どういう形でこの行為をするか、この期限でどの仕事をどのようにするか、ということをこの贈与契約で結びます。コンサルタントはJICAと契約をしてその工事の「詳細設計」「事業費の積算」「入札図書の作成」「入札の評価」「契約書類の作成」を行います。

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その後JICAはこのコンサルタントを相手国に推薦します「施工監理としてこのコンサルタントを使いなさい」という推薦です。相手国はコンサルタントと契約を行います。その中身には「施工監理」と「瑕疵検査」というものが含まれます。工事の施工が終わって1年後を目途に、その工事の内容について「瑕疵の有無を検査しなさい」。その時に「瑕疵の責任が請負業者に認められるときには、その瑕疵を請負業者が責任をもって修正しなさい」ということまで契約に結ばれています。施工については施工業者が行いますが、物資の調達がありますので商社がJV(共同企業体)に加わることも多々あります。

コンサルタントの施工監理は、契約書で規定されている仕様書、設計図書などに則って所定の品質を確保しながら正しく施工されていることを管理することです。

実際の管理項目としては

・工程の管理:供与期限内に完了すること、これは週例、月例工程会議でチェックします。

・使用資材の品質、規格の確認:これは材料の出荷時の証明書等を我々が確認します。

・施工方法の承認、出来形の確認:施工方法はメソッド・ステートメントという工法のやり方を事前にコンサルタントに提出し、許可を得てから施工業者は工事に入ります。現場試験にも立会います。

労働災害と公衆災害防止の徹底:JICAは安全についても非常にシビアです「日本国内並みの安全管理をしろ」と、かなり厳しい注文が付きます。週例、月例会議でチェックします。

・治安情報への配慮:現地の情報を収集して、請負業者に伝えることも役目の一つです。

・日常管理:週報と月報を作成して関係各部署に配布することも重要な仕事になります。

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日本の国際協力ODAとJICAの関係が良く分かりました。日本からも多額の金額が支出されていますので無駄なく有効に使っていただきたく思います。何気なくテレビを見ていたら「JICA海外協力隊」のコマーシャルが流れていました。ホームページのほんの一部分ですが「開発途上国の国づくりに貢献できる人材を現地に派遣する」と書かれていました。素晴らしいですね。

次回20日(土)はタイ バンコク高速道路改修工事のお話です。

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現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

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また、11月11日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第4回「日本人だから知っておきたい箸のマナー」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。放送日は12月10日(金)~12月16日(木)までで、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方でオンライン公開講座受講をご希望の方は次のID番号でご参加ください。Zoomの参加ID番号は 817 2214 7316 です。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第5回は12月9日(木)20時より、「新幹線電車発祥地はどこですか」と題し、当笑楽日塾塾長荒井貞夫が「57年前にいきなり時速210kmを実現して世界をアッと言わせた夢の超特急・新幹線電車の発祥の地は何処か、新幹線電車が作られた工場は何処にあったのか、新幹線電車の工場は、何故その場所だったのか。新幹線の開発者・十河信二国鉄総裁と島技師長はなぜ開業式に出席出来なかったのか」など隠れたエピソードをご紹介いたします。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

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