笑楽日塾の事件簿blog

笑楽日塾の事件簿

就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

オンライン公開講座PartⅡ第3回「海外コンサルタント生活 タイ、カンボジア編3/4」

今回からはカンボジア プノンペンの信号機工事のお話です。カンボジアは経済成長に伴い自動車台数が増加しており、特にプノンペンでは交通渋滞が深刻な問題となっているとか。特に朝・夕のラッシュ時には市内のいたる所で渋滞が見られるそうですが、その解決方法をお話しくださいます。

≪3.カンボジア プノンペン信号機工事≫

・案件の概要です。

カンボジアの首都プノンペン市は、信号機の整備と交差点の改良、立体交差の建設など交通改善施策に取り組んできました。

しかし、プノンペンの各交叉点は信号機や制御システムが統一されていないため、交通量の流れと無関係に信号が表示されていました。これらが交差点と交差点の間の車両の滞留と交通渋滞の悪化や交通事故死亡者数の増加を招き、深刻な問題になっていました。

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プノンペンはそんなに大きな町ではありません。7km×6km位の小さな首都で、ここには元々69個の信号機が設置されていました。信号機はカンボジア独自の物の他、フランス、中国、アメリカ、その他様々な物が7種類69個設置されていました。今回JICAはその中の64か所を取り替えた他、新たに45か所を追加し、プノンペンの南側を東西に走る国道1号線沿いにも6か所を追加して合計115か所の工事を行いました。その115か所の新しい信号機から交通の情報を1か所に集め、管制制御する交通管制センターの整備を行いました。ちなみに国道1号線も日本の支援によって作られたものです。

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信号機は26基に車両監視のカメラが付いています。それらを光ファイバーケーブルでプノンペン都庁舎の中にある交通管制センター管制室と繋ぎ、このネットワークでセンターからリモートコントロールするという工事でした。

上の写真は都庁舎です。都庁舎は複数の建物に分かれていますがこの建物の9階に交通管制センターが設置されています。

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都庁舎の中にはなぜか鹿と銃のモニュメントがありました。この銃は何処を向いているのかと聞いてみても、どなたも答えてはくれませんでした。

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工事の内容は単純ですけれども、信号柱を立て、信号機を取り付け、光ファイバーケーブルで繋ぐということです。これらは日本が調達したタイからの輸入品です。

私は後半の8カ月しかおりませんでしたが、赴任した頃にはほとんどの工事は終わっていました。我々が行った工事範囲は交差点の中の舗装や整備をすることでした。

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もちろん交差点の外側にも不具合があれば直しますし、混雑する大きな道路は中央分離帯の工事を行いましたが、広範囲の道路工事までは含まれていませんでした。

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プノンペンはオートバイが沢山走っているため、オートバイが原因の事故が多くあります。

ほとんどの信号機は6灯式で、単純な交差点には3灯式のものもありますが、左折帯や右折帯があるような道路では6灯式のものが使われています。

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信号機の上にはさらに信号柱を伸ばして車両の検知器と監視カメラが付いています。

歩道の信号機も我々の工事の範囲内です。シンプルなものでは駆け足をするような絵のものがあり、パカパカ点滅はしますがそれほどモダンではありません。

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プノンペンはオートバイやトゥクトゥクが走り、高層ビルも建ち始め、古いものと新しいものが混在した活気のある街でした。ちなみにトゥクトゥクは乗っている人は快適なんでしょうが、周りを走る車やオートバイにとっては厄介な代物のようです。

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交差点で信号柱が道路に近い所では写真のようなトラ模様の防護柱を設置しました。各信号にはコントロールボックスが付いており、そこには「From the People of Japan」と書かれたシールが貼られています。皆様もプノンペンに行かれた折には信号だけではなく、コントロールボックスに貼られたシールを是非確認してください。

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コントロールセンターです。モニターは12の画面に分割されており、左側の6画面に映っている地図の中には車両検知器から送られてきた混雑状況が赤や青の点で表示されます。右側の6画面には26か所のカメラから送られてきた絵が出ます。このカメラは角度を変えたり拡大や縮小することも出来ます。警察も使用する権利を持っているようですが、基本的には交通管制として使われます。このセンターから混んでいる所と空いている所を調整することが出来ることになります。

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竣工式です。工事は12月に終わったため私は帰任していましたが、翌年の8月頃に写真のような竣工式が行われ感謝状をいただきました。

 

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1年後の瑕疵検査には私も参りましたが大きな瑕疵はありませんでした。なお、交通事故や災害で信号機が壊れたとか映像が映らないとかは瑕疵には当たりませんので客先の方で直していただいております。

 

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プノンペンの街中を走るオートバイとトゥクトゥクの迫力はテレビの画面からもすごさを感じさせられますね。 信号機が整備されたことで交通事故が無くなることを願っています。また、これにより交通状況が改善をされ、経済活動が活発になって欲しいものです。

次回はプノンペンでの生活やカンボジアの観光地、旅行に行かれた際のお土産などを教えてくださいます。

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f:id:jiajiawarabi:20211007171247j:plainf:id:jiajiawarabi:20211007171307j:plainまた、11月11日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第4回「日本人だから知っておきたい箸のマナー」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。放送日は12月10日(金)~12月16日(木)までで、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方でオンライン公開講座受講をご希望の方は次のID番号でご参加ください。Zoomの参加ID番号は 817 2214 7316 です。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第5回は12月9日(木)20時より、「新幹線電車発祥地はどこですか」と題し、当笑楽日塾塾長荒井貞夫が「57年前にいきなり時速210kmを実現して世界をアッと言わせた夢の超特急・新幹線電車の発祥の地は何処か、新幹線電車が作られた工場は何処にあったのか、新幹線電車の工場は、何故その場所だったのか。新幹線の開発者・十河信二国鉄総裁と島技師長はなぜ開業式に出席出来なかったのか」など隠れたエピソードをご紹介いたします。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

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