笑楽日塾の事件簿blog

笑楽日塾の事件簿

就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

第3回公開講座「私たちの暮らしと地球温暖化3/8」

このシリーズは2019年10月に行われた講座のご紹介で、「私たちの暮らしと地球温暖化」の3回目を投稿します。

第2章:地球温暖化が進むと?

≪1.既に起きている影響≫

地球温暖化の影響について次の動画をご覧ください。

https://youtu.be/hBwNvTdYYe8

f:id:jiajiawarabi:20211205150202j:plain

ご覧いただきました動画でもお分かりのように『これからは気候が大きく変わります』したがって『これからは極端な気温上昇が起き、猛暑日が増加します』また『極端なゲリラ豪雨による洪水も増えます』というように、世界的に見た場合には沢山雨が降る場所があるかと思うと、逆に乾燥する場所も出てきます。

破壊的な台風も起きるようになり、先日の台風15号は千葉県などで停電が多発して大変な被害を受けました。海では海面上昇や酸性化など、気候が影響した様々な不都合な状況が起きてきました。

f:id:jiajiawarabi:20211205150321j:plain

日本では最高気温が35度以上の猛暑日が増加しています。先ほども申しましたが、10月になっても30度超えの日が出ている状況です。

1930年代から2010数年の平均を赤い線で示していますが、ご覧の通り最高気温35℃以上の猛暑日が増加していることが分かります。

f:id:jiajiawarabi:20211205150406j:plain

赤い線は日本におけるカエデの紅葉日の平均値の推移で、10年間で約3日遅くなっています。広葉樹の葉は寒くならないと紅葉しないわけですが、最近は暖かい日が増えていますので紅葉の時期が遅れてしまい、観光地ではイベントが組めずに困っています。環境省の発表によると『何も対策を取らずに温暖化がもっと進んだ場合』カエデとかモミジの紅葉の見頃がクリスマスと同じ12月25日頃になるとされています。つまりそれくらい寒くなり難いということですが、反して桜は早く咲く傾向になります。

f:id:jiajiawarabi:20211205150456j:plain

温暖化は海の生物にも影響を及ぼし、サンゴの白化と藻場の消失に加えその北上が確認されています。サンゴや藻が消失するとそこに共生している小魚などの生物が、生き場を失い死滅してしまいます。

f:id:jiajiawarabi:20211205150600j:plain

日本の食糧生産ですが、近頃では農作物に高温障害が発生しています。左側にお米の絵があります。正常なお米は断面が非常にきれいですが、温暖化で高温障害がおこると右のように断面が白く濁ったり、割れたり等の品質低下を起こします。さらには味も低下してしまいます。この写真で右側のリンゴは通常ですと秋に色づきますが、その時期に高温になりますと色づきが悪くなったり生育が遅くなったりします。赤い色のリンゴが赤く色づかなくなってしまい売り物にならなくなりますので、今は高温に適合するような品種改良がおこなわれています。

≪2.影響の将来予測≫

影響の将来予測ですが、怖い話があります。暑さです。

f:id:jiajiawarabi:20211205150708j:plain

『現状を上回る温暖化対策を取らなかった場合は、21世紀末には最高気温が30℃以上になる真夏日が増加します』という表です。札幌から那覇までのデータが載っていますが、蕨市は東京に近いので真ん中に赤く囲っている東京のデータが参考になります。この数字の見方は『現在の真夏日の日数は約49日で、もし何もしなかったら約55日に増えます』と、いうことではありません。この約55日は増加日数ですので『49日プラス55日で合計は104日になり、1年間の約3分の1が真夏日になる』という非常に怖いデータを気象庁が出しています。

f:id:jiajiawarabi:20211205150802j:plain

日本には大阪湾・伊勢湾・東京湾等大きな湾がありますが、もし温暖化で海面が約60センチ上昇した場合どうなるか。ここには皆様ご存じの通りそれぞれにゼロメートル地帯という場所があります。ゼロメートル地帯とは海面より低い土地のことを言います。現状ではゼロメートル地帯の面積は577平方キロメートルありますが、平均海面水位が約60センチ上昇した場合にはなんと879平方キロメートルになり、その面積は1.5倍に増えると予測されています。地図上で赤く塗られた所は大変なことになりますので、自治体が解決策を考えておられることと思います。

f:id:jiajiawarabi:20211205150856j:plain

次は植物になりますが、素晴らしいブナ林で有名な青森県から秋田県に広がっている白神山地のお話です。ブナ林がなぜ大事かと言いますと、秋口にはブナの木の葉が落ちて根元には沢山溜まります。沢山溜まってふかふかな状態になったところに雨が降ると、時間を掛けてゆっくりと土壌に浸透することで浄化作用が起こり、きれいな水が河川に流れて行きます。自然の仕組みは素晴らしいですね。また、白神山地はブナに加えてカエデ等様々な落葉広葉樹で構成されおり、クマタカツキノワグマ・サル等多種多様な動植物が生息しています。

f:id:jiajiawarabi:20211205151028j:plain

何も対策をしないで温暖化が進むとこのような動植物の住む森はどうなるのかというと、21世紀末にはブナの生育可能域がどんどん北へ上がって行きます。北の方が気温は低いためブナは北へ移って行きますが、場合によっては人間の手助けが必要かもしれません。現在ブナ林はスライドの日本地図で左側のように赤色の生育可能域は東北地方に多くあります。厳しい対策を取った場合でも0.3~1.7度上昇すると想定されますので、中央の地図のように北海道にも生育可能域が移っています。何も対策を取らない場合は気温が2.6度~4.8度上昇してしまい、右側の地図のように北海道にもほとんどブナ林はなくなってしまいます。

ブナ林にはブナやカエデだけではなく熊や猿・鳥など多くの動物も住んでいますが、海で分けられているため空を飛べる鳥以外は北海道には渡れません。ブナがなくなった白神の生態系は全く変わってしまい、残った動物たちの生活圏もなくなり寂しい白神の地になることが予測されています。

f:id:jiajiawarabi:20211205151252j:plain

お米の将来予測(食糧生産)ですが、米収量の地域分布の推計では赤いところにお米の収量が増加するでしょう。温暖化が進むと東北地方や北海道などでは今以上に収量が増加すると思われます。逆に減少すると予測されるのが西日本になります。日本全体では増減地域があるためコメの収量に変化は少ないと思われますが、地域による収量の隔たりが大きくなり、品質は下がると予測されています。そこで農林水産省は高温に耐えられるようなお米の開発を急いでいます。

f:id:jiajiawarabi:20211205151450j:plain

地球温暖化が及ぼすリスクになりますが、海面上昇とか異常気象、生態系への悪影響、作物収量への影響等があります。後戻りできない影響も生じると考えられていますが、何℃になると生じるのかは分かっておりません。後戻りできないとはグリーランド氷床の完全な消失等で、これはまだ予測がつかないということになっています。これが融けだしてしまうと海面の水位がぐんと上がることが予測されています。

f:id:jiajiawarabi:20211201211145j:plain

本日は以上ですが、次回は18日(土)に「第3章:世界はどう動いているの?」をお送りしますのでご期待ください。

f:id:jiajiawarabi:20211205153712j:plain

f:id:jiajiawarabi:20211125134220j:plain

現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界へ の扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

また、11月11日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第4回「日本人だから知っておきたい箸のマナー」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。放送日は12月10日(金)~12月16日(木)までで、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方でオンライン公開講座受講をご希望の方は次のID番号でご参加ください。Zoomの参加ID番号は 817 2214 7316 です。

f:id:jiajiawarabi:20211201223314j:plain

オンライン公開講座Part-Ⅱの第6回は1月13日(木)20時より、「手漉き和紙の里・探訪記」と題し、当笑楽日塾塾生が「手漉きと機械漉きはどう違うのか?手漉き和紙の材料、作り方」など、手漉き和紙の疑問に答えるとともに、日本の原風景ともいえる全国各地の和紙の里をご紹介いたします。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

span.author.vcard{ display:none; }