笑楽日塾では毎月末に会報誌「笑楽日塾だより」を発行しています。会報誌の中には「シニアの風」と題し、自分が体験したことや趣味、思い、感じたこと、話したいこと等を全員の輪番制で載せています。今回ご紹介の記事は塾生Y氏が「中国語は難しい」と題し、「台湾に4年間赴任した時の体験等」についてです。
この記事は笑楽日塾だより2024年8月号に載ったものです。
毎週木曜日の午前中2時間公民館で「中国語会話」のサークルに参加している。会員は、女性4名、男性3名。講師は、週替わりで2名の講座が担当してくれる。講師は、二人とも日本人でご主人が中国の方です。おひとりは、中国性をもうひとかたは、日本性を名乗っておられる。
講座は、NHKの「まいにち中国語」のテキストを利用し、テキストについているCDをメインに講師が詳しく説明してくれ、講座の参加者は順次テキストを読み合わせる。ほかに教材として「陳淑梅氏のエッセイ集」、NHKの中国語のラジオニュースの聞き取り、中国語の歌も一緒に歌います。ちなみに、講座参加費は、月に二千円。お花見、忘年会などの費用は都度、臨時徴収します。
私が、中国語に接したのは現役時代台湾へ出張したとき。後に台湾の西側を縦断する台湾版新幹線の工事に参加し、台南に4年間住んだ。台湾の職場のエンジニア、事務系の女子連は皆大学卒業並みの学歴を持っているが、英語は個人差もあるがあまり堪能とは言えない。
工事事務所内では、日本語、英語、中国語が飛び交う。工事の発注者は台湾高速鉄道公司。ドキュメントは、すべて英語だが、仕様書は中国語版がある。この仕様書の厚さを比べると約半分。中国語の一語の語彙はそれだけたくさんの意味を持っている。
日本人が、中国語勉強する際、日本で使っている漢字の知識が邪魔をする。中国語でも台湾などで使われている繁体字と中国本土で使われてる簡体字表記がある。日本語の表記は、その中間的な漢字使いである。発音は、基本的に「北京語ベースの普通語」です。他に、広東語。上海語、ミンナン語などがあります。台湾の南の大都市高雄市を走る地下鉄内のアナウンスは、「普通語」、「台湾語(福建語に近い)」、「客家語(ハッカ)」のほか、メインの駅では、「英語」も追加される。
また、中国語の発音には、「四声」があり、これも厄介である。「四声」の使い分けで意味が全く違うものになる。有名な語句は、「妈妈骂马吗」。日本語の発音は、「マーマーマーマーマ」である。意味は、「お母さんは馬を叱りますか?」です。発音記号は、ピンインというローマ字表記システムで表されます。そのピンインに4種の声調記号が付くのです。妈は、第一声(平声)。骂は、第四声。马は、第三声。吗は、四声にない軽声で発音します。
この使い分けがなかなか難しい。しかし、中国語の学習は、この四声をきちんと発音できないと上達できない。日本語は、漢字を知っているだけに過去の知識・経験 ・音読みが邪魔をする。ある中国語の教師は、「漢字を知らない西洋人の方が、素直に発音が出来、上達も早いとか」
もう一つ日本人に厄介なのが、日本の人名、地名などの読み方である。日本では、ほとんどの人名、地名は漢字表記なため発音は、当然中国語読みとなる。 「東京」は、dong jing (ドンヂン)。 「大阪」は、da ban(ダーバン)。 この辺りは、何とか想像がつく。「埼玉」は、qi yu (チーユー)。「名古屋」は、ming gu wu (ミングーウー)となる。こうなるとお手上げ状態。
確かに、漢字は古代中国から日本に伝わり、日本語の表記体系として採用され、発音も音韻体系も違い、日本語は漢字の意味から読みを変える訓読みも考えられてきた。しかし、近代の観光やビジネスで文化交流が増え、国際的な標準か流れも現れてきているようです。観光地のガイドや地図の中には日本語読みが使われており、「京都」は、kyoutoと表されたり、交通機関の案内にも日本語の発音に基づく表記が使われてきているようです。中国のメディァや教育機関でも日本の地名や人名を日本語の発音に近い形で紹介が増えているようです。是非、この流れが国際的に広がってほしい。
中国語は、母国語以外の地名、人名は現地で発音されたものを漢字に置き換えるのが主流ですが、必ずしもそうではないようです。アメリカ大統領「バイデン」は、拜登(Bai deng バイデン)。前大統領「トランプ」は、特朗普(Te lang pu ターランプ)。アメリカ民主党の時期大統領候補の「カマラ」は、卡马拉(Ka ma la カーマーラー)です。十分に聞き取れます。我々日本人も中国の習近平主席を「シユウキンペイ」と呼ばずに「Xi jin ping シージンピン」と発音することをお互いの国、国際社会のメディアへの啓発と語学教育をの国際標準化に向けて努力を続けてほしいと思います。
台南駐在中に台東市へ旅行した時の話です。事前にホテルの予約は事務所のスタッフにやってもらいました。数日後、私の携帯電話にホテルから直接電話があり、本人確認の後、「当日、到着列車の時間に合わせてホテルから迎えのものを準備します。そのものには、お名前を書いたプラカードを持たせます。お名前は、「ジーテンシェンション」で宜しいですね。」と丁寧な連絡がありました。旅行当日、台東駅に着いて私の出迎えの方を探しましたが、なかなか見つかりません。しばらく探すと、奥の方に「歓迎几点先生」のプラカードが見えました。私の名前を漢字で書くと中国語読みでピンイン「ji tian(ジーティエン)」。プラカードは「ji dian」 ジーディエン。意味は、「なん時?」。プラカードは、「ようこそ! なん時さん」になっていました。中国語は難しい!!!!!!!
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