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就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

日本人だから知っておきたい箸のマナー(2/4)

今回は世界三大食事法や箸の文化・箸の起源についてお話しいただきます。日本と世界の国々の違いなどが良くお分かりいただけることと思います。

≪世界の三大食事方法≫

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世界の三大食事方法というものがありまして、世界的にはナイフとフォークを使う方が多いのかなと思って調べてみましたら、指で掴んでものを食べるという食文化の方が半分近くの44%おられ、大変多いということが分かりました。2020年の世界人口は72億人ですが、東南アジアや中近東・アフリカなどを中心に34億人の方々が指で掴んでものを食べる食文化でした。ナイフとフォークを使ってものを食べるカトラリー文化圏はアメリカやヨーロッパ・ロシアに多いのですが、22億人で28%になり ます。残りの22億人は日本や中国・ベトナム・韓国など28%が箸を使って食べています。

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この三大食事方法は考えていた以上に均等されており、箸を使って食べる人は世界の中でも意外と多いということが分かりました。箸は日本の文化というイメージがあったので1/3もおられたことは大変意外でした。なお、どうして世界三大食事方法がこんなにも違ってしまったのかというと、その原因は3つ考えられます。

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1つには食材の違いがあります。世界各国にはその土地ごとに様々な食材があり、日本や中国・ベトナム・ 韓国などで使われる箸は食材を挟むことに適していることが分かります。ナイフとフォークの場合は、ナイフでカットしフォークは突き刺したり上に載せたりすることに適しており、これもその地域の料理に合わせて食事の方法や食器が選択されたことが分かります。米でもパサパサしたインディカ米(俗にいうところのタイ米)はパラパラしていますので指で食べたほうが美味しくなるんですね。インドなどでは指で食べるケースが多くなっています。ジャポニカ米と言われている日本のお米はネバネバしていますので箸を使うことが多いわけですが、手で食べる場合にはおにぎりにして海苔を巻いたりして食べています。肉などを食べることが多い欧米では、肉を切り裂いて突いて食べるのに便利なナイフとフォークが適していることになります。このことから食材によって3つに分かれていることが分かります。

2つ目には民族による作法の違いがあります。大きな問題として、ヒンズー教イスラム教での食べ物は神から与えられた神聖な物であって、皿やナイフ・フォーク・箸などの汚れたものを使って食べるのは良くないと言われています。手が最も清浄であるという宗教戒律があるため、最も清浄な手で食べているということです。

3つ目には調理方法の違いがあります。中国料理のように油で加熱調理した熱いものは箸を使い指の動きに合わせて掴める方が食べやすいためです。欧米の場合は肉の塊の料理が多いため、ナイフで切り裂いてフォークで突いて食べるのが美味しく食べる方法かと思います。

この三大食事方法は、結果的に料理を美味しく食べるための方法であり、料理が美味しく食べられるように料理に合った道具を発明し、改良してきたのだと思われます。

≪箸の文化≫

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箸の文化ですが、先ほどお話ししましたように私は日本が独特の箸の文化を持っているのかと調べてみま した。中国では食事の時に箸だけではなく汁物はレンゲですくって食べていますよね。また韓国では箸だけではなく、豆腐料理を食べる時とかにサジをよく使います。日本料理は箸だけで食べる日本独特の文化が確立されています。ただし時代と共に世の中も変わり、今ではスプーンを使うこともあります。皆さんは何気なくお椀に口をつけてみそ汁などを飲み、具はお箸を使って食べていますが、他の国だとレンゲとかサジですくって食べます。このお椀に直接口をつけるというのは日本だけのスタイルらしいです。ですから韓国で汁物のお椀に口をつけるのはマナー違反で、逆に日本食でお椀の具をスプーンで食べるのはマナー違反になります。これは日本独特の文化になります。日本食のお椀は木で出来ていたり漆が塗られていたりして、唇に熱が伝わらないようにするためにお椀が発達してきたわけです。

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日本の箸文化がどういう時代に日本に導入され、どのような形で箸が使われるようになったのか。歴史的 なものを少し振り返ってみたいと思います。箸の歴史は飛鳥時代聖徳太子の使いで遣隋使として中国に渡った小野妹子が持ち帰ったものが始まりだと言われています。それ以前は、柳の枝を2つに折り曲げた「折箸(祭祀用箸)」というものが最古の記録とされています。神事の時に、神様に食べ物を取り分ける時の神器と言われる、いわゆる今のトングみたいなもので、神様に食事を捧げるために使ったものが箸の原型と言われています。しかし、歴史の記録には残っているものの、木で作られているため現物は現在に残っていないらしいです。このトング状のものが日本最初の箸の原型であり、その後遣隋使が中国から持ち帰ったものが今に繋がっていると考えられますが、この遣隋使が中国から持ち帰った箸は一部の人の間で使われるようになったものの、市民の中にまで伝わっていたのかははっきりしていません。飛鳥時代から奈良時代に入って広がったと言われています。

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奈良時代にも天然痘パンデミックが発生し、当時の日本の総人口の1/3にあたる100万人が死亡したと言われています。ちょうどその頃に平城京が遷都され、今でいう陰陽師が加持祈祷(かじきとう)で天然痘を何とか鎮めようと活躍した時代になり、パンデミックが収束するのに5年くらいかかったと記録には残っています。亡くなられた方を供養するために奈良の大仏が作られたという経緯もあります。大仏様が「世間が平和になっているか」と、外を見ることが出来るように大仏殿の上の方には窓が作られています。この天然痘の流行が終わると衛生面から多くの市民の間でも箸が使われるようになりました。

一つのパンデミックがきっかけになって文化が変わることが分かり「今回のコロナが収まった後に何かが変わるのかな」と思っています。後世にならないと分かりませんが今回のコロナはそんなことになるのかなと思います。

≪箸の語源です≫

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箸の語源は語呂合わせで「食を口に運ぶ懸けはし」「に食べものを挟むから」「鳥の口ばしに似てい るから」等の諸説がありますが、定説があるわけではありません。ただし、調べてみるとこの3つが多く出てくるということです。昔の箸は竹で作られたものが多かったため漢字で書く場合は竹冠の「箸」という文字が使われています。竹冠の下に書かれている「者」には「集める」という意味があるためで、箸は「竹で集めるもの」という説があります。

箸の数え方は、今では一膳(ぜん)・二膳(ぜん)と数えるのが一般的ですが、嘗ては一具(ぐ)・一隻(せき)とか一双(そう)・一株(かぶ)・一囲(い)等、色々な呼び方がありました。鎌倉時代には今みたいに大きなテーブルに並べるのではなく、一人ひとりのお膳の上に食べ物を小分けして並べ、お箸も一緒に置いたことから一膳・二膳と数える「膳」という言葉が残ったと言われています。

日本では膳(ぜん)と言いますが中国や韓国などでは対(つい)・個(こ)とも言われています。英語では「a pair of chopsticks」と言われ、pairが付いているように「対になっているchopsticks」になります。

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インディカ米とジャポニカ米の食べ方に違いがあるのは、それぞれのお米の特性に合わせたものだったのですね。また各国の食事事情に合わせた食器が作られたことも「なるほど」と面白いですね。次回は割り箸のお話や食事のマナーについてのお話です。

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