笑楽日塾の事件簿blog

笑楽日塾の事件簿

就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

日本人だから知っておきたい箸のマナー(4/4)

「日本人だから知っておきたい箸のマナー」のお話も最終回になりました。「焼き魚の食べ方」や「お愛想」の解説、「お寿司の食べ方」などもあり、「お食事のマナー」の後半部分と「Q&A」をご紹介します。

≪ついついしてしまいがちな、マナーのワースト3≫

「重ね箸」これは好きな物ばかり食べてしまうことです。私もやってしまうのですが美味しい料理とか魚料理だとそればかりを食べがちになり、これもマナー違反です。日本のマナーは「違う料理を少しずつ違うものを満遍なく食べましょう」というのが基本です。器に描かれた絵に合わせて盛りつけられた料理の美しさを見て楽しみながら、満遍なく食べるのが日本料理のマナーです。

f:id:jiajiawarabi:20220101120707j:plain

「差し箸」といって、箸を上手に使いこなせないと掴むのが難しい料理に箸を差して食べたりする方がおられますが、これもマナー違反です。

「涙箸」は汁物の具を食べる時に雫をぽたぽた落としながら食べることで、やはりこれもマナー違反ですので汁が落ち切ってから食べるようにしましょう。

これらは何れもやりがちなことですが、一緒に食べている方に対して不快な思いを与えたり、失礼な振る舞いにならないよう気を付けたいものです。

≪分かっていてもしますよ、マナーのワースト2≫

私もやってしまいがちなものに「移り箸」があります。料理に一旦箸をつけたものの気が変わってしまい、 あれにしようか、これにしようか、と突きながら別の料理を取ってしまうことです。料理が沢山あった時に悩んでしまうための行動ですが、これを移り箸と言います。

f:id:jiajiawarabi:20220101120743j:plain

「渡し箸」というものがあります。箸置きがない場合には置くところがないため、お茶碗の上にちょっと置いたりしますが、やはりマナー違反ですので料理屋さんなどでは箸置きか箸袋を折った上に置くようにしましょう。家庭で箸置きがない場合には仕方ない面もありますが、出来るだけ茶碗ではなく小皿の上に置くようにしましょう。

中国では食事が終わったら渡し箸が「食事が終わりましたよ」とのサインになります。

≪あまりしないと思いますが、改めて、マナーのワースト3≫

「ご飯に箸を立てる」これは皆さんやらないと思いますが、仏前のお供えと同じ形をしているためマナー 違反です。

f:id:jiajiawarabi:20220101120816j:plain

「拾い箸」お葬式でお骨を拾うときによくやりますので食事では避けましょう。当然これもマナー違反です。

「迷い箸」は美味しい料理に対しどれから食べようかと悩んでしまい、箸で指さしながら悩んでしまうことです。食べる前に「どれから食べるか決心をしておきましょう」ということですね。

ここまで16個の箸のマナーをご紹介しましたが、いずれも料理を美味しく食べるためのものです。改めてご自分の振る舞いを見直してみてください。

≪おまけ、意外と知らない焼き魚の食べ方≫

焼き魚を食べる時にはまず皿に乗った魚の背骨に沿って箸を入れ、上の半身を食べます。その後に背骨を 取ってから下の半身を食べるのがマナーです。

f:id:jiajiawarabi:20220101120858j:plain

皆さんは上の半身を食べた後は頭と尻尾を持ってくるっとひっくり返しませんか、これは当然マナー違反になります。懐紙という紙が付いてきますのでこれを使って手に付かないように頭と骨を取ってから食べてください。日本料理屋さんで焼き魚が出てくると少し難しいのですが、ひっくり返してはいけないということを覚えていただければ「この人は良く知っているな」と思われます。これが本来のマナーですが懐紙がない場合はおしぼりが有効ですね。

≪最後に≫

ちょっとしたお話ですが、皆さんは会計の時に「おあいそ」と言いませんか。実はこれは間違いなのです。

f:id:jiajiawarabi:20220101120938j:plain

「おあいそ」というのは「愛想が無くて申し訳ありません」というお店の人が使う言葉なんです。お寿司屋さんに行って「お会計お願いします」というと、お寿司を握っている店の職人さんがレジ担当の方に「お愛想だよ」というのは正解です。しかし、我々客の立場で「おあいそしてください」というのは間違いです。お客さんが使ってはいけない言葉だそうですので「すみませんお会計お願いします」というのがマナーになります。

未来の日本ということで、日本の伝統と美しいマナーを後世に残しておきたいと思います。今回の私の話をきっかけに、日本ならではの美しいマナーを調べていただけたら嬉しく思います。

≪おまけのおまけ≫

皆様は握り寿司を手で摘まんで食べるでしょうか、それともお箸を使って食べますでしょうか。これはどちらでも良いそうですが、食べ方にはマナーがあります。握ったお寿司をいったん横に倒し、その状態で摘まみ、ネタに醤油を少しつけて食べる(醤油はネタだけにつけてシャリにはつけない)のがマナーです。シャリの中に空気が入るように握っていますので、醤油をつけてしまうと空気の居場所がなくなってしまい、シャリの味も食感も変わってしまうためです。このマナーは手で摘まんで食べる場合でも、箸を使って食べる場合でも同じです。

f:id:jiajiawarabi:20220101121037j:plain

難しいのは軍艦巻きのマナーで、正しくはガリに醤油をつけてその醤油をネタの上にチョンチョンと垂らすようにつけて食べます。ガリを置いてあるのは口直しだけではなく、軍艦巻きなどの巻物を食べる時にガリを刷毛(ハケ)のように使い、醤油を塗って食べるのがお寿司を食べるマナーだそうです。

また、椀物(汁物)をお願いすると「そろそろ食べ終えられたかな」ということで、お店の方はお会計の準備をしてくださるそうなので、椀物(汁物)は最後にオーダーすると良いようです。

これで終了とさせていただきます。ありがとうございました。

≪Q&A≫

Q1:「箸はこういう風に使っては駄目ですよ」とか「国によって習慣が違う」「美しいマナーで食べましょう」最後は「お寿司の食べ方」まで教えていただき「あ~そうだったのか」と、感心しながらお聞きし ました。今回のお話の中には「蕎麦のマナー」が出てきませんでしたが、ザルの上に残った最後の1本を食べるのには割りばしが向いているようにおもいます。如何でしょうか。

f:id:jiajiawarabi:20220101121202j:plain

A1:蕎麦は割りばしに限りますね。

Q2:ザルの上にお蕎麦を1本残して帰るというのもマナー違反になると思いますので、きれいに食べてから席を立ちたいと思います。

A2:日本のお蕎麦はZU ZU ZUと音を出してすすりながら食べるのがマナーになりますが、イタリアのパスタなどはフォークにクルクル巻いて食べ、すする音は立てません。どうやら音を立てて食べるのは日本人だけのようです。

f:id:jiajiawarabi:20220101121247j:plain

Q3:先ほどマナーの面からやってはいけないものに差し箸のお話がありましたが、難しいのは里芋の煮物やおでんのコンニャクなどを食べる時には、ついつい差し込んでしまいます。これはどうしたら良いでしょうか。

f:id:jiajiawarabi:20220101121455j:plain

A3:コツはですね、細くて先が尖っている箸だと摘まみやすく、逆に太い箸で摘まむのはなかなか大変になります。漆塗りの細い箸なら摘まみやすくなっていますので、タマこんにゃくなども摘まむことが出来るため、自分用の投資で少し高品質の箸をいくつか揃えて見られても良いかと思います。

Q4:50年くらい前に私が韓国に行った時は既に箸もスプーンもステンレス製でした。当然昔は違ったと思いますが、いつ頃からステンレス製になったのでしょうか。

A4:昔韓国では食器を白磁とか青磁とかの焼き物で作ることが多かったのですが、豊臣秀吉が陶器の職人を大勢日本に連れてきたため、韓国では焼き物で作ることが難しくなり鉄器になりました。ステンレス製品は朝鮮戦争の頃から使われ始めました。その前は銀製の食器も使われていましたが、これは銀で作られた箸にヒ素が触れると色が変わるためで、当時横行していた毒殺から身を守るためのものでした。

f:id:jiajiawarabi:20211201211145j:plain

「日本人だから知っておきたい箸のマナー」4回シリーズも今回で終了しました。食事のマナーについては「知らなかったことが沢山あった」と思い知らされた今回のセミナーでした。お寿司の食べ方、皆様ご存じでしたでしょうか。ガリの使い方は初めて知りました。また、「わかっていてもついついやってしまうマナー違反」は全く持って身につまされ、今後は気を付けたいものです。

f:id:jiajiawarabi:20211205153712j:plain

f:id:jiajiawarabi:20211125134220j:plain

現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界へ の扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

また、1月13日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第6回「手漉き和紙の里・探訪記」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。放送日は2月11日(金)~2月17日(木)までで、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方でオンライン公開講座受講をご希望の方は次のID番号でご参加ください。Zoomの参加ID番号は 817 2214 7316 です。

f:id:jiajiawarabi:20211201223314j:plain

オンライン公開講座Part-Ⅱの第7回は2月10日(木)20時より、「地球温暖化とは何か」と題し、岩田好廣様が「今地球に何が起きているのか、地球を変えてしまった原因は何か、その対策をしなかった時の最悪のシナリオとは何か、普段私たちが何気なく生活しているなかで、自分が出来る対策についてそのヒントを開設してくださいます。」私たちの知らない世界はまだまだありますのでご期待ください。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

span.author.vcard{ display:none; }