笑楽日塾の事件簿blog

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就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

第3回公開講座「私たちの暮らしと地球温暖化6/8

このシリーズは2019年10月に行われた講座のご紹介で、「私たちの暮らしと地球温暖化」の6回目≪Q&A≫の前半を投稿します。

≪Q&A前半≫

司会者:前田様貴重なお話を頂きましてありがとうございました。大変勉強させていただきました。

続きまして質問の時間を取りたいと思います。本日ご参加の皆様から事前質問をいただいておりますのでこちらからご指名させていただきます。

≪Q1≫

地球温暖化がどうして起きているのかということは前田様のお話でよく理解できました。しかし、いわゆる温暖化懐疑派と言われる人たちがおります。先ほど荒井塾長も触れられていましたが、真っ先にパリ協定から離脱を表明したトランプ大統領で二言目には『フェイクニュース』『でっち上げだ』というのが決まり文句です。彼が言うには『その証拠に米国は逆にひどい寒波等に見舞われているではないか』というようなことをよく言うわけです。そのようなことを言っているから先日国連でスウェーデンの16才の少女グレタさんに睨みつけられたわけです。グレタさんは大した方だと思うわけですが、このグレタさんとは一体どういう方なのかご存じでしたらお教えいただけますでしょうか。

≪A1≫

トランプ大統領の件がありましたが、あの性格の方だということです。言論の自由がありますので私は何も否定することはできないと思います。ただ、一国の大統領ですからそれなりの見識を以ってグローバルな立場からご判断いただきたいと思います。そのためには、大統領には優秀なブレーンがたくさんおられると思いますので、それらの声も聴いてもう少し大人の発言をしていただきたいと思っています(会場から拍手)。

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グレタさんの発言を聞いていて感動しました。グレタさんは本当のことを言っています。全文を読みましたら大変大事なことがありましたので紹介します。グレタさんは『ティッピングポイント』ということをいわれましたが、ティッピングポイントとは臨界点(臨界しきい値:例えば気温上昇量)のことで、放射性物質が臨界に達すると爆発することはご存じと思います。臨界点を二酸化炭素で言いますと、現在世界の二酸化炭素濃度は、約400ppmです。この濃度が450ppmあたりになると危ないと言われています。年間2.5ppmずつ増加しているということは50ppm増加するのに後20年しかありませんので2040年説はこれにも符合します。そんなわけでこのグレタさんの発言は大変重い内容を含んだものと私は認識しました。

現在地球上空にはアメリカ・日本・中国の『温室効果ガス観測技術衛星』3機が飛んでいます。日本の衛星は『いぶき2号(GOSAT-2)』という新しいもので詳細な観測結果が期待されています。

司会者:ありがとうございました。グレタさんを批判する人もおりましたが、前田様には科学的なデータに基づいてお話をしていただきました。温暖化懐疑派に関するお話で前田様はIPCCの第5次評価報告書について触れられており、その中に気温上昇のお話がありました。これについてお聞きしたいという来場者の方がおられますのでご指名させていただきます。

≪Q2≫

『温暖化懐疑派』に関するものとなりますが、前田様のお話の中で、IPCCの第5次評価報告書(2013~2014年)が引用されました。21世紀末までに最大で4.8度上昇するとの予測がスライドにありましたが、以前私が新聞記事を見て関心を持ったことは「気候感度」という温暖化予測の様々な計算の基本となる数値です。それによると、最新の第5次報告書では摂氏1.5度~4.5度、その前の2007年に公表された第4次評価報告書によれば摂氏2度~4.5度でした。つまり、これは下限の数値が2度から1.5度に下がっています。そのため、懐疑派は「温暖化は誇張されている」と勢いづいて主張している原因になっているとお聞きします。上限値は相変わらず4.5度ですから放っておけば温暖化に進むのは疑いないことと私たちには思えるのですが、予測の基本となる重要な数値が不都合に修正されたことは紛れもない事実です。科学的に研究されているはずなのになぜそのような曖昧な結果が出てくるのか、一市民として温暖化予測をどう考えていけば良いのか教えていただければと思います。

司会者:ありがとうございました。非常に高度なご質問ですが前田様よろしくお願いします。

≪A2≫

大変鋭い良い質問ですね。『今まで2℃だった最小温度が1.5℃になり、巾が広がったではないか』というご指摘ですが、第5次報告書が出るまでの情報は第4次のものを使っていたためで、今は新しい第5次の情報を使っているからです。最新情報による数値変更は何時でもあり得ますので、第4次の情報を見直して第5次の1.5度~4.5度が正しい数値とお考えください。

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懐疑派の主張に関しては東京大学の研究者が書かれた本があります。『地球温暖化懐疑論批判東京大学 IR3S/TIGS叢書(2009)(「人為起源の二酸化炭素排出を主な原因として地球規模で気候が温暖化するという、いわゆる人為的地球温暖化説の信憑性や地球温暖化による被害を緩和するための対策の重要性に対し、懐疑的あるいは否定的な見解をとる議論が存在している。社会からの信頼にその活動基盤を置く科学者コミュニティは、こうした現状を座視すべきではないと考える。」)(本文「our mission」より)』このような本も出ていますし、いろいろな意見もあるかとは思いますが温暖化については疑う余地がございません。

司会者:ありがとうございました。科学というものは新しい情報が出ると修正もありうるということですが、懐疑派が主張する考えと科学は違うのだということ教えられました。地球温暖化が進むとどうなるかという質問で、既に起きている影響として極端な気温上昇、破壊的な台風、海面上昇といったお話がありましたが、これについてお聞きしたいという方がおられますのでお願いします。

≪Q3≫

前田様の第2章「地球温暖化が進むと?」のお話の中で、地球温暖化が進むと、既に起きている影響として、極端な気温、降水、破壊的な台風、海面上昇、海の酸性化といったことを挙げられていました。それに関してお伺いします。そうした事象というのは「気候変動」によって引き起こされているのでしょうか。もし仮にそうだとするとその因果関係はどのように説明できるのかなと思いまして、それをご教示お願いします。

≪A3≫

まず『極端な気温』は、冒頭41.1℃という数字をご覧いただきましたが日本では最高気温35℃以上の猛暑日が増加しており、これが裏付けの因果関係になります。次に極端な洪水ですが、海水温が高くなりますと水蒸気が増加して降水(雨)の量が増えますので大雨が降ったり、洪水が起きたりします。またよく耳にする言葉で『砂漠化』というのがありますが、これも温暖化の影響で海水温だけでなく陸地も暖かくなります。その結果日照りが続き畑等の水分が奪われて乾燥し、地割れを起こし植物が育たなくなったりします。『破壊的な台風』は大きな台風のことですが、台風が発生して水温の高い海を通過するときに水蒸気を沢山吸い込みます。つまり大型の台風になるには高くなった海水温が影響しますが、これも温暖化の影響です。

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『海面上昇』は先ほどもお話ししましたが、日本では海面が60センチメートル上昇した場合、大阪湾、伊勢湾、東京湾ゼロメートル地帯が1.5倍に増え、これも温暖化の影響です。海の温暖化は単に水温が上がるだけでなく海水が膨張して体積も膨らみますので、海面が上がるということになります。『海の酸性化』も非常に大事な話ですので少し調べてきました。簡単にお話ししますと海水中のペーハー(pH)(酸性度)は一般的に弱アルカリ性です。海水の表面では約8.1pHですが深くなるほど数値は下がって、北西太平洋の亜熱帯地帯で水深1000メートル付近だと約7.4pHというデータがあります。これは深くなるほど有機物の分解により海水中の酸素が消費されて、全炭酸濃度が増加することによって起こります。二酸化炭素が多く海に溶け込むとpHが下がり海水のアルカリ性が弱くなる。ということがあります。

司会者:ありがとうございました。地球温暖化と気候変動による異常気候の因果関係はなかなか難しいかも知れません。先ほど土地の温度も上がるとお話しされましたがスライドでも衝撃的な写真が出ており、コメの中が白化したり割れたりしてしまうということがありましたので、次の質問は食糧生産についてです。

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本日は以上ですが、次回は29日(水)に「Q&Aの続き」をお送りしますのでご期待ください。

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なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

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