笑楽日塾の事件簿blog

笑楽日塾の事件簿

就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

会報誌「笑楽日塾だより」シニアの風②

3月3日投稿分の「笑楽日塾だより」シニアの風①の続きです。

今回も3篇をご紹介しますが、人生経験豊富な塾生がそれぞれの立場でご自身の思いを書かれていますので、その多彩なお話しに敬服いたします。もし、皆様が興味をお持ちいただけるようでしたらご紹介冥利に尽きます。

今回ご紹介しますシニアの風3篇は2018年初夏に書かれたものです。当時の時代背景をご考慮のうえお読みください。(塾生全員の持ち回りですので3篇の筆者は別々です)。

 第4篇:「58歳プレシニアの決意」

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日経おとなのOFF5月号「私たちは100歳までどう生きるか?」を手に取りました。

その中で、五木寛之さんがこう言っています(詳細は「百歳人生をきるヒント」日本経済新聞出版社):50代の事始め、60代の再起動、70代の黄金期、80代の自分ファースト、90代の回想のすすめ:

これを私に当てはめれば、まだ事始め!「下山の人生後半を生き抜く覚悟を養い始める」ということ。その際、留意すべきは、孤独と孤立は違うということであり、一昨年縁もゆかりもない蕨に移転後、私が漠然と抱いた不安というものは、定年後の「孤立」でした。そういう意味で、笑楽日塾塾生になったことは、その「孤立」を避ける上で非常に良いつながりとなり、有意義なセカンドライフを楽しむことができるのではないかと思います。今後、積極的に活動に参画し自らの生活も充実させる所存です。

第5篇:「ヒトと動物の違い」

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先日NHKスペシャルの「人間誕生」の再放送を見て、今の人間が生き残ったのは、「強かった」、「変化に対応出来た」からという事だけでなく「偶然が重なった」ということに驚かされました。ヒト(ホモサピエンス)とそれ以外の動物の違いは、自分が獲得した獲物を家族にも分け与える事がヒトとして快楽であり、チンパンジーや他の霊長類と異なり、必要以上に独り占めする事に興味を示さない事が科学的に証明されているそうです。40万年?以上前の人骨で歯が全くない物が多数発掘されており、これは狩が出来なくなった長老たちを集団が守っていた証との事でした。

誰でも年は取って行きます。出来ればいつまでも「施しを受ける」側にはなりたくないと考えてしまいがちですが、私たちヒトは時期が来たら「施しを与える」側から「施しを受ける」側に堂々と役割変更していいのではないかと考えさせられました。

第6篇:「“うそ・だまし・ごまかし”が世にはびこる」

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社会生活において何らかのコミュニケーションは必要不可欠です。身振り手振り、そして言葉や文字。社会や文化の発展とともに、友達仲間・同一目的の群や集団・企業などが存在し、これらは広い意味で何らかの利益を目指し活動しておりますが、言葉や文字に疑念を抱かせる多くの事案がありました。

数年の間に多くの”うそ“や”ごまかし“と思われる事案、例えば大企業のデータ改ざん(自動車・ハウス関係、補助金等の不正受給等々)、昨年から全国を騒がしている森友、加計。直近ではスポーツ界の勇・日大アメフト問題。これらの情報を見聞きするたびに、ウンザリします。

これら“うそ”をつかなければならない原点は何か?それぞれの立場での不利益を避けるためではないでしょうか。私たちが子供のころに「うそをつくと、閻魔様に舌をぬかれるぞ」「うそつきは泥棒のはじまり」と、友だち同士で言い合ったことはありませんか?これらの事案当事者は、子供たちに自信をもってこの諺を言うことができるでしょうか?

なぜ“うそ”をつくのか?「嘘にも種がある」と言う諺があります。その種とは利益追求、有利な立場の保持、計画の実績作り等々、関係者以外の人々を“うそ”“だまし”“ごまかし”続け「噓も方便」で切り抜けようとしているのであれば納得できる結論を期待します。

私たちはこれらの事案を冷静に考え見定める必要があると、特に感じる今日この頃です。「正直は一生の宝」を忘れることの無いよう歩んでいきたいものです。

*日大アメフト問題:この事案は「大人のいじめ」の要素もあったのではないかと思います。著書名「人はいじめをやめられない」著者・脳科学者:中野信子 この著書には“人は誰でもいじめの脳内物質を持っている”とのことです。

 以上シニアの風3篇をご紹介しました。

何かと話題に上る団塊世代も今では70歳を超えました。「高齢になっても元気に前向きに」は誰にもできることではありませんが、なるべくならそうありたいもの。また、老人による交通事故報道が後を絶えませんが「迷惑をかける老人、嫌われる老人」にはならないで100歳を目指しましょう。

子供の頃に「人は猿が進化したんだ」と聞いて「そうなのか」と思っていたら、その後「それじゃあ動物園の猿は何時になったら人間になるんだ」という話が出てきて「チャンチャン」。「お後がよろしいようで」。

20世紀フォックスのアンケートによると「1日に男性は6回、女性は3回のウソをついている」という結果が出たとか。また、生後6カ月の赤ちゃんにも「欺瞞行為がみられる」ことが分かっているとか。人間は老若男女問わず嘘をつくもののようです。騙す側にはなりたくもないが騙される側にもなりたくはない。

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 現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

3月11日(木)に行われた第8回オンライン公開講座「個人情報とは」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。4月2日(金)~4月8日(木)の間で、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方で第9回以降の視聴をご希望の方は是非オンライン公開講座にご参加ください。

また、第9回オンライン公開講座は4月8日(木)20時より当笑楽日塾塾生で現役のビール会社営業マンが、「ビールの話」と題してビールの美味しい飲み方と歴史について解説してくださいます。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

第7回オンライン公開講座「蕨の土地」

f:id:jiajiawarabi:20210310132735j:plain2021年2月11日(木)第7回オンライン公開講座「蕨の土地』が開催されました。今回の講座は当笑楽日塾の塾生が蕨の土地の成り立ちと名前の由来について、40分間にわたり熱く解説してくださいました。また、ご自身で収集された様々な貴重な資料をスライドで見せていただき感謝感激です。講義内容の一部分ですが蕨の名前の由来を軸に抜粋してご紹介させていただきます。

 蕨とはシダ植物の落葉多年草であり「わらび、ぜんまい左巻き」と言われて親しまれた調(つき)(食料)のことです。また、日本全国には「蕨」という地名は76ヶ所あり、「蕨」を特産品としている市町村は27ヶ所にも上ります。

万葉集の中で、志貴皇子(しきのみこ)は「石(いは)ばしる 垂水(たるみ)の上(うへ)の さ蕨(わらび)の萌(も)え出ずる春に なりにけるかも」巻八(一四一八)と詩っています。これは「早春の雪が消えるか消えないかの頃に、蕨の芽を見た時の気持ち」を表したものとされています。

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「蕨」の名前はあらゆる分野で使われ、人の「姓」には蕨野や蕨内・蕨岡等その数は190ほどにもなっています。生活用具ではアイヌ民族の短刀の柄にあります「蕨手刀」をはじめ「家紋」「蕨釘」「蕨箒」など。食べ物では誰もが知る「蕨餅」や「蕨粉」「蕨飯」「蕨汁」「蕨飴」などですが、この他にも多く使われています。

長崎県五島列島福江市には蕨町というところがあり、公民館、郵便局、役場、学校など全てに蕨の名前が付いており、日本全国76ヶ所の「蕨」で行政がある「蕨」は埼玉県蕨市長崎県五島市蕨町の2ヶ所だけです。

日本列島の地名で特筆されることは北から南に至る各地でアイヌ語地名が見られることです。一例をあげると北海道の内浦湾や九州の志布志湾などがありますが、アイヌ民族は地球の寒暖周期に合わせて列島を縦断していたため、他にも至る所にアイヌ語地名が残っています。

蕨についてアイヌ語説からも考察してみると、荒川はアラベツといい、荒ぶる川との説ですが、アラは綺麗な、美しいという意味もあり、あらたか川、明美なる川とも解します。埼玉はトマ、タマと呼び、治水なき時代、溜り(タマリ)と呼び、溜池でした。また、カミラを和良と書き藁の生えた土地を意味します。武蔵の国には郡、郷も存在しない、一帯は「藁(アイヌ語でワッテシ)を集め加工した所」の意味です。

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「蕨」の地名は何時、何処で、誰が付けたのか。確たる文献は残っていないのですが、孝徳天皇による「大化改新の詔」発布まで遡ります。しかし、大化に関する原文は残っておらず元号すら確認されていません。8世紀に作られた「日本書紀」の中で、日本列島で行われた政治改革を知るのみです。

では、何が行われたのか。645年(大化元年)8月に「東国国司の詔」が発せられ、都から国司が派遣されました。翌年の646年(大化2年)に「大化改新の詔」が発せられ、その第二項で戸口(ここう)調査と田地調査が命じられています。『郡の大きさ、田地の大きさ、責任者の名前、戸数等を図面に記して報告するように』と命じたものです。また、郡や里の名前のない地域については『朝廷に申し出ろ、名前を付けてやる』というものでした。「二字の良い名前を付けろ」ということで、二字化政策も行われました。「武蔵」は、古事記には「牟邪志(むじゃし)」と書かれていましたが、この二次化政策により日本書紀では「武蔵」になりました。

語源は歴史上の要因も少なくないのですが、それ以上に地理的環境が大きな比重をしめています。地理とは地形、地質、植生、気象、習俗等のことです。

古代、人や地名の命名法はそのものずばりという表現が多く、しかも音をできるだけ短くするという特色もありました。

蕨の地名の由来ですが、この一帯の日当たりの良い所には蕨が群生しており、収穫後は朝廷に献上するための米や麦などの食糧と共に、現在のさいたま市浦和区蕨市の近く)にある「調神社」に集められました。なお、当時の月の宮神社は「調蔵(つきぐら)」で、武蔵の国の重要な食糧倉庫でした。

武蔵国北足立郡の中に戸数、即ち里(さと)の数は不明ですが、国造(くにのみやつこ)を通じて報告がなされたものの、地名が無かったと解するのが自然で、蕨が群生していた里なので「蕨郷」と命名されたのであろう。

 以上が笑楽日塾塾生による講演「蕨の名前の由来」のごく一部分ではありますがご紹介しました。

日本書紀万葉集大化の改新など昔学校で教わったデータを頭の隅っこから引っ張り出しながらお聞きしていましたが、いかんせんデータは古くて虫食い状態に壊されており修復不可能。今回の講義をお聞きしながらインストールし直しています。

蕨に住むようになって35年。それまで蕨の字を読むことが出来たか否かは覚えていませんが、書くことはもちろん出来ませんでした。蕨市以外にお住いの皆様は「蕨(ワラビ)」という漢字を書くことが出来ますでしょうか。

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蕨市には「蕨書き順Tシャツ」というものがあります。

このTシャツを企画したのはビッグフラッグのパイオニア「染太郎」さん『染太郎 | 蕨 楽しい生活新聞』で、蕨市は「市のブランド品」『蕨ブランド認定品|蕨市公式ウェブサイト』に認定し、市内のお祭りや各種イベントの定番アイテムです。このTシャツは毎年新しいデザインで販売され息の長い商品になりました。

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 現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

2月11日(木)に行われた第7回オンライン公開講座「蕨の土地」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で、3月11日(木)までウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回放送中です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方で第8回以降の視聴をご希望の方は是非オンライン公開講座にご参加ください。

また、第8回オンライン公開講座は3月11日(木)20時より当笑楽日塾塾生が「個人情報のはなし」と題して、知っているようで実はほとんど知られていない個人情報のはなしを分かりやすく解説してくださいます。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

会報誌「笑楽日塾だより」 シニアの風①

笑楽日塾には毎月末に発行される会報誌「笑楽日塾だより」があり、当月の結果報告や翌月以降の行事予定などが載っています。

その中には塾生が持ち回りで書く「シニアの風」と称する「コラム欄」がありますが、特に形式にこだわることはなく「エッセイ」等、何でも良しとしています。この「シニアの風」を今後数回に分けて紹介しますのでご覧ください。

塾生は様々な経験を積んでこられた方の集まりですので、シニアの風に書かれている内容は多岐にわたり感心することばかり。勉強させていただいております。

笑楽日塾は2018年1月17日の開塾以来3年が経ち、皆さん手を抜くことなく取り組んでおられますので記事も相当数集まっています。今回は初期の頃に書かれたものの中から3篇をご紹介しますのでご一読ください(塾生全員の持ち回りですので3篇の筆者は別々です)。

 第1篇:「私の健康法(歯磨き時間)」

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何よりも大切なものは何か、この年になってそれは健康でおいしく食べること。快眠・快食に尽きる。そのためには歯が重要と思い歯磨きに力を入れている。朝と夜は歯間ブラシとデンタルフロスで7分、歯ブラシ2本で7分、指を使ってすべての歯肉をマッサージ7分、昼は簡単に7分。25年前にジャカルタで肉団子に入っていた石を噛んで割れた歯以外31本健在。これで健康保持。皆さんの健康法を教えてください。

 第2編:「若さの秘密(気持ちが大事)」

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歳を取ると老化現象(肉体精神面)が顕著に表れてきます。足の筋肉は知らないうち失われ、体も硬くなり、新しい事への好奇心も減り、面倒な事を避ける気持ちが強くなり、運動する気力や何か新しい事をやろうというチャレンジ精神も無くなります。元気なシニアは、常に外に出て何か面白い事が無いかなと探求の旅に出ます。あちこち歩き回り、魂に響くスポットを発見したり、外で活動的で健康的な方に遭遇すれば?もうそれだけでパワーを貰い、若くなります。“若さとは自分の気持ち次第!”

 第3篇:「海外スキーでシニア合宿」

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3月に入り、60代~70の男性6人とガイド1人、それに女性1人の8名でヨーロッパ最大のフランス、トロワヴァレースキーに行ってきた。この時期はフランスでは長期のバカンスがあり、スキー場は親子連れで大混雑。「あれがモンブランだよ!」雄大な山々に囲まれたゲレンデで緊張しながらも快適に滑ることが出来た。宿泊はコンドミニアム・・・朝晩の食事は自炊、食料は日本から梅干しやライス、レトルトカレーに蕎麦などそれぞれが分担して持参、牛肉やハム、野菜、パンなどは現地調達、毎回みんなでショッピングをしながら食事作りを楽しんだ。野菜を切る、ステーキを焼く、スープや味噌汁作り、それぞれ得意な分野を担当した。テーブルに用意された多くの料理を前に、酒盛りをしながらスキーや料理談義に時間を忘れるほど毎日語り合うことができた。

上記の3篇は何れも2018年春に書かれたものです。記事の内容は様々ですが皆さん健康的で病などとは程遠い生活をされています。

日本人の平均寿命は伸びていますが、意外にも歯の寿命は短いようです。しかし、笑楽日塾の塾生は毎日のケアを怠ることなく立派ですね。私も半年に1回の「歯の定期健診」で通院しています。

家に籠ることなく外に自分の居場所を作る。活動的で健康的な方とすれ違ったらパワーをもらう。何事も気持ち次第ですね。パワーを吸い取られた方は迷惑かな?

モンブランを見ながらの滑走、自炊も楽しそうだし夜の宴会もうらやましい限り。ステーキを食べたくなりました。今晩は焼き鳥?かな。

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現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

2月11日(木)に行われた第7回オンライン公開講座「蕨の土地」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。3月5日(金)~3月11日(木)の間で、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方で第8回以降の視聴をご希望の方は是非オンライン公開講座にご参加ください。

また、第8回オンライン公開講座は3月11日(木)20時より当笑楽日塾塾生が「個人情報のはなし」と題して、知っているようで実はほとんど知られていない個人情報のはなしを分かりやすく解説してくださいます。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

 

コロナと孤独・孤立

昨年11月18日「なぜブログを書き始めたか」を投稿し、その中で文春オンライン2018年3月8日岡本純子氏の記事『なぜ日本のおじさんは「世界一孤独」なのか?』を紹介しました。

文春オンラインの記事が書かれた2018年はまだ新型コロナウイルス感染拡大とは全く無縁の時でしたが、今日では事情が大きく変りました。特にこの数日間では政府が「孤独・孤立対策担当室」を作るなど、孤独や孤立に関する対策を巡る動きが活発になりましたのでまた取り上げてみます。

孤独対策、コロナ下で急務: 日本経済新聞 2021年2月9日 2:00より抜粋

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新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が長引き、社会や他人との接点が少なくなる孤独問題が深刻になってきた。若者の自殺や高齢者の孤独死なども増えており、政府が対応を迫られる情勢となっている。

菅義偉首相は4日の衆院予算委員会で「社会的孤立を防ぐために関係省庁が連携する体制を検討していきたい」と述べ、省庁横断による連絡会議の設置を検討する方針を明らかにした。先行する英国など海外の事例も参考に議論を進める。

 

新型コロナによる“孤独・孤立問題” 政府が対策室を設置 | 新型コロナウイルス | NHKニュース 2021年2月19日 22:51より抜粋

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政府は新型コロナウイルスの影響が続くなか、孤独や孤立の問題が深刻化しているとして、新たに対策室を設置し、坂本一億総活躍担当大臣は、不安を抱える人たちに寄り添いながら支援策を検討するよう指示しました。

政府は、来週にも孤独や孤立の問題に取り組むNPOの関係者らを招いて会合を開くなど、今後、具体的な支援策を検討することにしています。 

【独自】コロナで見えた孤独と貧困 坂本“孤立担当相”

 FNNプライムオンライン 2021年2月19日 金曜 午後0:25より抜粋

新型コロナウイルスの感染が広がった2020年に自殺した小中高校生が、過去最多となったことが今週、文部科学省の調べで明らかになった。

「孤独感・孤立感を感じている子どもが多い」と述べた坂本1億総活躍相が、大きな課題の1つとして取り組むのが「子どもの貧困問題」。

「格差に対し、政治が救いの手を差し伸べる仕組みをどう作るか、1人も取り残さない社会を作ることが、一番大事な政治の力だ」と言葉に熱を込めた。

コロナで深まる「孤独感」 政府が孤独・孤立対策担当室を新設、25日に緊急フォーラム

東京新聞 TOKYO Web2 2021年2月20日 20時38分より抜粋

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 政府は、新型コロナウイルス感染拡大に伴って深刻化する孤独・孤立問題に省庁横断で対応するため、内閣府に「孤独・孤立対策担当室」を新設した。厚生労働省文部科学省など6府省の職員約30人で構成。25日に菅義偉首相も出席して緊急フォーラムを開き、問題に携わる支援団体などから意見を聞き、対策に乗り出す。

 コロナ禍で、孤独や孤立に起因していると見られる問題が深刻化。昨年の自殺者数は2万1077人(暫定値)と11年ぶりに増加に転じた。厚労省が自殺者の原因・動機となった問題を分析したところ、「孤独感」は434人(同)で前年比31・5%増だった。

 以上テレビと新聞の報道を抜粋してご紹介しました。

コロナ禍以降は高齢者の孤独死を発見するまでに時間がかかるようになったとのこと。コロナ禍以前だと死後数日で発見されていたものが、最近では亡くなってから発見されるまで3カ月くらいかかるものも多くなったそうです。その理由は『町内の集会やお祭りが中止になり、知り合いの方とお会いすることもなくなった』とか『不要不急の外出を避けてください』との広報が盛んに行われ、特に高齢者の外出機会は減るのが当たり前になりました。そのため近所の方にしても『こんなご時世だから見かけなくなっても疑問に感じなくなった』ためだそうです。民生員さんにしても活発に行動することが躊躇われているとか。

『2020年の全国の小中高校生の自殺者数は前年に比べて140人(41・3%)増加し、479人(暫定値)になりました。これは過去最多数になります。』と文部科学省が発表しました。「新型コロナウイルスの感染拡大による社会不安が影響してコロナ禍での社会不安が広がり、外出自粛やオンライン授業等の新しい生活様式に馴染めずに孤立する子供が増えた」とも。

若者にも高齢者にも生きにくい世の中になってしまいましたが、特に小中高校性には明るい未来に向かって進める世の中になって欲しいもの。希望を持てる未来が早く来ることを願います。

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 現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

2月11日(木)に行われた第7回オンライン公開講座「蕨の土地」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。3月5日(金)~3月11日(木)の間で、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方で第8回以降の視聴をご希望の方は是非オンライン公開講座にご参加ください。

また、第8回オンライン公開講座は3月11日(木)20時より当笑楽日塾塾生が「個人情報のはなし」と題して、知っているようで実はほとんど知られていない個人情報のはなしを分かりやすく解説してくださいます。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

 

埼玉県産ブランド米「彩のきずな」を食す!

今回は埼玉県産ブランド米「彩のきずな」のお話しです。昨年末にも当ブログでご紹介していますのでこちらもご覧ください。

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以前から食べてみたいと思っていた「彩のきずな」ですが、店頭で見かけることがありませんでしたので当分の間は無理かとあきらめていました。しかし、偶然にも我が家の近所で販売しているお店を見つけ(5㎏1袋のみ)、以前にブログで紹介していることもありましたので「これは私が買って食べて見なくては」と購入を即決し食卓へ(後日調べたらアマゾンにも出品されていましたので慌てることもなかったかも)。

ご飯の美味しさを測る基準は、見た目の綺麗さ、光り、香り、甘み、粘り、やわらかさ等いろいろあるようです。日頃から少々味音痴を自覚している私が「彩のきずな」を食べての食レポをするのも如何なものかと思う訳ですが、とりあえず美味かったか否かと言いますと、当然「大変美味しゅうございました、また購入します」です。

日本では全国的に米の品種改良が進みブランド米がバブル状態になっているため、これからの品質改良は味の他にも個性的な差別化が求められているようです。ちなみに、全国の農業試験場では味の向上を図るのはもちろんのこと、地域の固有米を作って需要を増やそうと努力しています。気候条件が不利な北海道では寒冷地用の「ななつぼし」、米の産地としての知名度がいまいちな鳥取県ではカレー用に特化した香りの高い「プリンセスかおり」などが開発されています。

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しかし、それだけでは米離れがなかなか止まらず、農林水産省によると国内の消費量は毎年およそ8万トンずつ減少しているとのこと。なお、令和2年度は価格高騰による米離れや、新型コロナウイルス感染拡大により訪日客が減少したための需要減もあり、消費量は更に落ち込んでいるようです。

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1人当たりでは昭和37年度に年間118キロのコメを消費していましたが、平成30年度には半分以下の54キロにまで落ち込んでいます。

パンや麺類・肉・魚など様々な食材が手に入るようになり、日本人の食生活が豊かになったことは喜ばしいことと思います。しかし、米は国内需給率が大変高く食料の危機管理面からも重要な超優等生の食品です。農家が安心してお米を作れるよう今までより少し多めにご飯を食べ、食料の受給率向上に貢献しましょう。

10kgで4,000円位のお米をご飯に炊いた場合のお茶碗1杯の値段は、計算する条件の違いで多少の違いはあるものの、おおよそ30円前後になるようです。

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米は日本人の主食ですので値上がりするのは困りますが、お店の陳列棚に並んでいる、肉や魚、カップラーメン、ハンバーガー、菓子パン、ペットボトルの水やお茶等、他の食材に比べたら圧倒的に安いことが良く分かります。

お米はご飯に炊く手間がネックになるのも確かです。この炊く手間を省こうとしてパックのご飯を購入すれば便利なのですが価格は上がります。

私の場合はリタイア後に時間の余裕が出来ましたので、自宅の炊飯器で炊いた美味しい炊き立てご飯をいただきたいものと思っています。

「彩のきずな」の作付面積は本格的に一般栽培が始まった2014年の1200haから、2018年には5200haまで増えてきました。また、日本穀物検定協会が毎年行っている5段階評価の食味試験では、2018年に最高ランクである「特A」を受賞しました。これからはもっと広く知られるようになり店頭で見かける機会も増えることでしょう。期待しましょう!

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 現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

2月11日(木)に行われた第7回オンライン公開講座「蕨の土地」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。3月5日(金)~3月11日(木)の間で、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方で第8回以降の視聴をご希望の方は是非オンライン公開講座にご参加ください。

また、第8回オンライン公開講座は3月11日(木)20時より当笑楽日塾塾生が「個人情報のはなし」と題して、知っているようで実はほとんど知られていない個人情報のはなしを分かりやすく解説してくださいます。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

第6回オンライン公開講座「電動機と製鉄」(後編)

昨日に続き「電動機と製鉄」の後編で「鉄が出来るまで」と「厚板圧延機の駆動電動機」の質問部分をご紹介します。

前半は製鉄に関する質問で後半は電動機に関する質問ですが、今回の講座は「世界一の製鉄所で活躍する世界最高性能の日本の電動機」についてお話していただきましたので、回転子の直径が約3mで固定子は約5mという大変大きなモーターを念頭に置いた質問になります。

 ≪ 質 問 ≫

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Q:高炉で出来た銑鉄を受け取るトーピードカーの容量は250㌧とお聞きしましたが、5000㎥の高炉に原料を層状に入れた場合250㌧の銑鉄が出来るということでしょうか。

A:一気に全ての銑鉄を出すのではなく、数回に分けてトーピードカーの中に出します。

Q:鋼の品質は転炉内の状態で決まりですか。

A:ミルシート(鋼材の材質を証明する添付書類)を決める基本成分は転炉でほぼ決まります。

Q:鉄を薄く伸ばす圧延機のバックアップロール(支持ロール)やワークロール(作業ロール)は消耗品だと思うのですが、どれくらいの周期で交換されますか。

A:各社のノウハウで良くは知りません。しかしある製鉄所では2,500㌧圧延した時にロールを交換しており、1時間当たり200㌧位の圧延量ですから12時間くらいで交換していました。なお、1980年代頃から圧延しながらロールを磨く機能が付加され、ロールの交換は10,000㌧近くまで伸びたと聞いています。

Q:作業中機械にトラブルが発生し、作業がストップした場合の鉄は再利用できますか。

A:作業中のトラブルに関しては、材料を犠牲にして機械を保護しますのでその時の鉄は再利用出来ません。

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Q:製鉄用150トンの交流モーターがあることを初めて知りました。このモーターの設計・製造・輸送・据え付け・コミッショニングなど、受注から納入・試運転までの期間はどれくらいかかりますか。

A:ざっくり言って20ヶ月~24ヶ月です。モーターの制作期間は12ヶ月位ですが、海上輸送するための梱包・輸送・開梱等で約4週間かかります。据え付けと据え付け調整で約2ヶ月です。

Q:受注するのは入札でしょうか、それともネゴシエーションでしょうか。

A:競合入札です。引合いに出された時に各社がそれに見合った基本設計のうえ応札します。引き合いから受注までは約6ヶ月になります。

Q:一つの圧延設備プロジェクトの中で、電動機部分の受注総額はいくらぐらいのものでしょうか。

A:そうですね、ミルモーター2台で10億まではしないと思います。

Q:ご説明の中で電動機の重さは150㌧とお話しされていましたが、回転子の直径はどれくらいでしょうか。

A:回転子の径が3.12mで約100㌧、固定子の径は4.5mで約50㌧になります。

Q:電動機の定期修繕(Overhaul)はどれくらいの期間(Span)で行われますでしょうか。その間に圧延機はどれくらい(何日位)止まりますでしょうか。

A:分解して点検するのは5年に1回位です。普段はカバーを外してファイバースコープ等を使い目視点検を行います。また、モーターをバラバラに分解して点検し、組み立て直すと最低10日はかかると思います。

Q:今日お話しいただいたような超大型の電動機を作れる電機メーカーは国内と海外にどれくらいありますか。

A:メーカーは国内には3社と国外に3社あります。

 以上が笑楽日塾塾生による「鉄が出来るまで」と「厚板圧延機の駆動電動機」の講座で、昨日と今日の2回に分けてご紹介しました。人類は地中から鉄を取り出して利用することにより大きく発展し、鉄から作り出す製品は日本の経済成長の源泉ともなりました。普段は全く気にすることはありませんが、鉄がいまの暮らしや産業を支えており、現代社会において鉄の無い生活は考えられません。

また、鉄は100%何にでも何度でもリサイクルされて新しい鉄鋼製品に生まれ変わることができる「リサイクルのチャンピオン」でもあります。捨てればゴミですが再利用すれば資源になります。家庭でもごみ出しには分別を徹底し、資源を無駄に消費しないようリサイクルに協力しましょう。

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 現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

1月14日(木)に行われた第6回オンライン公開講座「電動機と製鉄」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で、本日2月11日(木)までウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回放送しています。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方で第7回以降の視聴をご希望の方は是非オンライン公開講座にご参加ください。

また、第7回オンライン公開講座は本日2月11日(木)20時より当笑楽日塾塾生が「蕨の土地」と題して、蕨の土地の成り立ち、県南の地下水汲み上げによる地盤沈下、最近頻発する地震、水害との関連を分かりやすく解説してくださいます。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

 

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

第6回オンライン公開講座「電動機と製鉄」(前編)

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2021年1月14日開催の講座は「電動機と製鉄」と題して、製鉄所で鉄鉱石から鉄が出来る工程と、世界一の製鉄所で活躍する世界最高性能の超大型電動機について解説していただきました。

なお、鉄に関する固いお話で専門用語も多く、内容はかなり高度なものでしたが、製鉄や電動機には素人の受講者に向けて分かりやすく、優しく、丁寧にお話しくださいました。

次の図は製鉄所で鉄が出来るまでの工程を示したものです。原料の入荷から製品の出荷までが順番に書かれていますので、これからのお話しと照らし合わせてご覧ください。

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①.まず、製鉄所を作る場所ですが、日本は原料の鉄鉱石や石炭のすべてを輸入に頼っていますので船の着岸が出来る海岸に作り、1901年に初のコークス炉「八幡製鉄所」が作られたのも海岸の海の深さが深かったためと言われています。なお海外では鉄鉱石の採掘現場がある山の中に作られているとのこと。

②.船から陸上げされた鉄鉱石と石炭は原料ヤードに山積されます。

③.原料の鉄鉱石は焼結鉱(粉状の鉄鉱石と石灰石を混ぜて一定の大きさに焼き固めたもの)に、石炭はコークス(石炭を蒸し焼きにしたもの)に加工します。

④.高炉も大きなものになると内容積が7,000㎥を超える巨大なものもあります。高炉内には焼結鉱とコークスが交互(ミルフィーユ状態)に積まれ、下部から熱風を吹き込むことによりコークスが燃え、焼結鉱は飴のように溶けた鉄の雫として下に落ちます。ちなみに鉄を10㌧作るのにおおよそ焼結鉱を15㌧、コークスを5㌧使います。

⑤.飴のように溶けた鉄はトーピードカーに注ぎ込み、製鋼工場では行い難い硫黄分の除去をして転炉に運びます。

⑥.高炉で出来た銑鉄は硬くて脆いため転炉の中に入れ、高圧の酸素を吹き込むことで含まれている不要な炭素を燃やして鋼にします。

⑧.溶けた状態の鋼は連続鋳造設備で固められて圧延の素材となります。

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⑪.鋼材を圧延設備で薄く伸ばします。圧延機には2つのワークロールがあり、このロールでスラブを挟み、往復させて薄く伸ばします。圧延時にはワークロールがしなってしまいますので、背中側に直径が2倍のバックアップロールを配置し、見かけの剛性を高めてしなりを解消します。

なお、電動機はワークロール1本に1台ずつ取り付けられており、スピンドル(回転軸)経由で動力をワークロールに伝えます。

⑮.線材、厚板、薄板などに加工します。

⑯.製品として出荷します。

以上、鉄が出来るまでの流れをお話しいただきましたが、これらの機械を動かしているのが全て電動機です。

ここからは⑪の厚板圧延機を動かす電動機(厚板ミルモーター)のお話しになりますが、かなり専門的なものでしたので分かりやすくご覧いただけるよう質問形式にしたものを明日投稿します。受講者の中には興味を持たれた方が多くおられ、質問が沢山ありましたのでご期待ください。

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 現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

1月14日(木)に行われた第6回オンライン公開講座「電動機と製鉄」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送中です。2月5日(金)~明日2月11日(木)の間で、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方で第7回以降の視聴をご希望の方は是非オンライン公開講座にご参加ください。

また、第7回オンライン公開講座は明日2月11日(木)20時より当笑楽日塾塾生が「蕨の土地」と題して、蕨の土地の成り立ち、県南の地下水汲み上げによる地盤沈下、最近頻発する地震、水害との関連を分かりやすく解説してくださいます。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

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第3回定例塾会「アクティブシニアの地域デビュー」

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2018年5月17日に当笑楽日塾の塾会も3回目(設立総会を含めると4回目)を迎え、議題としては毎年7月に開催され、塾生も多数係わっている「わらてつまつり(蕨駅開業120周年を機に始まった祭りで後日ブログに書きます)」の進捗状況や、前回書きました第1回フィールドワーク「蕨遺産めぐりツアー(中央・北町)」の報告等盛りだくさんでした。

この時の資料の中に 埼玉県 県民生活部 共助社会づくり課 が行っている『100年人生を楽しんで地域に活力向上を高めるため「埼玉のシニアの地域デビューを促す」』というものがありましたのでその一部を紹介します。

 『シニアの活躍こそが日本の未来の原動力』

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少子高齢化が進む中で、減り続ける生産年齢人口。社会を動かす担い手が確実に減っていく中で、いかにしてこして社会の活力を維持していくのか。これは、埼玉県のみならず日本全体が抱える社会構造の大きな課題です。この問題に対応しようと埼玉県が取り組んでいるのが、「シニア活躍施策」です。

シニアが蓄積した経験や知恵を社会の大きな力ととらえ、シニアが元気なうちは働いたり、地域社会活動などで社会を支える側に回ってもらい、地域社会の活性化、発展に振り向けようという考え方です。埼玉県県民生活部共助社会づくり課では、地域社会活動という側面からシニアの活躍を推進しています。いわゆる「地域デビューの推進です。

企業戦士として会社組織の中で長い人生の大半を過ごしてきた人は、何も準備をしていなければ地域との接点を全く持たずに定年退職を迎えてしまいます。定年退職後に居場所をつくることができず、家の中に引きこもるか、何もすることがなく暇を持て余す人があまりにも多いのが現状です。これでは本人にとつても、社会全体にとつても大きな損失です。こういう方たちに地域デビューしてもらい、自己実現と社会課題の解決の両方を実現させようと取り組んでいます。

『シニアの地域デビユーは4割で、総論賛成・各論他人事に陥りやすい』世論調査の数字は2018年5月時点のものです)

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シニアの力を生かすという考え方は、おそらく総論で賛成する人は多いと思われますが、各論では他人事に陥りやすいのが現状です。

埼玉県が毎年行っている県政世論費査によれば、過去1年間に地域社会活動を行ったことがある60歳以上の人は39.3%で残りの60.7%の人は地域社会活動を行っていません。いわゆる地域デビユーができていない人たちです。その理由としては、地域社会活動そのものに関心がない人が16.9%います。

一方で、地域社会活動に関心があるもののきつかけがない人が21.0%、時間がない人が19.3%います。

私たちのミッションは、関心のある人にもない人にも、それぞれターゲットごとに適したPR戦略を打ち出すことです。

『地域デビュー戦略は「マーケティング戦略」、「発信者目線」から「受け手目線」への転換・行政広報の常識を覆す』

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これまでの一般的な自治体広報は、ターゲットに伝えたい「社会の課題」すなわち「社会テーマ」そのものを発信するという方法が主流でした。

そこで成果が出ないときに、「県民の意識が低い」と嘆くのは時代遅れだと思います。広報の成果が出ないのは、目線が「発信者目線」だからであり、目線を「受け手目線」に変えることで、訴求力は格段に高まると考えています。このことは、マーケティングの考え方を取り入れることで理解しやすくなります。

 以上は塾会での資料「埼玉のシニアの地域デビューを促す」の一部分ですが、2018年4月24日14時埼玉県共助社会づくり課の「県政ニュース報道発表資料」として全文公開されていますのでお時間のある方は是非ご覧ください。

http://kyojo.saitamaken-npo.net/volunteer/docs/73666050137ad75e8961f7b08fff62d1_1.pdf

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今回引用させていただいた3項目の中でも3番目のマーケティング戦略が大変重要で、シニアに向かって「地域デビューしてください!」とプッシュするのではなく、シニアから自然に参加したくなる状態をつくることです。ターゲット(シニア)のニーズに合った動機を提案し、適切なターゲットに向けて発信する。そのためには参加したくなる動機の開発と提案する戦略を策定すること。広告宣伝や効果の検証まで一連のプロセスを計画実行し、そして見守る。つまり「提案された動機に惹かれて地域デビューしたくなる仕組みをつくること」が成功への道と思います。

 ちなみに、埼玉県 県民生活部 共助社会づくり課 は平成29年度に「シニアの地域デビューを促す広報戦略」が、地方自治体の広報活動の向上に寄与することを目的にした全国広報コンクール(主催:公益社団法人 日本広報協会)の「広報企画」部門で入選しました。

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現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

1月14日(木)に行われた第6回オンライン公開講座「電動機と製鉄」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。2月5日(金)~2月11日(木)の間ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方で第7回以降の視聴をご希望の方は是非オンライン公開講座にご参加ください。

また、第7回オンライン公開講座は2月11日(木)20時より当笑楽日塾塾生が「蕨の土地」と題して、蕨の土地の成り立ち、県南の地下水汲み上げによる地盤沈下、最近頻発する地震、水害との関連を分かりやすく解説してくださいます。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。(リンクを貼る)

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第1回フィールドワーク「蕨遺産めぐりツアー(中央・北町)後編」

1月20日投稿分「蕨遺産めぐりツアー(中央・北町)前編」の続きですので、前編も是非ご覧ください。

f:id:jiajiawarabi:20210118213732j:plain⑭三学院のお地蔵様:総門前には馬頭観音塔、目疾地蔵、子育て地蔵があり、特に目疾地蔵は印象的で今もお地蔵さんの目に味噌を塗ると眼病が良くなるとの民間信仰が生きている。「あとの人のために、味噌を塗り過ぎf:id:jiajiawarabi:20210125221253j:plainないでください」との注意書が掲示されていてびっくり。

 また、三学院総門の前には蕨宿の傳馬の安全を願い、宿場の馬事講中より建立された馬頭観音があり、梵字で「南無馬頭観音」と刻まれている。

 

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⑮三学院:ご本尊は十一面観音菩薩立像。本堂の扁額には仏道の行動規範である「戒」、宗教的精神統一である「定」、真理を知る「慧」が掲げられている。また、徳川家康公から寺領20石の朱印状が与えられた格式の高い寺院で、仁王門、三重塔、弁天堂、仏舎利塔玄宗三蔵法師の分骨が収められている)など見所が多数ある。

⑯一本杉塚:16世紀初めに渋川氏の蕨城が川越の上杉氏に攻略され落城し、この地に渋川氏の遺骸や兜、鎧等が埋められ、その目印として一本の杉が植えられた(現在は代変わりしています)。ここを大事にしないと祟りがあると言われているため、今でも有志の方により大事に守られている。

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⑰和楽備神社:祭神は誉田別命(ほむだわけのみこと)で室町時代に蕨城主の渋川氏が八幡大神を勧請したと伝わる。明治44年(1911年)には『合祀令』により近隣18社をこの地に合祀した。なお、和楽備神社には通常神社の屋根に見られる千木(ちぎ)及び鰹木(かつおぎ)がない造りで大変珍しいもの。

⑱蕨城址蕨城は南北朝時代に足利一門の渋川氏によって築城され、周囲を沼と深田に囲まれた微高地の平城で、江戸時代には徳川家の鷹狩り用の御殿として利用されていた。なお、蕨城址公園の中には成年式発祥の地記念像とサミュエル・ウルマンの青春の碑がある。

⑲蕨成年式発祥の地:日本における今日の成人式のルーツは、蕨町(現蕨市)が戦後まもない昭和21年(1946年)に実施した『成年祭』となっている。この『成年式』が全国に広まり、日本国政府は昭和24年(1949年)から1月15日を『成人の日』と制定した。その後、祝日法の改正により1月の第2月曜日に移動している。

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⑳青春の碑:城址公園内には蕨出身の岡田義夫氏によって翻訳されたサミュエル・ウルマンが書いた『青春』の碑があり、パナソニックの創業者松下幸之助氏や極東指令マッカーサー元帥も座右の銘としたことでも有名。

 以上、笑楽日塾にとって初のフィールドワーク(蕨遺産発掘ツアー)について紹介しました。本ツアーを発意した我々蕨遺産発掘グループとしては、これを糧に今後さらに蕨市内の遺産ないしは裏遺産に日が当たるよう努めていきたいと決意し、この年の9月に第2回フィールドワークを実施しています。また、後日にご紹介を予定しています。

とにもかくにもアクティブ・シニアは元気でなければいけません。当日参加した塾生は、真夏日となった苛酷な天候の下に3時間半歩きっぱなしでしたが、へばった人は誰一人おりません。地元蕨に生まれ育ち70年超の方もいれば、住んで数十年だけれども転勤で蕨を知らない方、仕事場が都内にありほとんど寝に帰る埼玉都民の方、蕨に転入してまだ1年半の方まで、参加した塾生は様々でした。

しかし、このように改めてガイドをしていただきながら街めぐりをすると、日本一のコンパクトシティー蕨市にも立派な遺産があるではないか等々、いろいろな発見や気づきがありました。もちろん、私にとっては全て新鮮でした。

 最後に、解散前の蕨城址公園『青春の碑』の前で荒井貞夫塾長が『このウルマンの詩は自分にとってまさに座右の銘である』として、声高らかに暗唱されたのは実に印象的かつ感動的でした!

以下はサミュエル・ウルマン(1840年1924年天保11年~大正13年の「青春」

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青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相をいうのだ。
優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心、こういう様相を青春と言うのだ。
年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。
歳月は皮膚のしわを増すが、情熱を失う時に精神はしぼむ。
苦悶や、孤疑や、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ恰も長年月の如く人を老いさせ、精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう。
年は七十であろうと十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か。
曰く「驚異えの愛慕心」、空にきらめく星晨、その輝きにも似たる事物や思想に対する欽仰、事に處する剛毅な挑戦、小児の如く求めて止まぬ探求心、人生への歓喜と興味。
人は信念と共に若く 疑惑と共に老ゆる
人は自信と共に若く 恐怖と共に老ゆる
希望ある限り若く  失望と共に老い朽ちる
大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大、そして偉大の霊感を受ける限り、人の若さは失われない。これらの霊感が絶え、悲歎の白雪が人の心の奥までも蔽いつくし、皮肉の厚氷がこれを固くとざすに至ればこの時にこそ人は全くに老いて神の憐れみを乞うるほかはなくなる。

  原作:サミュエル・ウルマン   訳詞:岡田義夫

『青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ』『年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる』

素晴らしい言葉ですね!私は今までの人生を振り返ってみて「理想を失っていないか」と、少々心配になりますが、まだ「これから先に向かって進まなくては」と、奮起するきっかけになりました。

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第1回フィールドワーク「蕨遺産めぐりツアー(中央・北町)前編」

 2018年4月22日(日)午前9時半:蕨遺産発掘グループ(メンバー塾生3名)の発意により「蕨遺産めぐりツアー」を挙行しました。

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塾生9名+ガイドさん2名がJR 蕨駅西口の「蕨驛開設記念碑」を皮切りにスタートし、午後1時過ぎに蕨城址公園内「青春の碑」前で解散するまで、予定の20ヵ所すべてを徒歩で回りました。

この日から遡ること2ヶ月。2月17日の5役会席上で『笑楽日塾の分科会として蕨遺産発掘グループを立ち上げる』と発議され、塾生3名が参加しました。3名で何回か話し合いを行った結果の成果物として今回のツアーが決まったわけですが、笑楽日塾が出来たのが1月、蕨遺産発掘グループを立ち上げたのが2月、蕨遺産めぐりツアーの実施が4月、とスピード感満載ですね。

ガイドをしていただいたのは蕨市在住の歴史研究家の方で、蕨市の歴史ガイド有資格者。拝聴する我々は身に余る光栄で、一言も聞き逃すまいと必死に耳を傾けて回りました。

ツアーの時間は3時間超、歩数計の数字は10,000歩強の探究。また、この日は真夏日になり高齢者の集団には過酷な1日でしたが、1人の脱落者も出ることなく無事完歩できたことに感動しました。元気な皆さんの集団だと痛感。

小さな町蕨はコンパクトシティーを謳っていますが、その小さな町の中にも名所旧跡がぎっしり詰まっており、ガイドさんの素晴らしい解説に酔いながら歩きました。30年以上住んではいるものの埼玉都民のはしくれだったため、蕨の知識が浅かった私にその輝かしい歴史を教えていただいたことに感謝です。

めぐった場所は、次のとおりです。

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蕨驛開設記念碑:明治16年(1883年)に私鉄である日本鉄道会社が上野と熊谷間で開通し、蕨駅明治26年1893年)6月開業した。その後明治39年1906年)に日本国有鉄道となり、昭和17年(1942年)に蕨驛の開設記念碑が造立された。

長泉院の梵鐘:長泉院は円実という沙弥(しゃみ)が創建したことから、ここの梵鐘は「おしゃみの鐘」と言われている。この梵鐘は宝暦8年(1758年)に江戸神田鍛冶町の小幡匠によって作られている。しかし、本堂の屋上に鐘楼があるため梵鐘を直接見ることはできないが、珍しい特徴として「乳(にゅう)」が無い替わりに「梵字」が鋳出されている。また「撞座(つきざ)を4個持っている(普通は2個)」「撞座の中央に梵字が鋳出されている」ことなどがあり、その珍しさに戦時中の金属供出も免除となった。

用水堀の跡:今は暗渠となりただの小路にしか見えないが、嘗て蕨宿には周囲を用水堀がめぐらされており、火事や盗賊から町を守ることの他にも農業用水に使用されていた。用水掘の水源は利根川で「見沼代用水」から流れている。

観音堂この観音堂は近所の須賀神社境内にあったものだが、明治44年(1911年)に和楽備神社に合祀された折に潰される運命となった。しかし、ご近所の方々が「これは大事なものだから」といって残された。祀られている観音様は台座を含めて石造の聖観音。覆い屋に守られており近隣の人達の慈しみが感じられる観音様である。

玄蕃稲荷:蕨宿の発展に功績があった個人宅(玄蕃と称していたお宅)の屋敷神。玄番氏は蕨宿の発展に功績があったと言われている。

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中山道蕨宿の発展に欠かせない道路であり、東海道と並び江戸と京を結ぶ大幹線道路の五街道のひとつ。東海道より川の障害が少ないのが利点とされ、特に女性の利用が多かった。現在の蕨宿跡は中山道の両側ある歩道に、江戸・日本橋側の端に当たる下の門跡から京・三条大橋側の端に当たる上の門跡まで、「中山道69次(日本橋から三条大橋)」までが描かれたタイルがはめ込まれている。順番に見て歩くと江戸の日本橋から京の三条大橋までのプチ旅行気分を味わえる。

蕨市立歴史民俗資料館分館:渋沢栄一を崇拝研究者としてしられた蕨市4代目市長で、織物買継商で富を得た金子吉衛氏の自宅を蕨市が買い上げたもの。渋沢栄一自筆の扁額「進徳脩業」が飾られ、明治20年代の家具や当時の電話機も展示されており、図書室の蔵書に至っては圧巻。もちろん双子織の織機も展示されている。また、桃の節句にはひな人形、端午の節句には五月人形(武者人形・鎧・兜飾り)が、他の旧家からも寄贈されたものを含め、歴史的にも価値の高いもの多数が飾られる。

町道路元標:大正9年1920年)の道路法で設置されたもので、蕨町の道路の起点となったが昭和27年(1952年)の新道路法で役割を終えたもの。ちなみに、日本の道路原票は日本橋にある。

⑨歴史民俗資料館:蕨宿は慶長17年(1612年)頃に中山道の起点である日本橋から数えて2番目(1番目は板橋宿)の宿駅となり発展した。資料館には蕨宿の往時の姿を精巧なジオラマで常設展示しており、蕨のガイドにとっては自慢の展示物で他所ではあまり見かけないとのこと。また、江戸時代の本陣上段の間や旅籠屋内部の様子・商家の店先等の展示物等がある。

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⑩本陣跡:蕨宿は戸田の渡しの川留めに備えるため本陣2軒体制で、加兵衛家と五郎兵衛家の2家が代々勤め、向かい合うように建っていた。また、文久3年(1863年)皇女和宮妃がここで休息し十四代将軍徳川家茂公の元に降嫁した。明治天皇明治元年(1868年)と明治3年(1870年)の2度にわたり大宮の氷川神社への行幸途中に休息されている。

⑪鈴木薬局:昭和6年(1931年)建築の木造家屋で今も現役。建物の向きが道路と平行の作りではなく、少し斜めに角度をつけて建築されているのは、当時の荷物運搬手段である大八車が玄関前に付けたり出たりしやすいように作られているとのこと。

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中山道ふれあい広場:江戸時代の上の木戸跡で、レトロな趣の北町交番の横にあり火の見やぐらや時計台もある。ちなみに下の木戸は今回のコースには入っていませんでしたが、この上の木戸と両方の門を閉めて夜間は蕨宿に出入をできなくした。

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⑬徳丸邸の跳ね橋:蕨宿の特徴は宿場全体が用水堀に囲まれていたことで、家の出入口の用水堀の上に橋が掛けられ、夜間はその橋を跳ね上げる仕組みになっていたもの。街道は上の木戸と下の木戸、周りには用水堀を作って宿場の外からの侵入を防いでおり、盗賊防止の目的もあったとのこと。かなり用心深かったわけですが、それだけ街が繁栄していたということでしょう。

ここまでが前編です。蕨の歴史は奥が深くて知るほどに心を惹かれます。今はコロナ過の今、埼玉県も不要不急の外出自粛を呼びかけており家から外に出ることもままなりませんが、早く落ち着きを取り戻して街中を探索出来たらよいですね。

次回は後編をお送りしますので是非ご覧ください。

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現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

一昨日1月14日(木)に行われた第6回オンライン公開講座「電動機と製鉄」は『蕨ケーブルテレビWink』で放送されます。2月5日(金)~2月11日(木)の間ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方で第7回以降の視聴をご希望の方は是非オンライン公開講座にご参加ください。

また、第7回オンライン公開講座は2月11日(木)20時より当笑楽日塾塾生が「蕨の土地」と題して、蕨の土地の成り立ち、県南の地下水汲み上げによる地盤沈下、最近頻発する地震、水害との関連を分かりやすく解説してくださいます。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

次回は、第一回フィールドワーク(後編)です。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

初めてお読みになられる方へ

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笑楽日塾とは 埼玉県南部に位置し、全国の市の中で最も面積が狭く、人口密度は全国の市町村で最も高い蕨市で活動する『就労からリタイアした、又はリタイア間近な男の集団』です。

タイトルは『笑楽日塾の事件簿』などと大層な名前を付けましたが、殺人事件は起きませんし名探偵も登場しません。埼玉県と蕨市を愛してやまない管理人が笑楽日塾の活動を前後の脈絡なく淡々と綴る備忘録もどきのもので、タイトルはミステリー好きな管理人の単なる気まぐれですので気楽にお付き合いください。

当ブログは笑楽日塾の活動を現在と過去に行ったり来たりしながら脈絡なく書きなぐりますが、個人情報保護重視の観点から多少理解し難いことがあるかもしれません。ご承知おきください。

また、多くのリタイアされた男性やリタイア間近の方に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで、社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

なお、毎週水曜日の更新を予定していますので、お手すきの時にでもお立ち寄りください。なお、詳細につきましては下記「初回のご挨拶」をご覧ください。

                    2021年01月19日    

≪ 重 要 ≫

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

第5回オンライン公開講座「弓道の真善美」(第4回)

弓道の真善美もいよいよ最終回(第4回目)になりました。オイゲン・ヘリゲル氏が書かれた本の紹介と、講演の最後に受講者の方々から質問をお受けしていますのでまとめてご紹介します。

 

≪「弓と善」の本をご紹介します≫

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「オイゲン・ヘリゲル」ドイツの哲学者が書いた本ですが、日本に来て数年間、弓を全身全霊で射る中で無心の体験することに弓道の奥義があると唱えた師に付いて、精神集中をするように技を深め、ついに無心の射を経験するまでの過程を整理して書した本です。考えるのをやめなさい。ヘリゲルが「自我を捨てて心を無にして的を射よ」と説く師の言葉に「善」の奥義を会得した本です。

 最後に東京中央審査特別演武の様子を映像で見ることが出来ますのでご紹介します。「三人一つ的射礼」と言って一つの的を3人で交互に弓を射る演武です。

https://www.youtube.com/watch?v=QzxsUB1M-6c

または、【弓道_8】 2013,11,8 【東京】定期中央審査 特別演武【kyudo】 で検索してください。

 ≪ 質 問 ≫

Q:一般の人からすると『弓道はちょっと敷居が高い』という感じもするのですが、少し身近なものにするために「弓」にまつわる慣用句2~3ご紹介いただけると幸いです。

A:それでは今のご質問に対しまして私の知っているところを3つほどご紹介したいと思います。皆さんがよくご存じの言葉に『光陰矢の如し』というのがありますが、意味は『時が経つのはとても速い』ということです。光陰の光は『日』陰は『月』、光陰で『月日』つまり時間を意味しています。時間は飛んでいく矢のように早いものだと言う例えです。次に『一矢を報いる』、敵の攻撃に対して矢を射返す。転じて自分に向けられた攻撃・避難などに対して大勢は変えられないまでも反撃・反論するという形の言葉です。最後に『手ぐすねを整える』という言葉の「くすね」は弓の弦に塗って弦を補強するものですが、十分な準備の下に『いざ来い』と、待ち構えている様子の例えです。

Q:45歳で弓道連盟に入会してから始めて、53歳で五段になられたとお聞きしました。三段まではトントンと3年くらいで昇段されましたが、三段から四段へはちょっと時間がかかっているようです。しかし、四段から五段には2年で、かなりのスピード昇段だと思います。ゴルフでもシングルクラスになるには相当な時間がかかるわけですが、振り返ってみて運動神経が人より優れていたとお考えでしょうか。

A:そういうことではなく、先生に恵まれて一生懸命教えていただいたからです。もちろん先輩方にも優しく教えていただきました。週4~5回は会社から帰宅後に北町体育館の道場に行き、最後のベルが鳴るまで1時間半くらい弾いていました。お休みの日は朝1番に行くと誰もいないので一人道場を貸し切った状態で結構楽しく練習した覚えがあります。

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Q:昇段試験は先ほど見た動画の演武のように5人一緒に行うのですか。

A:普通は5つの的に対して5人並び(持ち的)、蹲踞(そんきょ)して順番を待ち、1人ずつ立って矢を射ます。5番目の射手を「落ち」と言いますが、1人5分弱位かかりますので皆さん顔には出さないものの、立ち上がった時には『やっとか』という感じもありますね。

Q:お見せいただいた動画の演武が非常に美しかったのですが、足の運びは「お能」の一場面を見ているような感じで大変感銘しました。それから、左足から動き出していましたが、これは神道の作法と同じですね。(注:神棚に背を向けない。右足から前に進めると神棚に背を向けてしまう為)今日お話しいただいた「真・善・美」に大変感銘を受けました。どうもありがとうございました。

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A:動画では3人の演武でしたが、先ほど審査のお話しをしましたように、高段者になる程5人が同じ動作をしないと昇段が難しくなり、聞いた話では60人くらい受けて誰も受からないことがあったそうです。

Q:貴重なお話しありがとうございました。素朴な疑問ですが皆さん左手で弓を持たれて右手で矢を射っています。例えば右利きとか左利きとかの場合は逆になったりするのでしょうか。

A:それはありません。直させます。例えばギターなどは左利き用がありますが、弓の場合それは許されませんので直されます。なぜかというと審査する時に審査員から見ると後ろ姿になってしまうからです。

Q:始められるときに逆でやりたいと言われる方はおられますか。

A:初めて来たときに直されてしまいます。お箸と同じです。

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 最後に審査統一基準(五段以下)をご覧いただき、日本の伝統文化である「弓道の真善美」の講演録は終了です。

『真』の弓は偽らない(正射必中=正しい射法で射られた矢は必ず中る。)

『善』は平常心に宿る(敵がいるとしたら、揺らぎ、動揺する自分の心だ。)

『美』は『真』と『善』の結晶(正しい構え、正しい動作、それに内面の人格的向上が一体となった時、理想的な美しい弓が表現される。

『真・善・美』なんて素晴らしい言葉でしょう。

弓道が単なる的中(まとあて)のスポーツではなく「精神性の高いもの」と教えていただきました。そして楽しく有意義な1時間を過ごさせていただきましたことに感謝いたします。

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現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

一昨日1月14日(木)に行われた第6回オンライン公開講座「電動機と製鉄」は『蕨ケーブルテレビWink』で放送されます。2月5日(金)~2月11日(木)の間ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方で第7回以降の視聴をご希望の方は是非オンライン公開講座にご参加ください。

また、第7回オンライン公開講座は2月11日(木)20時より当笑楽日塾塾生が「蕨の土地」と題して、蕨の土地の成り立ち、県南の地下水汲み上げによる地盤沈下、最近頻発する地震、水害との関連を分かりやすく解説してくださいます。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

次回は、第一回フィールドワーク(前編)です。

第5回オンライン公開講座「弓道の真善美」(第3回)

今日は前回・前々回に引き続き(第3回目)になりました。いよいよ今回の本題である「弓道の真善美について」のお話しですのでご期待ください。

なお、1回目からの続きになりますのでこちらも是非ご覧ください。

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弓道の真善美について

 ≪弓道の高い指標とは≫

弓道は、人生そのものに喩えられます。誰しもが最初は技術を磨き、的に沢山中ることを考え、上達することを目指します(私も初めはそうでした)。

しかし、上達するにつれて技術を学ぶだけではなく、自己の人格を磨くことが必要だと気付くようになります。心と技を一体とし、内面の価値を高め、人生を深く豊かなものにするために、弓道は高い指標『真・善・美』を掲げています。

≪『弓の心』『精神』『空』≫

道と名の付く剣道、柔道、弓道は、昔は戦争の道具や身を護る技でしたが、現在は大きく変わり、弓道は精神と技術が一体となり、「弓の心」とも言うべき、「精神」が前面に出てきました。

「弓の心」は既に射手の心の中に目を覚ましていると言われています。射手は自己過信もなければ、外部に対する誇示の意思もありません。「禅」や「仏教」ではありませんが、心は「空」なのです。

「的」は相手ではなく、「射手と的」は一体となっています。

≪「真」の弓は偽らない≫

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弓道」には「正射必中」という言葉がありますが、これは正しい射法で射られた矢は、必ず中るという意味です。

そして私たちは、「的」に中てるために正しい「射法」を目指して日々練習をします。

弓を射るということは、正しい射法を目指す、真の探求です。そして的は、私たちに自分が今行った「射」が正しいものであるかを教えてくれる素晴らしい先生なのです。

一射ごとに真を求める姿勢(すがた)、それこそが弓道です。

≪「真」とは≫

「矢」は「的」の中心を狙ったうえで正しい技術を講ずればまっすぐに飛行し、的の中心を射抜きます。これが「真」です。

狙いどころがちょっとでもずれる事があれば真でない技を講じたことであり、狙いを不正で的中させたとしても、これは誤魔化しであり、観る人が観れば分かってしまいます。

矢が「的」に中った音を聞くだけでその射が「真」であったことも高段者の方々は判ります。

≪「善」は、平常心に宿る≫

「弓」は、「争う」、「相手を憎む」、という考え方とは全く反対の世界で、弓の世界に敵はいません。いるとしたら、「揺らぎ」、「動揺」する自分の心が、敵なのです。

自分と向かい合い、心を養い、常に平常心でいられる心を作ることこそが弓道の本来の目的なのです。

また、弓道場では、お互いに親しみ、礼節を重んじることを大切にしています。

「礼節」を大切にし、「相手を慈しむ」ことこそ、弓道の基本精神なのです。

≪「平常心是道(これどう)」とは≫

「善」は平常心に宿るのですが、有名な話で中国宋の時代の禅僧で南泉(なんせん)和尚と趙州(じょうしゅう)和尚の会話で、南泉が「道(どう)とはどんなものですか」と尋ねると、趙州は「普段の心が道(どう)である」と答えたそうです。これは、一般に言われる「普段通りの心の状態」の意味ではなく、「日常の小さな行いもおろそかにしない心」を示しています。

真善美の「善」とは心・精神の安定、平常心が重要視されます。

品格の無い射、的中、賞品、段位に囚われては、心の安定は望めず、自分本来の射も行えず、当屋(あてや)、安易な的中、名誉を欲する邪心などで弾く射は感銘を受けず、その人の人生に至る人格にも表れますので注意が必要です。

≪「美」は「真」と「善」の結晶≫

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弓の世界では「美」は「真」の形と「善」の心が一体となった時に現れると言われています。

正しい構え、正しい動作、それに内面の人格的向上が一体となったとき、理想的な美しい弓が表現されるのです。

完成された美しい形を目指して努力する姿こそ、「日本の弓」特有の美しさの世界なのです。

≪真善美の「美」とは≫

弓道においての美しさとは何か、それは「真」で整えた姿、「善」での平常心と静かな心をもって謙虚に弓に取り組み、「射法八節」も含めて一射一射「真」と「善」を追求・体現しようとする姿勢を、他者が見て初めて美であると認識されるのだと思います。美は目指すものではなく、目指すべきは「真」や「善」であって、「真」や「善」に近づいていこうとする様が「美」であります。的は静止して動かない。28m先の的は安土(あづち)(土盛り)に置かれ静止して動きません。動かない的を狙い行射した結果、中ったか外れたかは問題ではありません。高段者から見ると射手が正しい射をしたか、物事に動じない不動心と淡々とした平常心で行射をしたかを見ています。正しい行射は見ていてとても感銘を受けます。

≪弓の真善美の最終目的≫

「道」と付く柔道、剣道、居合道弓道、空手道、茶道、華道、書道、合気道、相撲道等、これらの最終目的は何か。どれも初めは先生、講師から教わり、技を極める術の習得に始まりますが、そこを抜けるとおよそ道が付く。最終目的は心・精神修行であり、自分の人間性を高めることに行き着きます。

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以上が講演録の抜粋ですが、次回(明日の第4回)はオイゲン・ヘリゲル氏が書かれた本の紹介と、受講者の方から質問をお受けしましたのでご紹介します。

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 現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

昨日1月14日(木)に行われた第6回オンライン公開講座「電動機と製鉄」は『蕨ケーブルテレビWink』で放送されます。2月5日(金)~2月11日(木)の間ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方で第7回以降の視聴をご希望の方は是非オンライン公開講座にご参加ください。

第7回オンライン公開講座は2月11日(木)20時より当笑楽日塾塾生が「蕨の土地」と題して、蕨の土地の成り立ち、県南の地下水汲み上げによる地盤沈下、最近頻発する地震、水害との関連を分かりやすく解説してくださいます。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

第5回オンライン公開講座「弓道の真善美」(第2回)

昨日(第1回目)は「弓道を習い始めたきっかけ」「射法八節」をお送りしまし。

今回(第2回)は「弓具と的」についての説明です。

まずは弓具をご説明します。

≪弓と弦≫

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「弓」は1~2年の間は購入する必要はありません。理由は、強い弓(18キロ以上)は急に弾けませんし、練習するうちにどんどん筋力が付いてきます。道場に備品として何本か置いてありますから、自分が弾けるくらいより少し強い弓をお借りして練習を始めてください。「弦」は必需品ですのでセット購入してください。弦は消耗品です。「弦巻」も一緒に購入し、弦が切れたときにはすぐに交換できるように準備をします。

≪矢と弓≫

矢は甲矢(はや)と乙矢(おとや)の2種類あり、2本で一手(ひとて)と言います。

甲矢(はや):矢が前進した時に時計回りに回転するのが甲矢。

乙矢(おとや):甲矢の逆。

筈(はず):矢の末端の弦に番(つがえる)部分。矢を弦に止めるところですね。

鏃(矢尻=やじり):矢の先端についた金属部分。

≪弓≫

並寸(なみすん):(七尺三寸・全長221cm)身長が170cm以下の人

伸寸(のびすん):(七尺五寸・全長227cm)身長が170cm以上の人

4寸伸(よんすんのび):(伸び寸より長い)(七尺七寸・全長約233cm)です。

≪矢≫

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射法八節」の1番の動作「足踏み」の前に、足の広さは基準があり、それを決めるために、まず、自分の「矢束(やづか=矢の長さ)」を決めないと、8つの動きは始まりません。弓具店で自分の矢束(長さ)を言って加工してもらい、必要本数を作成してもらいます(練習用として8本位)。「矢」にはジュラルミン、カーボン、竹、とありますが、初心者は一番安くて丈夫なジュラルミンが良いかと思います。8本位購入します。

矢束は各人の腕の長さによって定まりますので、喉元から「筈(はず)」の先端と「矢尻(やじり)」の所まで広げた長さより5~6cm長くとった所を自分の矢の長さとします。この5~6cmが短いと「矢」を引き込んでしまった場合に矢の先端が弓から外れてバランスを崩し、とても危険です。ですから購入する場合の理想は、諸先輩の意見を聞きながら弓具店に同行してもらうと良いかと思います。

≪弽(ゆがけ)≫

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「弽」とは「弓」を引く際に右手を保護するための道具で、鹿革で作られています。使い始めたばかりの時には非常に硬く、弓を射る時に余計な力が入ってしまいます。使い込むことでご自身の手に馴染ませていく必要がある道具です。弽の中には白い「かけ袋」を着用し、汗で革が固くならないようにします。初心者の方は弓道場に置いてありますので自分の手に会うようなものを暫くの間は使うとよいと思います。大体3~4段位から自分の「かけ」を作ったり、購入したりします。弽は「三つかけ」と、強い弓を引く「四つかけ」の2種類があります。

 次に的と距離のお話しをしたいと思います。

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≪霞的(かすみまと)≫

標準的に審査を行う時にこの的を使います。大きさ(銅):36cm、中心(心臓):7.2cm 的までの距離:28m。

≪金的(きんてき)≫

大きさ(銅):9cmお祝い射会、新年社会などで使用 的までの距離:28m。

≪遠的(えんてき)≫

遠的用の霞的の大きさ(銅):100cm、中心部(心臓):7.2cm 的までの距離:60m。通常の引き方では到底届きません。弾道を描くような形で60m先の的に当てるようにします。

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以上が第2回で「弓具と的」についてお話しいただきました。明日第3回は今回の本題「弓道の真善美について」を投稿しますのでご期待ください。

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現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

12月10日に行われた第5回オンライン公開講座弓道の真善美」は『蕨ケーブルテレビWink』で本日1月14日(木)まで放送しています。ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方で第6回以降の視聴をご希望の方は是非オンライン公開講座にご参加ください。

第6回オンライン公開講座は本日1月14日(木)20時より当笑楽日塾塾生が「電動機と製鉄」と題して、世界一の製鉄所で活躍する世界最高性能の日本の電動機についてお話しします。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

第5回オンライン公開講座「弓道の真善美」(第1回)

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2020年12月10日(木)20時より、笑楽日塾の塾生が講師を務める第5回オンライン公開講座弓道の真善美」が開催され、日本人の精神文化に深い影響を与えた弓道の神髄について様々な角度から、スライドや動画を使って大変分かりやすくお話しくださいました。

以下は塾生による講演録ですが、今日(13日)から16日まで4回に分けて投稿しますので是非ご覧ください。

f:id:jiajiawarabi:20210111220250j:plain初めに私がなぜ弓道を習い始めたのか、弓道の履歴及び当時の映像をお見せしながら「射法八節」「弓具の説明」最後に「弓道の真善美」へ進みたいと思います。

なぜ弓道を始めたか。サラリーマン時代に所属していた情報システム部で、システムの入れ替えなどでは毎月100時間を超える残業と徹夜の繰り返しでした。精神的・肉体的にも疲れきっていたときに、出勤の途中、朝露に濡れて元気よく風に吹かれていた猫じゃらしを見つけ、自分に対して何か心にむなしさがわいてきました。『このままではだめだ、心に栄養が行き渡る何かをしなければ』と感じ、平成4年に蕨市の北町体育館3階にある蕨市弓道連盟に入会しました。

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入会したのは平成4年4月、45歳。ちょっと晩生の新人ですが、入会後半年は的に向かって矢を射ることは許されませんでした。理由はこれからお話しする「射法八節」や「所作」を理解し、淡々と動作が出来るまでは巻き藁と言って藁で出来た大きな的に向かい「行射」の練習をし、昇段試験も先生から『そろそろ受けなさい』と言われるまでは勝手に受けることは出来ません。許しを得ることが出来たら審査申込書に必要事項を記載し先生のコメントを添えて埼玉県弓道連盟に提出します。

審査での実技は基本5人1組で行い、一人矢を2本射ますが初段は2本当たらなくても「射義」が良ければ受かります。筆記試験もあります。三段からは着物着用になり矢を2本持って2本とも的に中てなければならなくなり「射義」の審査もだんだん厳しくなります。私は三段から四段になるまで4年ほどに経っておりますが、決して受講しなかったわけではなく、矢は2本中1本しか中らず合格できなかった時期がありました。

この間、蕨市弓道連盟の理事長や蕨市体育協会の理事長も務めさせていただき、蕨市弓道連盟の前会長や蕨市体育協会の前会長、現会長、行政の方、埼玉県弓道連盟の各市における弓道の会長、先生方からの弓道に関する技、精神などについていろいろ教えていただきました。弓道を習って本当に良かったなと感じており、勤務していた会社の外に多くの人達と巡り合い、交流できたことは自分にとって大きな宝になりました。

 次に弓の基本動作「射法八節」についてお話ししたいと思います。

射法八節を事細かに説明すると、とても時間が足りませんので詳細は割愛させていただきます。詳細をお知りになりたい方は公益財団法人全日本弓道連盟ホームページをご覧いただくか、北町体育館3階にあります蕨市弓道連盟を尋ねて見学させてもらうことをお勧めします。

射法八節

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一節 足踏み(あしぶみ):両足をしっかり支え、体は縦横十文字に整えます。

二節 同造り(どうづくり):弓を左膝におき、右手は右の腰にとります。

三節 弓構え(ゆがまえ):右手を弦にかけ、左手(手の内)を整えてから的を見ます。

四節 打起し(うちおこし):そのまま静かに両拳を同じ高さに持ちあげます。この時、腕で上げるのではなくしっかりと持ち上げていきます。この状態で、ここがしっかり決まると自分の場合は中ると感じておりました。

五節 引分け(ひきわけ):この状態から弓を左右に引分けていきます。矢は水平に下がっていきます。当然ながら左手と右手を平行に引いておりますので矢は自然と下がります。

六節 会(かい):心身が1つになり、矢の発射のタイミング(機)が熟すまで待ちます。大体11秒から15秒くらいです。意外と大変ですが「会」の状態では的と射手は一体となります。

七節 離れ(はなれ):胸廓(きょうかく)、胸を広く開いて矢を放ちます。「会」の状態で左右のバランスが良くても、離したときにバランスを崩すと矢は真っすぐに飛びません。大の字になるように水平に放します。弓は回転し、左手の甲に弦が当たります。弓を強く握りしめていると、初心者に多いのですが弦がそのまま左手の手首にあたり青アザを作ります。

八節 残身(残心)(ざんしん):射の総決算。矢が離れた時の姿勢をしばらく保ちます。この時左右の手が水平になっており、背筋が伸び、大きく大の字になっているのが理想です。バランスを崩した離れでは左右の手は水平を保てず、弓の左手に対して垂直に保たれているのが理想です。

 

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本日は第1回で「弓道を習い始めたきっかけ」「射法八節」についてお話しいただきました。明日の第2回目は「弓具の説明」と「的と的との距離について」です。

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現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

12月10日に行われた第5回オンライン公開講座弓道の真善美」は『蕨ケーブルテレビWink』で明日1月14日(木)まで放送しています。ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方で第6回以降の視聴をご希望の方は是非オンライン公開講座にご参加ください。

第6回オンライン公開講座は明日1月14日(木)20時より当笑楽日塾塾生が「電動機と製鉄」と題して、世界一の製鉄所で活躍する世界最高性能の日本の電動機についてお話しします。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

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