笑楽日塾の事件簿blog

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就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

第5回オンライン公開講座「弓道の真善美」(第4回)

弓道の真善美もいよいよ最終回(第4回目)になりました。オイゲン・ヘリゲル氏が書かれた本の紹介と、講演の最後に受講者の方々から質問をお受けしていますのでまとめてご紹介します。

 

≪「弓と善」の本をご紹介します≫

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「オイゲン・ヘリゲル」ドイツの哲学者が書いた本ですが、日本に来て数年間、弓を全身全霊で射る中で無心の体験することに弓道の奥義があると唱えた師に付いて、精神集中をするように技を深め、ついに無心の射を経験するまでの過程を整理して書した本です。考えるのをやめなさい。ヘリゲルが「自我を捨てて心を無にして的を射よ」と説く師の言葉に「善」の奥義を会得した本です。

 最後に東京中央審査特別演武の様子を映像で見ることが出来ますのでご紹介します。「三人一つ的射礼」と言って一つの的を3人で交互に弓を射る演武です。

https://www.youtube.com/watch?v=QzxsUB1M-6c

または、【弓道_8】 2013,11,8 【東京】定期中央審査 特別演武【kyudo】 で検索してください。

 ≪ 質 問 ≫

Q:一般の人からすると『弓道はちょっと敷居が高い』という感じもするのですが、少し身近なものにするために「弓」にまつわる慣用句2~3ご紹介いただけると幸いです。

A:それでは今のご質問に対しまして私の知っているところを3つほどご紹介したいと思います。皆さんがよくご存じの言葉に『光陰矢の如し』というのがありますが、意味は『時が経つのはとても速い』ということです。光陰の光は『日』陰は『月』、光陰で『月日』つまり時間を意味しています。時間は飛んでいく矢のように早いものだと言う例えです。次に『一矢を報いる』、敵の攻撃に対して矢を射返す。転じて自分に向けられた攻撃・避難などに対して大勢は変えられないまでも反撃・反論するという形の言葉です。最後に『手ぐすねを整える』という言葉の「くすね」は弓の弦に塗って弦を補強するものですが、十分な準備の下に『いざ来い』と、待ち構えている様子の例えです。

Q:45歳で弓道連盟に入会してから始めて、53歳で五段になられたとお聞きしました。三段まではトントンと3年くらいで昇段されましたが、三段から四段へはちょっと時間がかかっているようです。しかし、四段から五段には2年で、かなりのスピード昇段だと思います。ゴルフでもシングルクラスになるには相当な時間がかかるわけですが、振り返ってみて運動神経が人より優れていたとお考えでしょうか。

A:そういうことではなく、先生に恵まれて一生懸命教えていただいたからです。もちろん先輩方にも優しく教えていただきました。週4~5回は会社から帰宅後に北町体育館の道場に行き、最後のベルが鳴るまで1時間半くらい弾いていました。お休みの日は朝1番に行くと誰もいないので一人道場を貸し切った状態で結構楽しく練習した覚えがあります。

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Q:昇段試験は先ほど見た動画の演武のように5人一緒に行うのですか。

A:普通は5つの的に対して5人並び(持ち的)、蹲踞(そんきょ)して順番を待ち、1人ずつ立って矢を射ます。5番目の射手を「落ち」と言いますが、1人5分弱位かかりますので皆さん顔には出さないものの、立ち上がった時には『やっとか』という感じもありますね。

Q:お見せいただいた動画の演武が非常に美しかったのですが、足の運びは「お能」の一場面を見ているような感じで大変感銘しました。それから、左足から動き出していましたが、これは神道の作法と同じですね。(注:神棚に背を向けない。右足から前に進めると神棚に背を向けてしまう為)今日お話しいただいた「真・善・美」に大変感銘を受けました。どうもありがとうございました。

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A:動画では3人の演武でしたが、先ほど審査のお話しをしましたように、高段者になる程5人が同じ動作をしないと昇段が難しくなり、聞いた話では60人くらい受けて誰も受からないことがあったそうです。

Q:貴重なお話しありがとうございました。素朴な疑問ですが皆さん左手で弓を持たれて右手で矢を射っています。例えば右利きとか左利きとかの場合は逆になったりするのでしょうか。

A:それはありません。直させます。例えばギターなどは左利き用がありますが、弓の場合それは許されませんので直されます。なぜかというと審査する時に審査員から見ると後ろ姿になってしまうからです。

Q:始められるときに逆でやりたいと言われる方はおられますか。

A:初めて来たときに直されてしまいます。お箸と同じです。

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 最後に審査統一基準(五段以下)をご覧いただき、日本の伝統文化である「弓道の真善美」の講演録は終了です。

『真』の弓は偽らない(正射必中=正しい射法で射られた矢は必ず中る。)

『善』は平常心に宿る(敵がいるとしたら、揺らぎ、動揺する自分の心だ。)

『美』は『真』と『善』の結晶(正しい構え、正しい動作、それに内面の人格的向上が一体となった時、理想的な美しい弓が表現される。

『真・善・美』なんて素晴らしい言葉でしょう。

弓道が単なる的中(まとあて)のスポーツではなく「精神性の高いもの」と教えていただきました。そして楽しく有意義な1時間を過ごさせていただきましたことに感謝いたします。

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一昨日1月14日(木)に行われた第6回オンライン公開講座「電動機と製鉄」は『蕨ケーブルテレビWink』で放送されます。2月5日(金)~2月11日(木)の間ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方で第7回以降の視聴をご希望の方は是非オンライン公開講座にご参加ください。

また、第7回オンライン公開講座は2月11日(木)20時より当笑楽日塾塾生が「蕨の土地」と題して、蕨の土地の成り立ち、県南の地下水汲み上げによる地盤沈下、最近頻発する地震、水害との関連を分かりやすく解説してくださいます。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

次回は、第一回フィールドワーク(前編)です。

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