笑楽日塾の事件簿blog

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就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

第7回オンライン公開講座「蕨の土地」

f:id:jiajiawarabi:20210310132735j:plain2021年2月11日(木)第7回オンライン公開講座「蕨の土地』が開催されました。今回の講座は当笑楽日塾の塾生が蕨の土地の成り立ちと名前の由来について、40分間にわたり熱く解説してくださいました。また、ご自身で収集された様々な貴重な資料をスライドで見せていただき感謝感激です。講義内容の一部分ですが蕨の名前の由来を軸に抜粋してご紹介させていただきます。

 蕨とはシダ植物の落葉多年草であり「わらび、ぜんまい左巻き」と言われて親しまれた調(つき)(食料)のことです。また、日本全国には「蕨」という地名は76ヶ所あり、「蕨」を特産品としている市町村は27ヶ所にも上ります。

万葉集の中で、志貴皇子(しきのみこ)は「石(いは)ばしる 垂水(たるみ)の上(うへ)の さ蕨(わらび)の萌(も)え出ずる春に なりにけるかも」巻八(一四一八)と詩っています。これは「早春の雪が消えるか消えないかの頃に、蕨の芽を見た時の気持ち」を表したものとされています。

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「蕨」の名前はあらゆる分野で使われ、人の「姓」には蕨野や蕨内・蕨岡等その数は190ほどにもなっています。生活用具ではアイヌ民族の短刀の柄にあります「蕨手刀」をはじめ「家紋」「蕨釘」「蕨箒」など。食べ物では誰もが知る「蕨餅」や「蕨粉」「蕨飯」「蕨汁」「蕨飴」などですが、この他にも多く使われています。

長崎県五島列島福江市には蕨町というところがあり、公民館、郵便局、役場、学校など全てに蕨の名前が付いており、日本全国76ヶ所の「蕨」で行政がある「蕨」は埼玉県蕨市長崎県五島市蕨町の2ヶ所だけです。

日本列島の地名で特筆されることは北から南に至る各地でアイヌ語地名が見られることです。一例をあげると北海道の内浦湾や九州の志布志湾などがありますが、アイヌ民族は地球の寒暖周期に合わせて列島を縦断していたため、他にも至る所にアイヌ語地名が残っています。

蕨についてアイヌ語説からも考察してみると、荒川はアラベツといい、荒ぶる川との説ですが、アラは綺麗な、美しいという意味もあり、あらたか川、明美なる川とも解します。埼玉はトマ、タマと呼び、治水なき時代、溜り(タマリ)と呼び、溜池でした。また、カミラを和良と書き藁の生えた土地を意味します。武蔵の国には郡、郷も存在しない、一帯は「藁(アイヌ語でワッテシ)を集め加工した所」の意味です。

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「蕨」の地名は何時、何処で、誰が付けたのか。確たる文献は残っていないのですが、孝徳天皇による「大化改新の詔」発布まで遡ります。しかし、大化に関する原文は残っておらず元号すら確認されていません。8世紀に作られた「日本書紀」の中で、日本列島で行われた政治改革を知るのみです。

では、何が行われたのか。645年(大化元年)8月に「東国国司の詔」が発せられ、都から国司が派遣されました。翌年の646年(大化2年)に「大化改新の詔」が発せられ、その第二項で戸口(ここう)調査と田地調査が命じられています。『郡の大きさ、田地の大きさ、責任者の名前、戸数等を図面に記して報告するように』と命じたものです。また、郡や里の名前のない地域については『朝廷に申し出ろ、名前を付けてやる』というものでした。「二字の良い名前を付けろ」ということで、二字化政策も行われました。「武蔵」は、古事記には「牟邪志(むじゃし)」と書かれていましたが、この二次化政策により日本書紀では「武蔵」になりました。

語源は歴史上の要因も少なくないのですが、それ以上に地理的環境が大きな比重をしめています。地理とは地形、地質、植生、気象、習俗等のことです。

古代、人や地名の命名法はそのものずばりという表現が多く、しかも音をできるだけ短くするという特色もありました。

蕨の地名の由来ですが、この一帯の日当たりの良い所には蕨が群生しており、収穫後は朝廷に献上するための米や麦などの食糧と共に、現在のさいたま市浦和区蕨市の近く)にある「調神社」に集められました。なお、当時の月の宮神社は「調蔵(つきぐら)」で、武蔵の国の重要な食糧倉庫でした。

武蔵国北足立郡の中に戸数、即ち里(さと)の数は不明ですが、国造(くにのみやつこ)を通じて報告がなされたものの、地名が無かったと解するのが自然で、蕨が群生していた里なので「蕨郷」と命名されたのであろう。

 以上が笑楽日塾塾生による講演「蕨の名前の由来」のごく一部分ではありますがご紹介しました。

日本書紀万葉集大化の改新など昔学校で教わったデータを頭の隅っこから引っ張り出しながらお聞きしていましたが、いかんせんデータは古くて虫食い状態に壊されており修復不可能。今回の講義をお聞きしながらインストールし直しています。

蕨に住むようになって35年。それまで蕨の字を読むことが出来たか否かは覚えていませんが、書くことはもちろん出来ませんでした。蕨市以外にお住いの皆様は「蕨(ワラビ)」という漢字を書くことが出来ますでしょうか。

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蕨市には「蕨書き順Tシャツ」というものがあります。

このTシャツを企画したのはビッグフラッグのパイオニア「染太郎」さん『染太郎 | 蕨 楽しい生活新聞』で、蕨市は「市のブランド品」『蕨ブランド認定品|蕨市公式ウェブサイト』に認定し、市内のお祭りや各種イベントの定番アイテムです。このTシャツは毎年新しいデザインで販売され息の長い商品になりました。

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 現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

2月11日(木)に行われた第7回オンライン公開講座「蕨の土地」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で、3月11日(木)までウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回放送中です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方で第8回以降の視聴をご希望の方は是非オンライン公開講座にご参加ください。

また、第8回オンライン公開講座は3月11日(木)20時より当笑楽日塾塾生が「個人情報のはなし」と題して、知っているようで実はほとんど知られていない個人情報のはなしを分かりやすく解説してくださいます。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

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