笑楽日塾の事件簿blog

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就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

第5回オンライン公開講座「弓道の真善美」(第3回)

今日は前回・前々回に引き続き(第3回目)になりました。いよいよ今回の本題である「弓道の真善美について」のお話しですのでご期待ください。

なお、1回目からの続きになりますのでこちらも是非ご覧ください。

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弓道の真善美について

 ≪弓道の高い指標とは≫

弓道は、人生そのものに喩えられます。誰しもが最初は技術を磨き、的に沢山中ることを考え、上達することを目指します(私も初めはそうでした)。

しかし、上達するにつれて技術を学ぶだけではなく、自己の人格を磨くことが必要だと気付くようになります。心と技を一体とし、内面の価値を高め、人生を深く豊かなものにするために、弓道は高い指標『真・善・美』を掲げています。

≪『弓の心』『精神』『空』≫

道と名の付く剣道、柔道、弓道は、昔は戦争の道具や身を護る技でしたが、現在は大きく変わり、弓道は精神と技術が一体となり、「弓の心」とも言うべき、「精神」が前面に出てきました。

「弓の心」は既に射手の心の中に目を覚ましていると言われています。射手は自己過信もなければ、外部に対する誇示の意思もありません。「禅」や「仏教」ではありませんが、心は「空」なのです。

「的」は相手ではなく、「射手と的」は一体となっています。

≪「真」の弓は偽らない≫

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弓道」には「正射必中」という言葉がありますが、これは正しい射法で射られた矢は、必ず中るという意味です。

そして私たちは、「的」に中てるために正しい「射法」を目指して日々練習をします。

弓を射るということは、正しい射法を目指す、真の探求です。そして的は、私たちに自分が今行った「射」が正しいものであるかを教えてくれる素晴らしい先生なのです。

一射ごとに真を求める姿勢(すがた)、それこそが弓道です。

≪「真」とは≫

「矢」は「的」の中心を狙ったうえで正しい技術を講ずればまっすぐに飛行し、的の中心を射抜きます。これが「真」です。

狙いどころがちょっとでもずれる事があれば真でない技を講じたことであり、狙いを不正で的中させたとしても、これは誤魔化しであり、観る人が観れば分かってしまいます。

矢が「的」に中った音を聞くだけでその射が「真」であったことも高段者の方々は判ります。

≪「善」は、平常心に宿る≫

「弓」は、「争う」、「相手を憎む」、という考え方とは全く反対の世界で、弓の世界に敵はいません。いるとしたら、「揺らぎ」、「動揺」する自分の心が、敵なのです。

自分と向かい合い、心を養い、常に平常心でいられる心を作ることこそが弓道の本来の目的なのです。

また、弓道場では、お互いに親しみ、礼節を重んじることを大切にしています。

「礼節」を大切にし、「相手を慈しむ」ことこそ、弓道の基本精神なのです。

≪「平常心是道(これどう)」とは≫

「善」は平常心に宿るのですが、有名な話で中国宋の時代の禅僧で南泉(なんせん)和尚と趙州(じょうしゅう)和尚の会話で、南泉が「道(どう)とはどんなものですか」と尋ねると、趙州は「普段の心が道(どう)である」と答えたそうです。これは、一般に言われる「普段通りの心の状態」の意味ではなく、「日常の小さな行いもおろそかにしない心」を示しています。

真善美の「善」とは心・精神の安定、平常心が重要視されます。

品格の無い射、的中、賞品、段位に囚われては、心の安定は望めず、自分本来の射も行えず、当屋(あてや)、安易な的中、名誉を欲する邪心などで弾く射は感銘を受けず、その人の人生に至る人格にも表れますので注意が必要です。

≪「美」は「真」と「善」の結晶≫

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弓の世界では「美」は「真」の形と「善」の心が一体となった時に現れると言われています。

正しい構え、正しい動作、それに内面の人格的向上が一体となったとき、理想的な美しい弓が表現されるのです。

完成された美しい形を目指して努力する姿こそ、「日本の弓」特有の美しさの世界なのです。

≪真善美の「美」とは≫

弓道においての美しさとは何か、それは「真」で整えた姿、「善」での平常心と静かな心をもって謙虚に弓に取り組み、「射法八節」も含めて一射一射「真」と「善」を追求・体現しようとする姿勢を、他者が見て初めて美であると認識されるのだと思います。美は目指すものではなく、目指すべきは「真」や「善」であって、「真」や「善」に近づいていこうとする様が「美」であります。的は静止して動かない。28m先の的は安土(あづち)(土盛り)に置かれ静止して動きません。動かない的を狙い行射した結果、中ったか外れたかは問題ではありません。高段者から見ると射手が正しい射をしたか、物事に動じない不動心と淡々とした平常心で行射をしたかを見ています。正しい行射は見ていてとても感銘を受けます。

≪弓の真善美の最終目的≫

「道」と付く柔道、剣道、居合道弓道、空手道、茶道、華道、書道、合気道、相撲道等、これらの最終目的は何か。どれも初めは先生、講師から教わり、技を極める術の習得に始まりますが、そこを抜けるとおよそ道が付く。最終目的は心・精神修行であり、自分の人間性を高めることに行き着きます。

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以上が講演録の抜粋ですが、次回(明日の第4回)はオイゲン・ヘリゲル氏が書かれた本の紹介と、受講者の方から質問をお受けしましたのでご紹介します。

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 現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

昨日1月14日(木)に行われた第6回オンライン公開講座「電動機と製鉄」は『蕨ケーブルテレビWink』で放送されます。2月5日(金)~2月11日(木)の間ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方で第7回以降の視聴をご希望の方は是非オンライン公開講座にご参加ください。

第7回オンライン公開講座は2月11日(木)20時より当笑楽日塾塾生が「蕨の土地」と題して、蕨の土地の成り立ち、県南の地下水汲み上げによる地盤沈下、最近頻発する地震、水害との関連を分かりやすく解説してくださいます。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

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