笑楽日塾の事件簿blog

笑楽日塾の事件簿

就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

会報誌「笑楽日塾だより」シニアの風㉑

シニアの風も今回で21回目の投稿、31編目になりました。シニアの風には笑楽日塾塾生が硬軟様々な思いを書かれており、それぞれの多彩なお話しに敬服しっぱなし。

今回は「雪に思う」と題し、雪が降ることによって人々に与えてくれる様々な恵やロマンチックな情景、時には激しく牙をむき人命をも襲う悲劇などに対しての思いを書かれています。

この記事は3年前の笑楽日塾だより2021年2月号にコラムとして載ったものです。当時の時代背景をご考慮のうえお読みください。(塾生全員が持ち回りで書いています)。

 「雪に思う」

令和3年は、日本海地方では例年より雪が多いというニュースが報道されているようです。目新しいものでは関越自動車道北陸道の豪雪による自動車の立往生です。雪の威力をまざまざと見せられたという気がします。今でも記憶に残っているのは、小説や映画にも取り上げられた「八甲田雪中遭難事件」です。すぐ近くは有名な酸ヶ湯温泉で、夏山に登れば穏やかな丘陵となっているようですが、自然の猛威の物語として、現在にも語り継がれています。

また、たまたま、中年時代に春・夏の登山経験があり、熊除けの鈴を腰につけ昇り降りしたものです。この時、よく出合うのが山鹿でした。この子たちが雪の季節にはどのような暮らしをしているのだろうか?少し気になった想いがあります。これを見れば人間は贅沢だとの思いにさせられました。

雪の話題が少ない首都圏でも、2月ごろになれば、降雪の日が二回くらい見舞うようで、その時の天気予報やニュース報道と交通機関の慌ただしさは、雪国から見たらいかがなものだろうか?

世界的歌手アダモの「雪が降る」のようにロマンチックな情景を醸しだす雪もあれば、冬季スポーツの一喜一憂を与える楽しみな雪、自然の猛威を遺憾なく剝き出しにする雪もあり、その千変万化の姿は話題には事欠かない自然の宝物と思っています。

この写真は、2018年5月11日の日経新聞に掲載されたもので、「富士山に春告げる『農鳥』8号目山肌に出現」の記事です。

記事の内容は:富士山8合目付近の山肌に、春の訪れを告げる「農鳥」が出現した。残雪が頭を上にして飛んでいく鳥のように見え、地元では古くから田植えや農作業を始める時期の目安とされるという。

「農鳥」は、富士山の歴史を紹介した江戸時代後期の書物「隔掻録(かくそうろく)」にも記述があり、例年は4月下旬~5月中旬に現れる。晴れの日が続けば、1週間ほどで消えてしまうという。 (日経記事)

富士山の伏流水を水源とする湧水の「忍野八海」は余りにも有名で、数十年前訪れた時には、富士山とのコントラストに絶句するような日本の原風景そのもののような感動に浸った想いがあります。また、この時の説明では、「富士山の雪が100年後にこの忍野八海に湧水となってやってくる!」でした。その時は、物事の一つの例えでしょうが、上手く言いますね!でした。

一昨年、久しぶりに忍野八海を訪ねてみました。ビックリしました。もう往時の日本の原風景の面影は限りなく薄く、変わらないのは「富士の霊峰」と「湧水」だけのように感じました。

また「豪雪の年は豊作だ!」とも聞かされます。日本の農業の基盤は、まだ、「お米」と思っていますが、この米の栽培には「水」が命です。雪によって貯蔵された深山から栄養たっぷりの清水が、水稲を育みます。豪雪による雪害に気をもみながら、この占いのような「豪雪=豊作」が当たって欲しいです。

それから、生活圏に供給する水道水においても、雪の少ない年には、水道事業には心配のもととなり、供給が深刻化することも間々あるようです。雪の他に台風もダムの貯水には欠かせないようですが、令和2年度は台風の上陸がないので、今年の雪は豪雪地帯では大変でしょうが、首都圏には少しの恵みになるのではないでしょうか。

イラストは、「雪の結晶」です。きれいですね!零下の気温により多様に変化すると言いますが、世界で初めて人工雪を作ることに成功した、元北海道大学教授の中谷宇吉郎博士の「雪は天から送られた手紙である」も崇高な研究者ならではの言霊(ことだま)のようで、シンシンと音もなく降りてくる雪に想いを馳せる者です。

笑楽日塾の活動は下記ホームページに記載されていますのでご参照ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

 

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