笑楽日塾の事件簿blog

笑楽日塾の事件簿

就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

蕨の庚申塔(5)

前回に引き続き「笑楽日塾オンライン塾会」で発表された「蕨の庚申塔」です。

5回目の今回は、蕨市の中央部にある寺院1カ所で、庚申塔4基と馬頭観音1基をご紹介します。

⑥明治堂(正蔵院) 蕨市中央6 庚申塔4基と馬頭観音1基

供陀羅山正蔵院:真言宗豊山派、本尊は地蔵菩薩

蕨市立中央小学校の東側に位置しているが、入り口は狭い路地の奥にあるため分かり難く、探すのに一苦労。

参道に入ると左側の墓地前に5基の石塔が整然と並んでいます。

左端は馬頭観音で、中央の3基は駒形の青面金剛立像 合掌型六臂。右端は唐破風笠付角柱形の青面金剛立像 合掌型六臂。

※:1番手前 馬頭観音立像、慈悲相二臂

以前書きました三学院の馬頭観音の案内板には「頭上に馬を頂き、憤怒の形相をした菩薩」と書かれていたため大変恐ろしい形相を想像しましたが、ここでは優しいお顔の観音様でした。

小さいくてバランスがよく、一見民芸品のこけしのような感じに見えますが、指は馬口印(人差し指と薬指は折り、他の指を立てる)を結び、頭上にはお決まりの馬頭を乗せています(ちょんまげのように見えるのが馬頭です)。光背は右上に梵字の「カン」と、その下の文字は「馬頭観音為現世菩提也」と読むのでしょうか。光背左の年号の下に下蕨施主とあるそうですが、私には分かりませんでした。

※:2番目 青面金剛立像、合掌型六臂

特に上部は風化しているためはっきりしません。光背の右側には「奉供養庚申講中」左には年号、足の両脇には二鶏が線刻されているそうですが、これもはっきり見えません。足に踏まれた邪鬼はいないようですが、その下にくぼみを作り、くぼみの中には正面を向いた三猿が確認できます。

※:3番目 青面金剛立像、合掌型六臂

微笑んでいるようなお顔で、大変立派なものですが、白カビが多いのは残念です。

左手の下に「武州足立郡下蕨村、左に講中二十六人」とあるそうですが、確認はできません。二鶏はかすかに確認でき、足で踏まれた邪鬼ははっきり見えています。

邪鬼の下に彫られた三猿は風化したためかはっきりせず、特に中央の猿は削られてしまったのでしょうか、やはり見えません。

※:4番目 青面金剛立像、合掌型六臂

少し白カビも見えますが、ここの4基の中では一番きれいで、頭上にはターバン巻いたように蛇がとぐろを巻いています。右側には「奉供養庚申」がかろうじて見えます。

足元には二鶏と邪気、その下には三猿が見えています。

※:5番目 一番奥に唐破風笠付、青面金剛立像、合掌型六臂

入り口から見て一番奥に立派な唐破風笠付きで大型の角柱型庚申塔があります。合掌した腕はまともですが、他の二組の腕の付き方が変わっていて面白く、足の両側には二鶏らしきものが見え、足の下には邪鬼がいます。その下の台の正面には三猿が彫られていますが、かなり風化が進んでいます。

塔の両側面に彫られているのは「蓮の浮き彫り」というものだそうです。

前回に続き笑楽日塾オンライン塾会から庚申塔のお話の5回目。市内の庚申塔11カ所17基のうち1カ所4基と馬頭観音1基をご紹介しました。

ここの5基の石塔は全体的に白カビが見受けられましたが、今では様々な石材専用の洗浄剤などもあるようですので、この先綺麗になると良いですね。庚申塔は「誰でも気楽に見ることが出来る道端の文化財」と言われているとか。これからも大事にしていきたいものです。

なお、笑楽日塾の活動は下記ホームページに記載されていますのでご参照ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

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