笑楽日塾の事件簿blog

笑楽日塾の事件簿

就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

蕨の庚申塔(1) 

笑楽日塾ではコロナ過でも欠かすことなく毎月1回のペースでオンライン塾会を開催しています。それでは、オンラインで何をしているのか。答えは、塾生が交代で講師役を務め、ご自身のお考えや蓄積された知識を披露してくださっていることです。11月10日(木)は少々マニアックネタではありましたが「庚申待や庚申塔青面金剛」についての話がありました。

当人曰く、『8年前にひょんなことから庚申塔に出会ってしまい、身近なところで蕨の庚申塔を調べてみることにしました。調べるといっても既に先人たちが調べ尽くして、ネット上に様々な情報を公開していましたので、芭蕉が歌枕を探しに西行の後を辿った旅を気取り、市内をうろうろしただけでしたが。

また、ほとんどの庚申塔は見つけ易いところにあったため探すのに大して苦労はしなかったのですが、石塔に彫られている漢字は読み方が難しいのに加え風化が進み意味不明。ものによっては梵字まで登場する始末で、せっかく見つけても庚申塔の知識がないため「見つかった。良かった。」でおしまい。

8年後の今、またまたひょんなことから塾会で話すことになり、市内の庚申塔巡りをしながら急遽にわか勉強をおこなった。』とか。

今回はこの時の塾会報告を書いてみます。

≪庚申待ちと庚申の日≫

庚申待ちは江戸時代に全国津々浦々に広まり隆盛を誇った庶民信仰です。庚申の日に信仰する人々が一堂に集まり、夜通しでお祈りをしたり飲食に興じながら語り明かします。要するに一晩中起きていることが大事なのです。

道教では『人の体内に三匹の虫「三尸虫(さんしちゅう)」が棲んでいる』といわれています。この三尸虫は「人々が他人に知られたくないために隠している過去を知ることが出来、六十日毎に廻ってくる庚申の夜に、人が眠ると身体から抜け出して天に昇ります。その知られたくない過去の罪悪を天帝に告げることにより人々の生命が縮まると信じられていました。一説では、「犯した罪悪が天帝に知られなければ125歳まで生きられる」といわれる、人間本来の寿命を全うできないのは人の体内に棲んでいる三尸のせいで、常罪を監視しており、庚申の晩に隙を見て天に昇り天帝にその罪を報告するためです。

しかし、庚申の夜に寝なければ、三尸は体内から出ることができず、天に昇ることもない。したがって、庚申の日に身を謹んで徹夜をすれば、早死にを免れて長生きができるとされたことから始まったのが「庚申の日」に行われる「庚申待(こうしんまち)」という行事です。

そもそも庚申待ちという行事は一人で静かに夜明けを待っていたのですが、「講を作って大勢集まった方が楽しく起きていられる」ということで、幹事を決めて行うようになりました。

また、講を60回(10年間)連続して行ったときには、所願成就を記念して「庚申塔」や「庚申塚」が建てられました。

しかし、盛んだった庚申信仰も時代を経るにつれ次第に忘れられるようになっていきましたが、親睦会という形に変えて人々の集まりが続いている地域もあるようです。

今年も年末が近づいてきましたので、年賀状を書く時に来年の干支を確認される方も多いことと思います。

日本では「干支」を「えと」と言って、十二支『子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)、~』のことを示す場合が多いのですが、本来「干支(かんし)」は「十干(じっかん)」の『甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)・丁(てい)~』と「十二支(じゅうにし)」を組み合わせた言葉になります。

表のように十干と十二支を組み合わせると60通りの組み合わせが出来ますので、庚申の年は60年毎に回ってきます。また、庚申の日は60日ごとに回ってきますので基本的に1年間6日ありますが、端数が出る関係で年7日の年や年5日の年ができます。これらは、七日庚申とか五日庚申と言われ、7日庚申の年は豊作になり、5日庚申の年は凶作になると信じられていました。

庚申(音読み=こうしん)(訓読み=かのえさる)の年は表でもお分かりのように、干支の組み合わせでいうところの57番目で、最近といってもかなり以前ですが1980年が庚申の年に当たり、次回は2040年とのことでした。

ちなみに、今年(2022年)は39番目の「壬寅(音読み=じんいん)(訓読み=みずのえ・とら)」になります。

以上、庚申待ちと庚申の日をご紹介しましたが、三尸と天帝の関係などは中々ユニークな思考で、このユニークな信仰・ユニークな行事から、昔の人は生活の中に上手く信仰を取り入れて楽しんでいたのではないかと感じています。次回は庚申塔について考えてみます。

22日に5回目のワクチン接種(オミクロン株対応2価ワクチン)を行ってきました。翌23日には体温が少々上がったものの(0.8℃程度)他には特に異常なく済んだので一安堵。これから先あと何回接種することになるのかと考えると少々憂鬱になります。

なお、笑楽日塾の活動は下記ホームページに記載されていますのでご参照ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

span.author.vcard{ display:none; }