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就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

第10回オンライン公開講座「マンションの話題」4/4

オンライン公開講座「マンションの話題」も今回が最終回です。今回は聴講者様とのQ&Aなりますが、我が身のこととして熱の入った質問と、丁寧なお答えが飛び交っていました。

 ≪マンションが抱える二つの老いるショックその4:Q&A≫

Q:国土交通省がマンションを評価する基準を作り、資産価値の向上に役立てようとしているそうですが、その場合何が評価されるのでしょうか。

A:マンション管理適正評価制度のことで、マンションの管理状態をチェックするものです。管理が行き届いているとして高評価を得たマンションは、資産価値の向上や保険料率の見直しなどのメリットが受けられる可能性があります。

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Q:マンションの保険についてお伺いします。管理組合が掛けるマンション総合保険というものがありますが、特約の中に居住者の方の傷害や災害に対するものが含まれており掛け金が高くなっている。掛け金を低く抑えるためにマンションによっては、居住者に対する特約部分を外そうという動きが出ているそうです。マンション総合保険から居住者に対する特約部分が外された場合、居住者が個人として加入した方が良い保険を教えてください。

A:保険の話なので細かい内容は説明できませんが、大まかな話でご容赦ください。マンションの保険は、①火災保険 ②地震保険 ③施設所有管理者賠償責任保険 ④個人賠償責任保険 の4種類に大別されます。これまで多くのマンションは個人賠償責任保険に加入していましたが、建物も高齢化と共に漏水事故も増え、保険金(保険会社)の支払いが多大なものになってしまいました。保険会社はこれをカバーするために保険料の値上げが繰り返され、さらにこの先も予定されているようです。管理組合が個人賠償責任保険に加入するということは管理費から支払うお金が増えてしまいますので、管理組合としてはかなりの負担になってしまいました。このようなことでマンション総合保険から個人賠償責任保険を外す動きが増えています。

その場合マンションの区分所有者個人の対策として加入した方が良いと思われるものは、火災保険、地震保険、傷害保険、水害保険(漏水対策)で、これらに特化したものが良いかと思います。現在も個人賠償責任保険を付与しているマンションは多くありますが、管理費の負担から考えるとこれからは徐々に外されます。その場合は個人で加入されるのが良いかと思いますし、これからはそうなるものと思います。

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Q:今日の講演内容とは直接つながらないかも知れませんが蕨市の一市民として感じるのは、特に小さなマンションや賃貸マンション等のごみの出し方が雑になっているように思います。カラスが大喜びしている集積場が幾つかあります。マンションに限ったことではありませんが布団などの粗大ごみを平気で出している所もあります。市で発行している粗大ごみの券を購入し、貼って出さなければならないのに一般ごみとして出す人がいるためです。市役所の安全安心推進課環境係に出入りされておられるので詳しいと思うのですが、マンション管理士としてこのごみ処理についてどうお考えでしょうか。

A:市としては『あまりにも酷い所は文書で指導を行う』と言っていますが、実際にどこまで効果的なことを行っているかというとなかなか難しいのが現状だと思います。ごみの問題は蕨市だけでなくマンションがある埼玉県内全域の問題でもあり、マンション居住者他地域の住人全体で見守ることが大事です。言葉の問題があったり、自己中心主義の方がおられたりで、抑止力の効かない難しい問題ではあります。

ごみ問題に詳しい方やそこにお住まいの方・ごみを出される方の三者が一緒に取り組まなくてはならないのですが、行政がもっと文書を配布するなどしっかりとした指導をしてもらいたいものです。

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Q:最近テレビや新聞でSDGsに関する情報が入ってきており、特に子供たちが非常に熱心に取り組み始めていることが分かります。私達笑楽日塾では2年前に蕨市役所の安全安心推進課環境係と一緒になって『この問題を蕨から全国に発信しよう』と提案したことがありました。しかし残念ながら採択されませんでした。2年前と比べたらSDGsに関する国民の関心度は相当高くなっています。その中の一つがこのごみ問題でもっと広げるとマイクロプラスチックの問題等深い意味を込めてきます。出入りしている市役所の関係部署で『SDGsを真剣に地元蕨で取り上げよう』というような話を聞いたことはありますか。

A:あまり聞いていません。

Q:最近は蕨市も賃貸マンションなどの共同住宅が増えているように思います。これらは管理組合を作る必要はないでしょうから、管理者は誰になっているのでしょうか。

A:賃貸マンションの場合は所有者が管理者になります。分譲マンションの場合の管理者は区分所有者ですが、賃貸マンションは所有者が管理者になります。但し賃貸マンションの場合でも建築基準法には『所有者だけの責任』とは書いていません。建築基準法第8条に「建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。」と書いてあります。つまり努力義務を課せられていますので責任もあるということになります。民法との兼ね合いもありますが「借りているから全く責任はない」は通りません。

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Q:二つの老いるショックを抱えたなかでこれからもマンションの適正な管理をしていくというお話、分譲マンションに住んでいるものとして非常に興味深く聞かせていただきました。ありがとうございました。分譲マンションの管理組合側は、管理に関して素人が多いため役員のなり手がないといういろいろな問題がある中で『第三者の外部専門家に管理組合側の味方になっていただくため国交省が認可していく』というのは納得のいくお話で、今後検討する必要があるのではないかと思います。

一方で管理自体はいわゆる管理会社にほとんどお願いしている。言葉は悪いのですが、どう管理しているのかも見抜けない管理組合側があり、こちらにも問題があると思います。だからこそ第三者の外部専門家に見ていただくのでしょうけど、マンション管理の適正化法が改正されるにあたって管理会社自身がこれからどういう風に変わっていくべきなのか。あるいは良い管理会社の見極め方や見抜き方みたいなものがあればお聞きしたいと思います。

A:これは私の持論なのですが、管理会社を規模の大きさで選ばない事です。管理会社の規模の大きい小さいはあまり関係ないですね。大きくなるとその支店ごとに管理の方法で温度差が出てきます。しかし、小さい会社ですとそこで頑張ろうとするので良い面もあります。管理会社の良し悪しの見抜き方は、担当者が専門的な言葉を使って話して終わりにするところは駄目です。その言葉がどういう内容なのかを分かりやすく話してくれることが大事です。管理組合の役員さんに聞いて欲しいのは、説明してくれる管理会社の担当者が本当に理解して話しているか否かということです。管理会社を選ぶ場合、自分が分かっているから相手も分かっているだろうという立場で話してしまう担当者もいます。そこいら辺に気を付けてください。

 以上が「マンションの話題」4回目の質問コーナーでした。保険の話やSDGs・管理会社の選び方等、質問が非常に多彩なものになりましたが優しく丁寧にお答えしていただきました。

今回の講座はマンションが抱える問題を提起し、その解決方法を解説していただくという専門的なお話でした。マンション住まいの皆様にとっては大変有意義なお話で、これからの快適なマンションライフに役立つものと思います。

なお、かなり端折って書いていますので言葉足らずのところはご容赦ください。

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 現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

6月10日(木)に行われた第11回オンライン公開講座「蕨城主 渋川氏の話」は『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』で放送されます。7月2日(金)~7月8日(木)の間で、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方で第12回以降の視聴をご希望の方は是非オンライン公開講座にご参加ください。Zoomの参加ID番号は 817 2214 7316 です。

また、第12回オンライン公開講座は7月8日(木)20時より、先日叙勲され、【瑞宝小綬章】を受賞されました栗原秀人様が「水道の深~い話」と題して、多くの施設が地下にあるため意識されることの少ない下水道の、疫病対策や市内の浸水対策についてお話しくださいます。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

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