笑楽日塾の事件簿blog

笑楽日塾の事件簿

就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

第3回オンライン公開講座「江戸の大名庭園」

f:id:jiajiawarabi:20201019175433j:plain

2020年10月8日(木)20時から、我が笑楽日塾の塾生が講師を務める第3回オンライン公開講座「江戸の大名庭園」が開催され、江戸時代に作られた特別名勝六義園」を舞台に大名庭園の美の世界が紹介されました。

① まずは大名庭園の特徴です。

大名庭園の始まりは縄文時代からと言われ、江戸時代になると大名たちがこぞって江戸や国元で多くの庭園を造り始めたため、各地で庭園文化が開花しました。

一般的な大名庭園の形式は池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)で、庭園は将軍と良好な関係を保つ上で重要な社交場でした。また庭園は災害時の避難所にもなり、池の水は庶民の飲み水管理としても使われました。

日本庭園の種類・様式は、「池泉庭園(ちせんていえん)」、「枯山水(かれさんすい)」、「露地(茶庭)」の3つに分類され、池泉庭園とは自然の景色を凝縮して創られる庭園の様式で、山や川や海を配置して「水」という要素が取り入れているのが特徴です。

f:id:jiajiawarabi:20201019175556j:plain

今回取り上げる六義園は池泉回遊式庭園(ちせんかいゆうしきていえん)で、庭園の中心には『大泉水』と呼ばれる大きな池、池の中には小島、それらを結ぶ橋、周りには築山や休憩所・展望所・茶屋・東屋などが作られ、池の周りを回って楽しむ順路を定めて歩きながら鑑賞する庭園です。

江戸で大名庭園が発達すると参勤交代などで国元に帰った大名達によりその城下にも作られるようになり、さらに五街道が整備されると新たな庭園の情報や造園技術の向上が各地に伝わりました。代表的なものとして高松の栗林公園、岡山の後楽園、水戸の偕楽園、金沢の兼六園などがあります。

六義園特別名勝)を紹介します。

f:id:jiajiawarabi:20201019175700j:plain

六義園は東京都の文京区JR山手線駒込駅の近くにあり、この辺りは嘗て染井村と呼ばれ桜の代表『染井吉野』発祥の地でもあります。

六義園は五代将軍徳川綱吉の信任が厚く自らも和歌に造詣が深かった川越藩主柳澤吉保が、元禄15(1702)年に万葉の時代の人々も憧れた和歌の聖地、和歌山市和歌浦を模して作った和歌の趣味を基調とする『回遊式築山泉水』の大名庭園です。

六義園の設計は吉保本人によるものと伝えられ、庭園の完成までには7年超の歳月を要したこともあり、多忙の身であった吉保は現地に行くこともままならなかったため、作庭の進捗状況を絵にかいて江戸城まで運ばせたとの逸話も。

園内には『大泉水』の中や周りなど至る所に和歌浦周辺の名所(歌枕)をイメージしたものが作られ、片男波や妹山・背山、藤代峠などの名前が付けられています。

f:id:jiajiawarabi:20201019175818j:plain

六義園の名の由来は、紀貫之により執筆された『古今和歌集仮名序』に書かれている和歌6種類の様式『六義』にちなんだもので、吉保は『六義園』を『むくさのその』と呼んでいたそうです。

奈良時代歌人山部赤人』は神亀元年(724年)聖武天皇が初めて玉津島(紀州和歌浦)に行幸された折に随行し『若の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして鶴鳴き渡る《わかのうらに しほみちくれば かたをなみ あしへをさして たづなきわたる》(若の浦に潮が満ちてくると干潟が無くなるので、えさをついばんでいた鶴たちが葦の生えている岸辺に向かって、鳴きながら飛んで行くよ)』と詠んでいます。

六義園は明治11(1878)年に三菱の創業者である岩崎弥太郎の別邸となり、庭園の修復が行われ昭和13(1938)年に弥太郎の息子久弥が市民の観賞・休養の場として東京市(当時)に寄付されました。

③ 筆者も受講数日後に六義園を散策してきました。

コロナ禍に電車に乗ることは控えていたのですが、講義で学んだ六義園の魅力の誘惑には勝てず、取材にかこつけて電車に乗ってしまいました。

JR蕨駅から田端経由で駒込駅まで30分弱、駒込駅から六義園の正門までは徒歩7分。

f:id:jiajiawarabi:20201019180022j:plain

園内では講義の内容を思い出しながら回ったため、漠然と散策することなく、見るもの全て初めての気がしません。

『これが内庭大門で奥には枝垂れ桜が(時期外れで残念)』『大泉水の中には中の島があり、妹山と背山が見える』『水分石(みずわけいし)は紀の川上流を表現し、流れる水を3つに分けて流す石』。

講座の内容を思い出しながら進むと吹上浜からは絶景『蓬莱島』。吹上茶屋では抹茶セット(和菓子付)を頂けと言われていたな。藤代峠はつづら折りに作られた56段の石段を登ると園内で一番高い所。大泉水や紀川、中の島に架かる田鶴橋の眺望が最高。渡月橋は大きな2枚の石でできており、小さな子供は親の手をしっかり握りしめて渡っていました。

f:id:jiajiawarabi:20201019180107j:plain

脇道にも入ってうろうろしながらゆっくり回ったため所要時間は2時間強。歩数メーターは8,000歩の散策を楽しみ帰宅しました(11月後半ならハゼノキやモミジの紅葉が見られてもっと良かったかな)。

蛇足ですが、正門の向かい側はフレーベル館で、玄関前に置かれたアンパンマンの像は記念写真撮影の親子がひっきりなしで微笑ましい。私も子供が小さかった頃に一生懸命写真を撮っていたことを思い出しました。

今回の第3回オンライン公開講座「江戸の大名庭園」は『蕨ケーブルテレビWink』で放送します。
放送日時は11月6日(金)~11月12日(木)の間で、ウインクパラダイス10時~、及び20時~、の1日2回です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方で第4回以降の視聴をご希望の方は是非オンライン講座にご参加ください。

f:id:jiajiawarabi:20200719161052j:plain

現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催していますので、今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

また、第4回オンライン公開講座は11月12日(木)20時より当笑楽日塾塾長荒井貞夫が満を持して登場します。「鉄道のはじまり」と題して、幕末から明治への大激動の時代に近代日本発展の先駆けとなった鉄道の始まりについてお話しします(注:かなりの鉄道お宅です)。

なお、第5回以降のオンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

次回は第23回笑楽日塾定例塾会(オンライン)です。

≪ 重 要 ≫

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

span.author.vcard{ display:none; }