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就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

手漉き和紙の里探訪記(4/6)

手漉き和紙の里探訪記の4回目です。前回は全国の和紙の里を訪ねたお話をしてくださいました。今回は全国の和紙の里や工房・製品の紹介をしてくださいますが、少し長くなりますので、今回と次回の2回に分けて≪話題の紙里・和紙≫の前半をお送りします。

≪話題の紙里・和紙≫前半

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駿河柚野紙:白糸の滝⑯の近くには三椏の木と一緒に「三椏栽培記念碑」⑰という碑が建っています。この辺りは富士山の雪解け水が溶岩流の地下水となって湧出している所で、綺麗な水で三椏の栽培が行われています。幕末の頃に江戸へ運ばれた和紙は駿河半紙といわれていましたが、現在は駿河柚野紙として富士山が見える柴川町の紙漉き農家で漉かれています。綺麗な川の側には三椏を育てている栽培小屋⑱もあります。紙漉きには無縁だった方が埼玉県の小川他、全国の和紙の里で修行して開いたもので、2001年(平成13年)10月天皇、皇后両陛下が静岡県行幸の時に訪れてこの柚野紙をお買い上げになられています。

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信州松崎紙:農具川は東山低山帯仁科3湖(青木湖・中綱湖・木崎湖)を源として、北アルプスの清流高瀬川に合流します。松崎和紙は農具川を流れる良質な雪解け水と地場の豊富な原料を使い、一般農家などの冬期間の副業として紙すきの技術が伝承され発達しました。ここの水は鉄分が多くて紙が黒っぽくなるといいます。しかい、現在では日用品やインテリア用品として加工し、気軽に使っていただけるいろいろな和紙製品を作っています。都内のデパートなどで展示即売会等を行っている有名な紙で、拙著「和紙の里探訪記」の表紙⑲にも使っています。

白石和紙:宮城県白石市で漉かれる和紙で蔵王紙とも呼ばれ、紙布(しふ)、紙子(かみこ)の名産地として知られています。また、昭和18年終戦の2年前に遠藤忠雄さん(故人)を宮内庁の職員が訪れて、重要記録用紙50枚の注文を受けたとのこと。縦1m、横63cmの2号という厚紙の和紙でした。では何に使うのか、昭和20年8月15日の日本敗戦で終戦となり、同年9月2日東京湾に於いて戦艦ミズリー号の甲板で、日本敗戦調印式が行われました。日本の代表は重光外相と梅津参謀総長、相手は米軍のマッカーサー元帥で、この時の降伏文書用紙が白石和紙だといわれています。「何処にそんな証拠があるのだ!」といわれた時に「証拠は自分だ!」と答えたとか。確かに伝聞証拠ではありますが、漉いて納めた本人がいるから調印できたのです。その本人曰く「日本側の署名は筆字だから楮紙でも良いが、相手はサインに万円筆を使うので、楮で漉いた和紙では滲んで駄目になってしまう。そのたために雁皮紙にした。」とのこと。

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この話、筆者は信じるがどうしても解明したければ降伏文書を出してきて、C14年代測定(放射性炭素年代測定(ほうしゃせいたんそねんだいそくてい))をすれば、紙質も明らかになるはず。⑳白石和紙工房の全景です。

㉑先ほど紹介しましたが、信州松崎和紙工房の天井には原料をたくさん吊るしてあります。

㉒こちらは白石和紙の原料で楮の皮が山積されています。

㉓奈良の「お水取り」用の法衣(紙衣)で、白石和紙の紙布で作られています。保温に富み暖かい衣服です。

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㉔凧も和紙が良いですね。

信州の安曇野は天蚕の盛んな地で、桑の皮で漉いた逸品「有明和紙」があります。㉕は安曇野の天蚕を説明したもので、野放しになっている蚕が食べている木の皮を使って漉いたのが安曇野有明和紙です。

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また、安曇野戦災孤児を救うための共同生活を描いてヒットした、NHKのラジオドラマ「鐘の鳴る丘」の舞台となり、全国的に有名になったとんがり帽子の時計台があります。私も夕方になるとラジオにかじりついていましたが、このとんがり帽子の歌をご存じの方は私と同年代位になられるのでしょうか。また、特産品のワサビも有名ですね。

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㉖沖縄には芭蕉紙や月桃紙(げっとうし)などの「琉球紙」も良い紙です。那覇には飲むこともできる綺麗な湧水があり、ここで育った植物「月桃」の皮で漉いた和紙が月桃紙です。

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㉗前回お話ししました埼玉県川口市にある横曽根神社です。この横曽根神社には落し紙の資料が残っていますが、この神社で漉いていたわけではなく、周辺の川口、戸田、蕨の農家で漉いていました。

 

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「手漉き和紙の里探訪記」6回シリーズの4回目をご紹介しました。『天蚕(ヤママユガ)は「繊維のダイヤモンド」または「繊維の女王」と呼ばれ貴重な繊維を作る。ヤマコとも呼ばれて野山に生息し、クタギやコナラなどの葉を食べる日本の固有種で白いカイコ虫』。養蚕は知っていましたが、天蚕は初めて知りました。次回は≪話題の紙里・和紙≫の後半です。

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2月10日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第7回「地球温暖化とは何か」は、『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』のウインクパラダイスで、3月17日(木)まで1日2回(10時~、及び20時~)放送中です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第8回は3月10日(木)に、「頼朝と義経(栄光と確執)」と題し、笑楽日塾塾生が解説してくださいました。笑楽日塾のオンライン公開講座は今回で全て終了しましたが、最終回の模様は蕨ケーブルビジョン㈱のウインクパラダイスで4月8日~4月14日まで1日2回(10時~、及び20時~)放送されます。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれませんのでご承知おきください。

なお、笑楽日塾の活動は下記ホームページに記載されていますのでご参照ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

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