笑楽日塾の事件簿blog

笑楽日塾の事件簿

就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

シニアの風㉗マンション管理について

「シニアの風」も今回で27回目の投稿で37編目になりました。「シニアの風」は毎月発行している会報誌(笑楽日塾だより)の中の1部分で、塾生全員が輪番制。内容は自由で、自分の体験や趣味、思い、感じたこと、話したいこと等を書いて掲載しています。

今回は1級建築士マンション管理士の資格をお持ちのA氏が「マンション管理について」と題し、ご自身の体験について書かれています。

この記事は2年半前の笑楽日塾だより2021年12月号に載ったものです。当時の時代背景をご考慮のうえお読みください。

 

先般、私の顧問先のマンション管理組合の理事長(30代後半)から「Aさん、後継者を育てていますか? 30年の長期修繕計画も大事ですが、10年先が心配です。貴方の後を引き継ぐ方がいるのですか?・・・」と言われました。其処で同マンションの通常総会議案書の末尾に以下の報告を記述することになりました。

大規模修繕工事費予算について、長期修繕計画では令和3年度に実施計画としていましたが・・・略・・・今後は計画進捗に伴いその都度、一般区分所有者には情報を開示していきますので、ご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

*外部理事(顧問マンション管理士)の後継者について

マンション管理組合は規約の定めに基づき、総会にて「A顧問マンション管理士」が外部理事として管理組合の運営に関与しています。今般、長期修繕計画から当マンションは大規模修繕工事等の実施を計画しており、組合員の皆様には、より一層のご支援、ご協力、ご意見をいただくことになります。此れらの事業の遂行が当マンション管理組合にとっては大きな節目になります。現在、管理組合(区分所有者)としては引き続き当マンションの運営と事業継続を課せられております。特に建物の高齢化、区分所有者の高齢化の「二つの老い」による管理組合の適切な管理運営は年々厳しくなると想定され、今後も専門家の支援、助言は必要とされます。依って、管理組合としては「A顧問マンション管理士」が後継者への事業の停滞なきように事業継続の方策、方針を鑑みて管理運営の継承を要望しています。

マンション管理士の業務の定めはマンション管理適正法の第二条第五号に、「名称を用いて、専門的知識をもって、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、管理組合の管理者又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務とする者をいう」と定義されています。此れはマンション管理士には名称独占の資格は与えているが、業務独占の優位性は与えてはいないのです。即ちマンション管理士業とは「絶対的な信頼関係の基盤の上に成り立っている」と言っても過言ではない業務とも言えます。

マンション管理士の業務に人的な継続性は希薄に成りがちで、顧問先のマンション管理組合に其の業務をセフティゾーン内で指名した後継者にバトンタッチをする事は難しいと困惑しています。また独占業務が担保されている業種ではありません。故にその業務契約は、一般法人・NPO法人・連合体(グループ)・個人事務所と受託形態は様々です。然し組織としてマンション管理組合と業務を受託契約しているケースは少なく、実状は、個人の品格、品位、資質、力量、信頼性、その他等に委ねられて受託契約を締結している割合が一般的と言っても良いでしょう。マンション管理士だけでは有りませんが兎角、専門的有資格者には「お山の大将」的な自意識の強い方が多いと感じられます。その事は、私自身も同様であると自覚しています。更に私が知るマンション管理士の仲間を見ると、その方が経験してきた業界の特異性はあまり関係無く、経験した職域、職責、が色濃く滲み出てくるように感じます。(笑)

私の父は大工で戦前の丁稚奉公から一人前となり独り立ちした職人ですが、職人気質と言われている偏屈な頑固親父では無く。「男子厨房に入る。妻を愛でて大事にする。妻の言う事(我儘)を優先する。朝夕の食事はうまからずとも褒めて食うべし。」と広言する一見捌けている風な性格です。然し此れを隠れ蓑に私が子供の頃は、大宮~川口~池袋~韓国~台湾~と遊遊散歩していました。我が家は裕福ではありませんでしたが、貧しくも無く、何方かというと良い暮らしをしていたと子供心には映りました。確かに父は他人様の数倍も働き稼いだ事は間違いありませんが、あの仕事と遊びに掛けるバイタリティーは足元にも及びません。そしてそれらを全て受け止めた母も凄い女性でした。そんな家庭環境に育った私には、マンション管理士の仲間を見ると歯痒い思いがします。

「Aは建築士の資格を優位に業務受注している。管理組合に媚びている。マンション管理士の業務を商売としか考えていない。」その他諸々と言われます。然しその様な事を言う人ほど「棚から牡丹餅」を考えていながら、何らの準備も周到な計画して用意もしていません。棚から落ちてきた牡丹餅を受ける手段も無く、棚から牡丹餅を落とす工夫もしていないのです。又、その方達は此方から業務の手伝いを依頼すると「経験したことが無いから難しい」と言うのです。「何時?経験するの」と思いますが、一寸躊躇してしまいます。旧連合艦隊司令長官山本五十六の名言が過ります。「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」としても社会の経験を積んだマンション管理士の仲間に掛ける言葉が見つからない日々です。

 

笑楽日塾の活動は下記ホームページに記載されていますのでご参照ください。

 

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

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