笑楽日塾の事件簿blog

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就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

第2回フィールドワーク「蕨遺産めぐりツアー(塚越・南町)其の2」

4月14日投稿分①蕨駅東口開設記念碑・幕末の剣士冨田長吉道場之地の続きです。(リンクを貼る)

 ③ 塚越稲荷神社・機神社・定正寺・猿田彦大神碑(担当:塾生B氏)

≪塚越稲荷山定正寺観音堂

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昔、京都伏見稲荷の廻国<巡礼のために国々をまわること>の僧侶、玄快さんがこの地に草庵を建てて布教活動を行ったことが始まりと言われている。奈良時代には神仏習合<日本土着の神道と仏教信仰が入りまじり一つの信仰体系として再構成された>が始まり、江戸期になると真言宗稲荷山定正寺が別当寺として塚越稲荷神社の社務に当たり、神社を管理していた。その後明治元年(1868)に新政府が発した神仏分離令廃仏毀釈>で寺は衰退し、定正寺も明治4年(1871)に廃寺となって本堂はなくなり、その跡地には塚越稲荷神社会館が建っている。なお、寺持ちの観音堂はそのまま残されたが2011年の東北地震でダメージを受け、屋根(特に瓦)が壊れてしまったため改築され、2014年3月に落慶式が行われた。

≪塚越稲荷神社≫

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社殿の鎮座する丘は経塚で、玄快さんが法華経1万部を埋納し、その上に経塚を築いたことが塚越の地名の由来になったと言われている。経塚の上に建てられた塚越稲荷神社の創建年代は、明応年間(1492ー1501)又は貞享元年(1684)の二説ある。社殿は安政5年(1858)に焼失し、翌年再建されたもので現在蕨市内にある神社では一番古いもの。また、本殿(蕨市指定文化財)は一間社流造り、屋根はこけら葺きで、全体が赤色に塗装がされ、蟇股(かえるまた)・肘木(ひじき)の絵様などから、江戸時代中期の建築物だと思われる(本殿は毎月1日と15日に公開)。塚越稲荷神社は明治の合併施策<合祀>に際しても当時の人たちが『ここは塚越発祥の地だから』とそれを拒み、明治以降も独立した神社として残されている。(1859年再建)

経塚の正面には男坂と呼ばれる急勾配の石段があり、登りきると社殿が鎮座している。

≪塚越機神社≫

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二代目高橋新五郎は、信仰していた徳川家康<関東大権現>が夢の中に現れ『髙機渡世を営むべし』と告げられたことから機業を始めるきっかけとなり、従来の高機を改良した新高機を開発し、広く機業家の間に普及した。

機神社の前身は関東大権現社<徳川家康を祀ったもの>で、享保8年(1723)に神祇管領(じんぎかんれい)吉田家から授与された幣帛(へいはく)(蕨市指定文化財)が収められている(毎月1日と15日に写真のみ公開)。

関東大権現社には徳川家康座像と共に二代目新五郎座像・妻いせ座像(座像は全て蕨市指定文化財で、毎月1日と15日に写真のみ公開)が神像として祀られ、機神社と呼ばれるようになった。(2010年再建)

機神社における機まつりは嘉永5年(1852)頃から行われ、現在も毎年8月7日に式典が行われている。神社の鳥居〔嘉永5年(1852)建立〕には『機屋繁栄』の文字が刻まれ、扁額(へんがく)には『関東宮』の文字が残っている。尚、初代新五郎は綿糸商人。三代目新五郎は蕨の名産品ニタ子織を考案。四代目新五郎は大丸、三井、白木屋等に販路を広げる。五代目新五郎は東式機台を開発した。

猿田彦大神碑≫

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天照大神(あまてらすおおみかみ)は、孫の邇邇藝命(ににぎのみこと)に葦原の中つ国<神の住む世界と死者の世界の間=人間の住む世界>の統治を委任し、天降りを命じた(天孫降臨)。猿田彦(さるたひこ)は邇邇藝命を天上界から地上界への道案内をした神として神話に登場するが、さいの神、ちまたの神、あるいは道祖神ともされている。庚申待は道教の説く三尸説(さんしせつ)から始まり、後に僧侶の手により仏教<サルを神使とする山王信仰>と結びつき、さらに江戸時代になると神道(【さる】田彦)が習合して結びついた。猿田彦大神と彫られた石碑や庚申塔(こうしんとう)の石碑は沖縄を除く全国に存在し、村の辻や境界に置かれる道祖神として祀られた。塚越神社境内の猿田彦大神碑(蕨市指定文化財)も庚申信仰に基づいて造立されたが、近くの道ばたで道しるべ<東西南北揃った立派なもの>も兼ねていたものと思われる。(1816年再建)

 ※境内には上記ご紹介の他にも地元の方々の愛に満ちた手作り感満載のパワースポット他、見どころが沢山ありますので次回(4月21日)にご紹介します。

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本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

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