笑楽日塾の事件簿blog

笑楽日塾の事件簿

就労からリタイアした、又はリタイア間近な男性に読んでいただき、リタイア後も家にこもりきりにならないで社会と繋がりを持つための参考にしていただけたら嬉しく思います。

大豆ミート

2022年2月10日(木)20時より講師に蕨市内にお住いの岩田好廣さんをお迎えし、笑楽日塾 オンライン公開講座 PartⅡ第7回「加速する温暖化」が開催されました。

お話の中では最近の和牛ブームを取り上げ「牛を育てて1㎏の肉を作るのに穀物が20㎏必要だ」「20㎏の穀物を牛に食べさせ、育ててから1㎏の肉を食べるよりも、人間が穀物を直に食べたほうが大勢の胃袋を満たすことが出来る。」と言われていました。このようなことから「穀物の大豆で作った大豆ミートが商品化され、販売されている。」とも。

この話を家族にしたら早速スーパーマーケットで「水で戻してから調理するタイプ」の大豆ミートを購入。野菜と一緒に炒めてくれたので食べてみたものの味はいまいちで残念な結果。

この程度のものかと思っていましたが、先日ニッポンハム大豆ミートを使用した商品で「陳健一 四川辛口麻婆豆腐」というものが販売しており、これが大変美味しいとお聞きしました。まだ食べてはいませんが、スーパー巡りをして是非とも見つけたいもの。

またまたこのことを家内に話したら、今度はニッポンハム大豆ミート商品で「ナチュミートから揚げ」を買ってきてくれました。食べてみると私の馬鹿舌では鶏肉と遜色のない味で、これならいける。下手に調理した肉よりもこの方がよほどましと感じてしまうほど。

家内曰く「お店によってはによっては、大豆ミートの商品を集めたコーナーを作っているところもあるよ」とのこと。そこには大豆で作った牛肉・豚肉・鶏肉の代替品が販売されており、私が頭の中で考えていたよりも現実の社会はかなり進んでいるようです。

牛肉の消費量は食生活の向上により年々増え続け、昭和35年度には1人当たり約1kgだったものが40年後の平成12年度には7倍を超えて7.6kg。

豚肉は牛肉に比べて安価なため消費が増え続け、昭和35年度の1人当たり約1kgだったものが59年後の令和元年度は10倍以上の12.8kg。

鶏肉の消費も毎年増加を続け、昭和35年度の1人当たり約1kgだったものが59年後の令和元年度には14倍に近い13.9kg。鶏肉は牛肉や豚肉と比べるとより安価なうえ、ヘルシー食品としての人気も高く、平成24年度の消費量は豚肉を抜き日本で最も多く食べられる食肉になったとか。

冒頭の岩田さんのお話で「牛を育てて1㎏の肉を作るのに穀物が20㎏必要だ」と書きましたが、「餌の穀物を育てる等、牛を飼養するためには水が1万5千ℓ(1ℓのペットボトルで1万5千本分)必要」ともお話しされています。

日本は外国から食肉をたくさん輸入しています。1㎏の牛肉を輸入するということは水1万5千ℓも輸入していることになります。これは水の量に差異はあるものの輸入する食肉全てにいえることです。

日本は山間部が多く雨の量が豊富だから水の心配はないと思われがちですが、既に輸入食品として大変な量の水を輸入し、自国の水を使わないで済ませているのです。

※:食品だけにとどまらず材木等の植物も水を輸入していることになります。

「バカにできない?肉の生産で出る温室効果ガス」

東京新聞 TOKYO Web 2020年7月28日 18時30分(一部分を抜粋)によると

地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス。発電したり、車を運転したりなど工業分野での大量排出はイメージしやすいが、畜産や農業など食生活と密接に関わる分野を通じた排出も少なくはない。「地球異変・温暖化のはてな」の3回目は、豚肉と牛肉を例に、食肉を作るためにどれくらいの温室効果ガスを排出しているのかを解説する。(イラスト参照)。

豚肉を1キロ生産するのにCO2を7.8キロ排出しており、その内訳では、餌のトウモロコシや小麦の生産・輸送が30%、飼養管理に17%、ふん尿処理が50%。また、これとは別に小売店までの配送等で3.3キロ排出しているとか。

なお、牛が「ゲップ」で排出するメタンの量は豚肉の4倍で、国内で育てられた黒毛和牛の場合、骨付きの枝肉1キロ当たりの排出量がCO2換算で23.1キロとも。

大豆ミートから話を膨らましてみました。今は生活が豊かなために贅沢な食事も可能になりましたが、「食べ物は大切に無駄なく食べ、食品ロスをなくする。」「お肉はできるだけ大豆ミート等に代えて、穀物を大勢の人が食べられるようにする。」これが大事だと思います。

私たちの生活が豊かになるということは、地球環境の犠牲の上に成り立っています。食品ロスを減らすために「購入する商品はなるべく賞味期限切れの近いものを優先し、お店や製造元が廃棄しないで済むようにすること。」賞味期限切れの近いものは、お財布にも優しくなりますしね。

最後に大豆ミート地球温暖化対策にも役立ちますよ」ということでした。SDGs 17の目標 2.飢餓をゼロに 12.つくる責任 つかう責任 13.気候変動に具体的な対策を。

笑楽日塾の活動は下記ホームページに記載されていますのでご参照ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

広報WARABIに先崎 隆さんが載る

蕨市で毎月発行される広報誌「広報WARABI」4月号に笑楽日塾の塾生が紹介されました。「輝いています ひと」欄に、「つながるバンク工作講師 先崎隆さん ものづくりの楽しさを伝えたい」とのキャッチで、紹介されたもの。

木の実を使ったジオラマクリスマスリース。木と釘の迷路に紙電車。そんな手作りの暖かみある工作教室を、公民館や福祉施設などで開催しているのが先崎隆さんです(出典:広報WARABI 2022年4月号より抜粋)。

https://www.city.warabi.saitama.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/008/327/202204honshi.pdf

先崎さんは当笑楽日塾の塾生(世話役さん)であるとともに、記事内でも紹介されているように、市内の小学校で子供たちの育成活動をしている事業「放課後子ども教室」や「土曜塾」のスタッフにも加わっておられます。放課後子ども教室や土曜塾のことは、リーダーとして活躍されている笑楽日塾塾生の新井邦夫さんが詳しくご紹介してくださいましたのでご覧ください(6回に分けて投稿しています)。

また、蕨駅開業120周年を機に始まった「わらてつまつり(蕨市で毎年7月に行われる鉄道祭り)」のイベント担当としても大活躍されています。しかし、残念ながら一昨年と昨年に続き今年も中止が決定したようです。

 

なお、先崎さんの多彩な趣味の中には「庭園めぐり」があります。当笑楽日塾のオンライン公開講座では3番バッターとして登場して「江戸の大名庭園」と題し、日本庭園の様式「池泉庭園(ちせんていえん)」、「枯山水(かれさんすい)」、「露地(茶庭)」について解説してくださいました。

≪広報誌を見た塾生の感想≫

『それにしても広報誌に笑楽日塾・塾生の人達の掲載がなんと多いことか。「輝いている人」がそろっているということですね。』

『輝いている集団笑楽日塾』嬉しいですね。

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花まつり

既に過ぎてしまいましたが4月8日(金)はお釈迦様の誕生日「花まつり」でした。

花まつりはもともと灌仏会とか仏生会降誕会などともと呼ばれ、お釈迦様の生誕をお祝いすることと子供達の健康を祈る仏教行事のこと。

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お花で飾った小さな御堂「花御堂(はなみどう)」を作り、御堂の中の桶には甘茶を満たし、お釈迦様が右手で天を指し左手で大地を指した誕生時をかたどった彫像、誕生仏(たんじょうぶつ)を安置します。

桶の中から柄杓ですくった甘茶を3回お釈迦様にそそぎ、子供たちの健康を祈ります。

花御堂はお釈迦様が生まれたルンピニ園の花園を模したもので、甘茶をそそぐのは「お釈迦さま誕生の時に、9匹の竜が天から甘い水を産湯としてそそいだ」という説があるそうです。

今では甘茶のことをご存じない方も多いでしょう。甘茶とはアマチャの木から作られた、独特な甘さのあるお茶のこと。

≪アマギアマチャ≫

アマチャの木は自生しているもので、葉をかむと少し甘味を感じられるそうです。有名なのは伊豆の山に生えるアマチャの木で、ここの木は特に甘みが多いことから峠の名前を甘木峠と呼んでいました。甘木峠がいつの頃から転じて天城峠という地名になったとか。

≪蕨の花まつり

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蕨市内でも以前は幾つかのお寺さんでお祝いしていたようですが、今では塚越稲荷神社内の定正寺観音堂で行われているのみ。

私も嘗ては毎年伺っていたものの、一昨年と昨年はコロナを警戒してすっかりご無沙汰。

定正寺では「一昨年はさすがに中止したが昨年は行った」とお聞きしましたので、今年は思い切って私も参加してきました。平日の昼間ということに加え自粛されている方もおられたのか混雑することもなく、適度な人出でしたので今のコロナ禍でも安心です。

比べるのは如何なものかと思うものの、キリストの誕生を祝うクリスマスに比べて派手さはありません。まったりと過ごせた楽しいひと時で、今年参加されなかった方には来年こそ是非お勧めします。

お接待の方も奮闘されており、花祭りの謂れなどをお話しいただくのも楽しいですよ。お釈迦様に甘茶をそそぐ作法も親切に教えてくださいますが、特に厳格なものではないようです。

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私もお釈迦様に甘茶をそそいで、子供たちの健康の他に世界平和やコロナ退散、笑楽日塾の繁栄等を欲張ってお願いしてきました。

お釈迦様は生まれてすぐに歩き始め、右手は天を、左手は地を指さし天上天下唯我独尊」と唱えたそうです。

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写真は撮り忘れてしまいましたが、花御堂の手前には緋毛氈が敷かれた床几台が置かれ、私も腰かけて甘茶とお菓子をいただいてきました。

来年はコロナを気にすることなくお参りできるといいですね。

なお、笑楽日塾の活動は下記ホームページに記載されていますのでご参照ください。

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SDGs過去の記事

当ブログの 「加速する温暖化(5回シリーズ)」は13日で終了しましたが、最近はSDGsという存在が世間に幅広く知れ渡ってきたため好評を得ることが出来ました。

 

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朝日新聞デジタル2022年2月28日21時00分によると、

SDGsという言葉を聞いたことがある人が76%に達し、そのうち60%の人が関心を持っていることが、朝日新聞社が行った認知度調査で明らかになった。調査は2021年12月に全国の5千人からインターネットで回答を得た。今回で8回目となるが、SDGsについて聞いたことがあると答えた人は前回(20年)の46%から30ポイントも増えた。様々なメディアで取り上げられる機会が増えたことが、背景にあると考えられる。』

と紹介されています。

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笑楽日塾では過去にもSDGsに関係したオンライン公開講座を2回開催しています。

 

1回目は2021年7月8日(木)講師に下水道の専門家 栗原秀人様をお迎えし、下水道の歴史や各地で取り組みが進んでいる「下水の再生と活用」「下水からコロナを検出し流行とその収束を予知する技術」など、私たちの暮らしを支える「下水道の深~い話」を解説してくださいました。その中からごく一部分ですが御紹介しています(8月11日のブログに投稿)。

 

2回目は2021年9月9日(木)「埼玉県地域デビュー楽しみ隊」の隊員であり「つるがしま緑のカーテン市民実行委員会(愛称:みどりかぜ)」の代表でもあります、鳩山町の前田則義様をお迎えし「地球にやさしい緑のカーテン(10月20日から3回に分けてブログに投稿)」を開催しました。

 

なお、前田様にはオンライン公開講座とは別に2019年10月6日(日)蕨市の旭町公民館に於いて「私たちの暮らしと地球温暖化」と題し、地球温暖化に関する問題点をお話ししていただきましたのでご紹介します。(2021年12月8日から8回に分けてブログに投稿)

以上が過去記事のご紹介ですが、地球環境の改善に少しでもお役に立ちたいと願っております。笑楽日塾には様々な経験をお持ちの方がおられますので、これからも多様な視点でSDGsに取り組みたいと考えています。

 

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加速する温暖化(5/5)

これから先私たちに何ができるのでしょうか。カーボンニュートラルや、環境型経済。私たちが取り組まなくてはならない問題をお話してくださいます。

≪何ができるのか≫

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それでは一体我々に何ができるのか。最近はカーボンニュートラルという言葉をよく耳にすると思います。これは「CO2の排出量をゼロにする」という事です。とはいっても実際に排出量をゼロにすることは絶対に出来ないので、今まで排出してきたものを減らしたり、海や森林などに吸収させてプラスマイナスをイーブンにする。このことを「ゼロにする」といっているのです。ということでCO2の排出を少なくする努力と、いかに多く回収するかが大切な問題で、「CO2をエネルギーにしよう」とか、「CO2を集めて地下に埋めよう」という動きが出てきました。

プラスマイナスゼロで実質ゼロにしましょうというのがカーボンニュートラルの世界なのです。

≪CO2を排出しない≫

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本当はCO2を排出しないのが一番の解決策になります。火力発電から太陽光発電水力発電風力発電に変えることが重要になり、九州では海上に設置した風力発電も稼働し始めています。日本は山間部が多く降雨量も多いので、この水を使った水力発電が有望だといわれています。しかし、規模が大きい分お金もかかってしまいます。そこで現在は「下水でもできる発電」が浮上しています。写真のようにU字溝に取り付ける小さな発電も開発されており、将来的に期待したいものです。

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今後我々が取り組んでいかなければならないのが循環型経済になります。ごみという概念をを無くし、物を循環させるという考え方が「LOOP社会」といわれています。アメリカのLOOPという会社では容器 の中身だけを売り、容器は回収しに来る販売方法です。日本でも昔は牛乳瓶やビール瓶などがそうでしたが、今では容器をもっとお洒落なものにして利用者が飛びつきやすくするという企業が出てきました。このようなことが我々のできる選択肢になるのではないかと思います。

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ガラスのリサイクル量は大変多くありますので、これを再利用しないとリサイクルは成立しません。ごみを回収する時にリサイクルできる瓶とできない瓶を分別しておくことが必要になります。このようにしてエネルギーの無駄を最小限にしていくことは市民一人ひとりの意識にかかってきます。

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もう一つは皆さん既に実践されていると思いますが、レジ袋を止めてエコバックを使うことです。私はエコバックを持っていない時にはポケットにそのまま入れて持ち帰り、なるべくレジ袋は貰わないようにしています。

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最近は量り売りもあちこちで行われるようになり、無駄な容器を使わないために量り売りが利用され始めました。またお酒の量り売りもあるそうですので、そういうものを活用すると良いと思います。

我々に出来ることをする。あるいは良いことだと思ったら行動する。このようなことが温暖化に対しての行動変容をするうえで重要な事と思っています。

これからも自分たちに何が出来るのかを皆さんと一緒に考え、一緒に行動変容出来たら嬉しく思います。

本日は以上です。ご清聴ありがとうございました。

≪Q&A≫

Q:貴重なお話お頂きありがとうございました。私の知らない単語を数多く教えていただき、びっくりしております。

岩田さんには本講座PartⅡの4回目に「箸のマナー」についてお話していただきました。

今夜は全く違う分野のお話でしたのでお聞きしたいのですが、この幅広い知識はどこで学ばれたのでしょうか。大学でこのような分野を専攻されたのでしょうか。

A:私は好奇心が強い方なので何時も「なんでだろう?」と思って調べ、その答えはネタ帳などにまとめてみたりしています。なお、大学では物理学を専攻し、社会人になってからは原子力発電の原子炉設計をしていました。その後転職し、今の仕事は人材育成のために心理学などを駆使したり、時代にマッチした組織の変容のセミナーを専門に行っており、箸や地球の温暖化とは全く別のジャンルになります。

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「下水でもできる発電」は楽しみですね。さらに進化して、家庭からの排水で自宅の電力を賄う時代が来たら最高です。本日のブログで前半にもありましたが、日本は山間部が多く水は豊富にあります。これを利用しない手はないですよね。「SDGs」全人類の課題です。他所の国と戦争をして国土を破壊している場合ではない。

「加速する温暖化」は今回で完結です。岩田様ありがとうございました。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第8回は3月10日(木)に、「頼朝と義経(栄光と確執)」と題し、笑楽日塾塾生が解説してくださいました。笑楽日塾のオンライン公開講座は今回で全て終了しましたが、最終回の模様は蕨ケーブルビジョン㈱のウインクパラダイスで4月8日~4月14日まで1日2回(10時~、及び20時~)放送されます。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれませんのでご承知おきください。

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加速する温暖化(4/5)

加速する温暖化の4回目です。最悪なシナリオ そして私たちは何をすべきかを考えてみましょう。本当に最悪のシナリオ通りになったら怖すぎます。(前回のリンクを貼る)

≪最悪なシナリオ そして私たちは何をすべきか≫

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写真一番上は第一段階なのですが、北極の氷が解け始めています。本来氷は白いので太陽光を反射して地球の表面を温まり難くしています。しかし、氷が解け始めると地表から白い部分が無くなるため、輻射熱が吸収され始め、さらに北極の氷も徐々に減っていきます。ただし、北極の氷はほとんどが海中にあるため、単に氷が解けるだけで海水面の上昇はありません。お酒を飲まれる方はお分かりと思いますが、コップの中に氷とお酒を入れた後に氷が解けてもコップからお酒がこぼれることはありません。氷が解けても体積が変わらないからです。北極に大陸はありませんので、コップの中の氷が解けるのと同じ状態で海水面の上昇にはならないのです。今、北極の氷が解けている原因は、暖められた海水が氷の下に流れ込んで、その暖かい海水の熱で氷が解けているといわれています。

第二段階はシベリアの永久凍土が解けだす問題です。本ブログの前々回で2回目(2/5)に永久凍土が解けてメタンガスが排出され、温暖化が加速されると言いましたが、この写真の場合はメタンガスが地下で膨張し「メタンガス爆発」を起こして地表に穴が開いています。穴の横には小さくて見難いのですが、人が写っていますのでこの穴の大きさを想像してください。穴は巨大なクレーターに見えますが、実は地下のメタンガスが爆発して下から噴き出したために開いた穴なのです。シベリアの各地ではこのような爆発の穴が17個見つかっており、大量のメタンガスが排出されたものと考えられます。さらに、前々回(2/5)にお話しました未知のウイルス「モリウイルス」も出てくるのではないかと危惧されています。

第三段階で、北半球の変化が南半球まで波及してくると、赤道近くにある南米のアマゾンやアフリカの熱帯雨林で高温と乾燥により火災が起き、樹木が焼失して草原地帯になってしまいます。すると、森で蓄えられていたCO2が一気に排出される他、森林がなくなりますのでCO2の吸収源もなくなります。

第四段階で最後の段階になります。今度は南極の氷が解け始め、棚氷が海中に下りてくるわけで、これが起きると大変なことになります。どういうことかといいますと、陸の上にあった氷が海の中に落ちるという事で、海水面の上昇が始まります。どんどん南極の氷が解けて海中に落ち込み海水面が上昇してくると、各地で標高の低い所から海水で埋まり始め、東京の半分は水没してしまいます。当然私たちの住んでいる蕨も海水で埋まることになります。また、熱波の影響でアスファルトも溶けてしまうことが考えられ、このような状況になることが最悪なシナリオになります。

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私たちが今考えなくてはならないことに、アインシュタインの言葉があります「悪い行いをする者が世界を滅ぼすのではない。それを目にしながら何もしない者達が滅ぼすのだ。」と言っています。我々は今地球温暖化に向けて、一人ひとりが「良く分からないな」「俺たちはどうせ先が短いから」と言っているのではなく、自身の行動変容をしなくてはなりません。自分たちが行動変容をすることによって孫たちの未来に綺麗な地球を残しておく、孫が私たちの行動を見ることによって学習する。このような行動変容が必要なのではないかと思っています。

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イギリスのバーナード・ショーという有名な劇作家は「人類同胞に対する最大の罪は、彼らを憎むことではなく、無関心であることだ。それこそ非人間性の本質である。」と書いています。無関心であるという事が悪いことであると言っていますが、ようするに「難しいからもういいや」「分かんない」と言って無関心になりがちです。しかし、一つひとつ自分で出来ることを考えていくと、何かできることが思い浮かぶのではないかと思っています。

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今までのお話をまとめますと、化石燃料を使って発電をしたり、車を走らせて豊な生活を享受し、その結果人口爆発が起きる。そしてプラスチックごみが増加しててCO2も増える。CO2が増えると気温が上昇して北極や南極の氷が解け、空気中の水蒸気が増加し熱帯雨林が消滅してしまう。このようなサイクルの中で私たちが出来ることは「CO2を増やさないようにする」「増えたCO2をどうやって回収するか」これらが大きな役割をになっています。増えたCO2を回収することは個人では難しいため、大企業や国にお願いするしかありません。しかし「CO2を出さない」「出す量を減らす」というのは我々一人ひとりが行わなくてはいけない問題です。

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最悪のシナリオは御免被りたいもの。 「悪い行いをする者が世界を滅ぼすのではない。それを目にしながら何もしない者達が滅ぼすのだ。」アインシュタイン。「人類同胞に対する最大の罪は、彼らを憎むことではなく、無関心であることだ。それこそ非人間性の本質である。」バーナード・ショー。素晴らしい言葉ですね。しかし、悲しいことに我々がこれを出来ないからこの言葉が素晴らしく思えるのでしょうね。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第8回は3月10日(木)に、「頼朝と義経(栄光と確執)」と題し、笑楽日塾塾生が解説してくださいました。笑楽日塾のオンライン公開講座は今回で全て終了しましたが、最終回の模様は蕨ケーブルビジョン㈱のウインクパラダイスで4月8日~4月14日まで1日2回(10時~、及び20時~)放送されます。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれませんのでご承知おきください。

なお、笑楽日塾の活動は下記ホームページに記載されていますのでご参照ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

加速する温暖化(3/5)

加速する温暖化の3回目です。地球温暖化の原因を作ったものは何か。CO2の排出量はなぜ増えてしまったのか。考えさせられます。(前回のリンクを貼る)

≪地球を変えてしまったもの≫

そんな中で地球を変えてしまったものは何か。それは先ほどからお話しているCO2で、2018年の年間排出量は全世界で334億トンになりました。自然エネルギーなども含めてみると大体同じくらいだと思っていますが、先ほど(前回投稿分)お話しましたように地球がCO2を吸収できるのは60億トンですので334億トンのほとんどが回収できていません。

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なんでこんなにもCO2を出しているのか、それは、皆さんご存じのように発電などに化石燃料を使っているからです。多くの国の人々は化石燃料を使った発電を批判しながら、そこで作られた電力を使って豊かな生活しているのです。国別の発電によるCO2排出量はというと、ダントツに多いのが中国で38億トンを出しています。次にアメリカ、インド、日本の順になっています。

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日本の排出量は4億トンで中国の1/10しかないのに、他国からは様々な批判を浴びています。なぜかというと、「間接排出量」というものの見方があるためです。「エネルギーを使ってCO2を排出しながら発電し、その電力の供給を受けて工場で商品を作る。作られた商品は家庭で様々な便利な道具として使われている」ということです。

発電所では直接CO2を排出しながらエネルギー(電力)を作り、作られた分のエネルギーを必要としている人たちに割り当てる。つまり、発電した電気を使う人たちがいなければ当然発電はしません。使う人たちがいて、その人たちが必要だから発電をするわけです。

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それでは「そのエネルギーを使った人たちに割り当ててみようよ」というのが間接排出量の考え方です。その結果中国の場合は直接排出量がすごく多いのですが、排出したCO2を人口で割るとかなり少なくなります。つまり人口10億4千万で割ると間接排出量の順位はかなり下の方になります。日本はCO2排出量が少ないといっていましたが、一人当たりの間接排出量は3位に跳ね上がってしまいます。1番多いのはアメリカで2番がロシア、日本は3番目になってしまい、私たちは多くのエネルギーを使いながら豊かな生活を享受していることになります。

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発電の次には自動車で、1台当たりのCO2排出量はそんなに多くはないのですが、世界中には大変多くの自動車がが走っているため大量のCO2が排出されることになります。アメリカは広大な国土の中を車が2億8千万台走っています。日本は面積が狭く人口が少ないにもかかわらず、自動車の台数は7千8百万台で世界第3位の所有国です。今では「排気ガスを大量に排出している自動車そのものを減らそう」という動きが活発になり、電気自動車の開発が進められています。とはいっても一番排出しているのはやはり火力発電で、次が自動車になるため火力発電を無視することはできません。

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工業の話は身近ではないため、少し自分たちの生活感とはずれてくるかもしれません。もっと身近なところに「人口爆発」の問題があります。日本は人口減少が始まっていますが、世界的に見ると2050年には人口が100億人になるという試算もあります。中国では人口が少なくなってきているものの、インド、ブラジル他アフリカ諸国などではこれからも人口が増え続けます。人間もCO2を排出していますので人口爆発が始まるとCO2も増えていきます。また、人口が増えることによって食糧問題がクローズアップされ食糧の確保に奔走することになります。水の問題もあります。日本は水が豊かな国ですが、海外では水の確保に大変な苦労をする国も現れます。地球規模で見ると人口爆発が止まらないといわれていますが、そんな中でも何か解決する方法を見つけなくてはいけないということです。

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もう一つ大きくクローズアップされているのがプラスチックごみです。プラスチックごみ自体を減らそうという動きが大変重要になります。石油から製造されるプラスチックは1960年には200万トンしかなかったのに、2015年には83億トンに増えています。このプラスチックのリサイクルはたったの9%しかできていません。焼却はしたくてもCO2を排出するため12%位しか燃やせないのが現実です。そのため埋立ごみとして廃棄されるのが約80%あり、今はこれが大きな問題になっています。

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昔の日本は夢の島などがあり、国内で排出されるごみは日本国内で処分していました。しかし、今はプラスチックごみを国内で処理しきれずに、マレーシアや台湾、ベトナム、タイなど海外に処理を頼っているのです。自分たちで出したごみを外国に頼っています。プラスチックごみを受け入れている国でも処理能力を超えてしまうと野積みにされたままになってしまい、太陽光にさらされて劣化し、メタンガスやエチレンガスを放出して温暖化が加速する原因になります。ちなみにメタンガスの温室効果はCO2の約25倍になるため無視はできません。自分が使ったプラスチックごみを自分たちで処理できればいいのですが、経済的なこと等もあってこれが叶わないのが悩ましいところ。みんなで考えなくてはならない大問題です。

処理能力を超えて放置されてしまったプラスチックが劣化し、マイクロプラスチックといわれる小さな欠片になって海洋に流れて行きます。プラスチックそのものに毒性はないものの、海洋に流れ込むことによって小さな魚や貝が食べてしまい、その体内に入ると成長が遅れてしまいます。小さな魚や貝などの成長が遅れることにより、それらを食べる大きな魚の成長にも影響を及ぼして海の食物連鎖が狂ってしまい、悪循環に陥ることにより魚が捕れなくなってしまいます。今、私達は豊かな生活をしているがために後始末をせず、後世のことについては考えていませんでした。しかし、これからは大変重たい未来への宿題として解決方法を見つけなくてはなりません。

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スライドに「飽食の悪魔」と書いてあるとおり、食品ロスの問題です。世界では食品ロスとして1年間に食料の1/3に当たる13億トン、日本では年間612万トンを廃棄しています。写真には賞味期限が切れているパンや日にちが経って堅くなってしまったパン他、規格外の野菜などが捨てられているところが写っています。日本人は美意識が高く、綺麗にパッケージされた食べ物がコンビニなどで何時でも何処でも手に入るため、日にちが経ち賞味期限を考えるゆえに売れ残っってしまったものを、全て食品ロスとして捨てしまいます。これが怖いことですね。

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最近は和牛のブームで、もちろん皆さんもお好きなことと思います。しかし、牛を育てて1㎏の肉を作るのに穀物が20㎏、水が1万5千ℓ(1ℓのペットボトルで1万5千本分)が必要になります。たった1㎏の牛肉を作るのに穀物20㎏と水がペットボトル1万5千本分ですよ。それでは800㎏の成牛を育てるのにどれくらいの穀物と水が必要になるのか。穀物が16トンで水は25mプールに換算して23杯分になります。1頭の牛を育てるのにこんなにも多くの穀物と水が必要になるのです。大変なことですよね。

牛を育てて1㎏の肉を食べるより20㎏穀物を食べたほうがよほど人類のためになるのではないかと思ったりするわけです。そんなことから最近は大豆で作った「大豆ミート」なども出来てきました。今は生活が豊かなためにこのような贅沢もでき、飽食の悪魔といわれるような現象が起きているのだと思います。元に戻ることは困難ですので質素な食事を勧めるわけではありませんが「食べ物は大切に無駄なく食べる」「食品ロスをなくする」これが大事だと思います。

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私たちの生活が豊かになるということは、地球環境の犠牲の上に成り立っていることが分かりました。ペットボトルなどプラスチック類の存在は生活するのに大変便利ですが、実はその処分が大問題になっています。食品ロスのことも考えなくてはいけない大問題で、私に出来ることは「スーパーなどで購入する時には包装容器になるべくプラスチック類の少ないものを選ぶこと」「購入する商品はなるべく賞味期限切れの近いものを優先し、お店や製造元が廃棄しないで済むようにすること」と考えました。賞味期限切れの近いものは、お財布にも優しくなりそうですね。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第8回は3月10日(木)に、「頼朝と義経(栄光と確執)」と題し、笑楽日塾塾生が解説してくださいました。笑楽日塾のオンライン公開講座は今回で全て終了しましたが、最終回の模様は蕨ケーブルビジョン㈱のウインクパラダイスで4月8日~4月14日まで1日2回(10時~、及び20時~)放送されます。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれませんのでご承知おきください。

なお、笑楽日塾の活動は下記ホームページに記載されていますのでご参照ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

加速する温暖化(2/5)

加速する温暖化の2回目で、今回は「何が問題なのか」「なんでこんなことになってしまったのか」様々な事例を見ながらお話しくださいます。(前回のリンクを貼る)

≪何が問題なのか≫

生物学的なことではなく現象面でご説明いたします。今地球の気温が上昇して温暖化が進むことによって一番怖いと思っているのが、グリーンランドやシベリアの「永久凍土が解ける」ことです。

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永久凍土の中には前の時代(温暖化だった頃)に生えていた植物が氷の中に閉じ込められ、その植物が水分と圧力によって腐敗して発生したメタンガスも一緒に閉じ込められています。また、永久凍土の中には温暖だった時代に生息していた動物の死体なども凍結して閉じ込められています。

写真の左下にもありますように、永久凍土が解けてしまったため「モリウイルス」という新種のウイルスが発見されてもいます。太古の時代に生きていたモリウイルスが永久凍土が解けたことによって表に出て来たわけです。このモリウイルスが生物の細胞に入ると12時間で約1000倍に増殖するため、コロナの感染が問題になっている現在に加えて、新たなパンデミックの可能性も考えなくてはなりません。コロナウイルス騒動もその原因は永久凍土が解けたことによる可能性も考えられなくはありません。

もう一つはシベリアの永久凍土の中に埋まっていたメタンガスが大気中に放出されているという事象があります。メタンガスの温暖化効果はCO2の25倍位あるといわれており、大量に大気中に放出されてしまうと、いくらCO2を抑えてもメタンガスによって更に温暖化の危機に陥ることになります。

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昨年はオーストラリアの山火事がニュースで取り上げられましたが、場所が遠いのと日本はあまり山火事はないのでピンと来ないかもしれません。2020年を例にとると世界で起きている森林火災による焼失面積は日本の国土の1.7倍になります。森林が燃えるということはそこに住んでいる多くの動物が犠牲になるので、オーストラリアでは相当数のカンガルーやコアラなどが犠牲になったといわれています。

一昨年(2020年)にはシベリアで森林火災が発生して北海道の面積の2.3倍が燃えています。

2021年8月7日、昨年ですね。ギリシャで12万ヘクタールの森が焼失したといわれています。これは山火事ですが、その原因は47.1度の熱波によるものといわれ大変怖い話です。47.1度は人間の体温をはるかに超えており、通常の生活はできないのではないかと思います。

地球上のあちこちで山火事が起きています。山火事というのは単に燃えるだけではなくCO2を発生するほか、本来であればCO2を吸収してくれるはずの樹木を含めた植物が燃えてしまい、その分の吸収がなくなってしまうというような悪循環に陥ってしまいます。このようなことがさらに大規模になると、もっと恐ろしいことが起きるんではないかと心配になってしまいます。

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日本も他人事ではありませんが世界各国では豪雨が続出しており、南半球のブラジルでは先日大洪水がありました。たまにインドネシアジャカルタニュージーランドでも洪水が起こっています。気温が1度上がると大気中の湿度が7%増え、その分雲ができやすくなるため雨が降りやすくなります。皆さん最近は台風が昔より少なくなったと感じておられないでしょうか、実は温暖化が進むと台風の数は減少するといわれています。

なぜ台風が少なくなるのかをご説明します。海水面の温度と大気の上の方の温度に差が出来ることによって上昇気流が起こり、その上昇気流が渦を巻いて台風になります。しかし、温暖化により海水面と上空の大気に温度差がなくなってしまうと、上昇気流が起きないため台風が出来にくくなり、数が減るということです。ところが一旦台風が出来てしまうと巨大台風に変貌するといわれています。最近は日本列島をすっぽりと覆うような台風も出来るようになっていて、異常気象といわれる日が多くなっています。今年の冬は日本海側で大雪が降っています。奇しくも今日(2月10日)は蕨でも雪が降っていますが、私的にはこれも異常気象なんだろうなと思っています。冬は日本海側で海水面が暖かくなると水蒸気が上り、本土の日本海側にまで運ばれて雪になって降ります。夏であれば雨になるわけですが冬の場合は雪になって降ってきます。海水面が暖かくなるという事を単純に考えると、雨だけではなく雪の量も多くなってしまいます。

≪何故こんなことになってしまったのか≫

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先ほどホットハウスとかアイスハウスのお話をしましたが、地球は驚くほどの回復力を持っています。本来ですと森林や海洋など地球全体で吸収できるCO2の量は年間60億トンといわれています。しかし、今はそれをはるかに上まわる量のCO2を排出しています。また、森林が人間の手によって伐採され、面積が少なくなり、地球の回復力が次第に弱まっているということも問題になっています。

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このような中でホットハウス・アース理論というものをロックストローム博士が提唱しました。この考えが全世界で取り入れ、今のCOP26とかの場で「カーボンニュートラルの世界を作っていこう」という事になりました。博士が「気温上昇が産業革命から1.5度を超えた時に温暖化の進行が後戻りできなくなってしまいますよ。」「そんな中でもなんとか1.5度を超えないようにしていかないといけません。」と提唱されたことによります。

また、これを放置しておくと2100年には4度も上昇してしまいます。その結果どういうことになるかというと、あちこちで35度以上の猛暑日が続くようになり普通の生活が出来なくなってしまうのです。ここまで来てしまうとどうなるのか私も想像できませんが、いくら「あの時代は良かったよね」といってももう後戻りできません。これを何とか今のうちに食い止めなくてはならない、と博士は言われています。

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シベリアの永久凍土が解け、その中から「モリウイルス」という新種のウイルスが発見された。まだ、新型コロナウイルス問題も解決していないのに、次のウイルスの恐怖に怯えなくてはいけない。怖い話ですね。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第8回は3月10日(木)に、「頼朝と義経(栄光と確執)」と題し、笑楽日塾塾生が解説してくださいました。笑楽日塾のオンライン公開講座は今回で全て終了しましたが、最終回の模様は蕨ケーブルビジョン㈱のウインクパラダイスで4月8日~4月14日まで1日2回(10時~、及び20時~)放送されます。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれませんのでご承知おきください。

なお、笑楽日塾の活動は下記ホームページに記載されていますのでご参照ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

加速する温暖化(1/5)

2022年2月10日(木)20時より、笑楽日塾 オンライン公開講座 PartⅡ第7回「加速する温暖化」が開催されました。講師には蕨市内にお住いの岩田好廣さんをお迎えし「今地球に何が起きているのか」、普段私たちが何気なく生活しているなかで「自分が出来る対策は何か」について解説してくださいました。今回は公演内容を5回に分けて水曜日と土曜日に投稿しますのでご期待ください。

≪荒井塾長挨拶≫

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皆さん今晩は。笑楽日塾の荒井貞夫でございます。

今夜はオンライン公開講座にご参加いただき誠にありがとうございます。公開講座開催にあたり一言ご挨拶申し上げます。

私は1月27日に「新型コロナウイルスワクチン」3回目の接種を受けてきましたが、その後2週間以上経ったものの全く安心できない日々が続いています。

今の世の中は暗い話が多いわけですが、そんな中にも何か少しでも明るいことはないものかと探してみると、個人的なことですが一つ見つけましたのでご紹介します。私は12月9日の当オンライン講座で「新幹線電車発祥の地はどこですか」というお話をしました。これを蕨ケーブルビジョン㈱がウインクパラダイスという1時間番組で1月14日~20日まで1週間放送してくださいました。私が毎日通っているスポーツクラブで時々お会いする方がロッカールームで「夕べテレビを見たよ。良かったよ。」と、声をかけてくださいました。

偶然そこにおられたシニアの紳士が「何のことなんですか」と聞いてこられたのでご説明したら、翌日に早速「テレビ見たよ。良かったよ。」といっていただきました。このことを笑楽日塾の全塾生宛にメールを送信したところ、塾生の1人から「その方は市内の小学校で放課後子ども教室の実行委員長をされている方だよ」と教えてくださいました。教えてくれた方も別の小学校で放課後子ども教室の実行委員長をしておられ、お二人は蕨市の小学校で放課後子ども教室が始まった2007年から、学校関連の会議で良くお会いしているということでした。

オンライン公開講座のテレビを通じて出会いがあり、オンラインの仲間が一人増えたという嬉しいお話でした。

さて、今夜はオンライン公開講座PartⅡの7回目でございます。このオンライン公開講座は私たちが知っているようでいて、実は知らなかった扉を開けて「皆様が参加してよかった」と言っていただけることを願い、PartⅡ第7回公開講座開会の挨拶と致します。

今夜は「加速する温暖化」と題しまして、市内在住の岩田好廣さんが今地球に何が起きているのか、地球を変えてしまった原因は何か、その対策をしなかった時の最悪のシナリオとは何か、普段私たちが何気なく生活している中で、自分で出来る対策のヒントを解説してくださいます。私たちが知らない世界はまだまだあります。岩田好廣さんよろしくお願いします。

岩田好廣様講演

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岩田好廣です。私は本講座の講師としては2回目の出演で、前回は昨年の11月11日に箸のお話「日本人だから知っておきたい箸のマナー」をさせていただきました。その後に皆様からいろいろなご意見をお聞きしましたので、気付いたところをブラッシュアップしているところでございます。

先ほど塾長からご紹介がありましたように今日は前回と打って変わり、「加速する温暖化」というテーマでお話をさせていただきますのでよろしくお願いします。

地球の温暖化というニュースはNHK等のメディアでも取り上げられており、皆様もご存じのことと思いますが、この解決策を模索することが社会的にも大きな課題になっています。しかし、コロナウイルスのように「直ぐに自分自身に関係するものではないな」「身近な問題ではないな」と感じられる方も多いことと思います。直感的に自分が感じられるものではないため、短いスパンではなく長期のスパンで見ていかないと、やはり他人事になってしまうのかなと思っています。

加速する温暖化

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加速する温暖化は今すぐ我々に影響するものではないのですが「子や孫の世代が幸せに暮らせるためには我々が何を残していけるんだろう」。このようなことに関して一緒に考えていきたいと思います。

今日は加速する温暖化ということで大変複雑で難しい問題ですが、出来るだけ分かり易くお話しさせていただきます。

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加速する温暖化には三つの形態があります。①「今、地球上で何が起きているのか」温暖化・温暖化と姦しいが実際にはどうなっているのか。②「地球を変えてしまったもの」とは具体的には何か。③では「何が起きているのか、今後どうなるのか」ということをまとめてお話いたします。

今日のお話は、皆さんご存じのSDGs17の目標の中から左の図に示した通り5つの目標に関係することになります。SDGs17の目標や今日のお話に関係する5つの目標とはどのようなものなのかをご紹介していますのでご確認ください。

≪今、地球上で何が起きているのか≫

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地球が出来上がってからの約5億年のスパンで見てみますと、5億年前の地球は大変熱い星でした。その後次第に冷え始めますがこの間をホットハウスといい、冷えた地球全体が氷に覆われている間をアイスハウスといいます。5億年前からホットハウスとアイスハウスを交互に繰り返していることで、熱い地球とものすごく寒い地球を繰り返してきたことになるのです。そのような中でにわかには信じられないかもしれませんが、今の地球は熱い星ではなく氷河期の中の間氷期になります。この図で見ますと6550万年前の地球は暖かかったことが分かりますし、コメントとして「この時には恐竜が絶滅した」と書かれています。その後地球は氷河期を迎え、今は間氷期といわれる状況になっています。

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もう少し小さいスパンをグラフで見ると、地球は10万年毎に氷河期と間氷期が定期的に繰り返されていることが分かります。氷河期や間氷期があることによって海水の量が増減するため、海面の高さが上下します。この現象は地球のサイクルとして太古の時代から延々と繰り返されているのです。

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このような現象がなぜ起きるのかということの説明に、ミランコビッチが「地球の公転軌道の離心率の周期的変化、自転軸の傾きの周期的変化、自転軸の歳差運動という3つの要因により、日射量が変動する周期である。」と証明しており、これをミランコビッチ・サイクルといいます。

写真の左側のように地球は太陽を中心に回っていますが、実は真円ではなく楕円で回っているのです。地球の公転軌道は木星の重力に影響されるため楕円に変形され太陽から遠くなったり近くなったりしています。太陽との距離が近い時には太陽光のエネルギー量が多くなって暖かくなり、遠くなるとエネルギー量が少なくなるため寒くなります。このようなサイクルで地球は公転しているのです。

もう一つは写真の中央のように地球の自転です。コマの回転を想像していただくと分かりますが、コマの軸は垂直に立っているのに対し、地球の軸は平均で22.1度から24.5度位の間で首を振っている状態になります。この角度が小さくなって垂直に近くなると寒くなり、軸が斜めになって傾く角度が大きくなると暖かくなります。地球はこのようなサイクルで回っています。

写真の右側はコマの首振り運動で、地球が首を振ることによって太陽の光の入り方が変わってきます。

この3つが複雑な動きをするため間氷期と氷河期が10万年毎に起きていて、昔から続いている地球のサイクルになっています。

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それでは今はどうなっているのか。地球の平均気温は1億5千万年前から徐々に暖かくなり、1万年前からは間氷期に入るためその後は気温に変化がない状況が続き、計算上では産業革命の頃から氷河期に移るはずでした。ところが皆様ご存じのように、産業革命のときにワットが蒸気機関を発明し酸素を燃やしたため、二酸化炭素の量が僅かではあるものの40ppm程増えてしまい、氷河期どころか逆に産業革命以後150年の間に地球の平均気温は1.2度上昇してしまいました。

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この1.2度は自然に上昇したものではなく人間の活動によ って起こったもので、この問題を真鍋淑郎博士が解明してノーベル物理学賞の受賞に至りました。博士はなぜ地球が温暖化したのかを、地球の体温を計る理論で提唱して受賞されています。それではこの1.2度上昇が何で問題なのか。一般的には「僅か1.2度じゃないか」と考えがちですが、人間の場合体温が1度上がるとだるくなりますよね。私は平熱が低い方なので体温が1度上がると「だるい」「なんとなく調子が悪い」となり、そんなときにはおとなしくしています。地球も同じように1度変わることによって自然の中でいろいろな現象が起きてきます。

この150年の間に急激に1.2度上がったのが問題であって、1万年とかの長いスパンで上昇したのであれば1.2度上がったとしても、動物などの生物は適応しながら進化できるのであまり問題にはなりません。ところが急激に変わることによって生物がそこに適応できなくなってしまった場合に大きな問題となります。

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地球の温暖化が加速しているというお話でした。本来であれば今の地球は暑い星ではなく氷河期の中の間氷期に当たるそうです。しかし、現実は産業革命以後の150年間に地球の平均気温は1.2度上昇してしまってとか。何か方策はないものでしょうか。次回は「何が問題なのか」についてです。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第8回は3月10日(木)に、「頼朝と義経(栄光と確執)」と題し、笑楽日塾塾生が解説してくださいました。笑楽日塾のオンライン公開講座は今回で全て終了しましたが、最終回の模様は蕨ケーブルビジョン㈱のウインクパラダイスで4月8日~4月14日まで1日2回(10時~、及び20時~)放送されます。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれませんのでご承知おきください。

なお、笑楽日塾の活動は下記ホームページに記載されていますのでご参照ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

蕨市内の公園と河津桜探訪記(2/2)

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前回は市内でも比較的南側の4か所をご紹介しました。引き続き「蕨市内の公園と河津桜探訪記(2/2)」で、MAPの⑤~⑧をお送りします。埼玉県蕨市の春をご堪能ください。

河津桜(カワヅザクラ)は、ソメイヨシノに比べて早い時期に開花する早咲きの種で、名前の由来は静岡県河津町で見つかったため。カンヒザクラ系と早咲きのオオシマザクラ系の自然交配種によると考えられている。ソメイヨシノに比べ花が大きく、色も濃いピンク色で華やかな色になる。ソメイヨシノは「一瞬にして咲き」「惜しげもなくぱっと散る」ため、潔さを美徳とする日本人の心に溶け込んだもの。河津桜は開花の時期が早く、咲いている期間も長いため早くから長く愛されるのが特徴。早く咲く年には1月初旬から咲き始めたり、遅い年には2月中旬になることもあるため開花の予想が立てにくい花とのこと。

MAP⑤蕨ゴルフクラブ

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ここは公園ではありませんが、蕨駅から徒歩約10分位の所にあるゴルフ練習場 です。ここの駐車場には枝振りも立派な河津桜が1本あり、ゴルフの練習に来られる方のみならず、隣接するスーパーマーケットの買い物客にも目を楽しませてくれます。この日には既に緑色の葉っぱがちらほらと。

MAP⑥西仲公園:

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MAP⑤の側に位置しており、ソメイヨシノの大木が林立していますのでお花見が楽しめる公園です。ここには河津桜が1本あり、木はまだ小さいものの蕨の河津桜の中でも早めに咲き始めます。この日には既に緑色の葉っぱがちらほらと見えていましたので、この辺りは蕨に中でも少し早く咲くようです。

MAP⑦個人宅:

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ここも写真⑤と⑥の近くで河津桜は4本位ありますが、個人宅の敷地内ですので道路から見 ることになります。この辺り⑤⑥⑦は河津桜の密集するゾーンになっています。

MAP蕨市民公園:

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番外編になります。ここに河津桜はありませんが、早先の種類で「おかめ桜」があります。1947年に父親をカンヒザクラ、母親をマメザクラとしてイギリスで誕生し、日本に逆輸入したもの。今から70数年前に生まれた比較的新しい桜の品種で、名前の由来は日本で古くに美人の代名詞として使われていた「おかめ」をイメージしているとか。おかめ桜は京都府出町柳の長徳寺山門で咲いているものが有名で、京都で一番早く咲く桜のため観光客に大人気だそうです。蕨市民公園のおかめ桜も長徳寺山門くらいのサイズに成長するのを楽しみにしています。

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蕨市民公園は町中にある公園としては珍しく、バーベキューが出来る公園です(要予約)。工夫を凝らした人工の小川と池のほか、遊び場もある蕨市最大の公園で、多目的広場は芝生が生え、その周りには多様な遊具や、ランニングコースなども。公園の管理事務所には毛布や担架、非常用トイレ、飲料水や食料品なども備えられて、防災公園としての役目も担っています。また、多目的広場の周りにはソメイヨシノが沢山植えられているため、春には大勢の花見客が集まります。しかし、コロナウイルスの感染拡大が始まってからは桜祭りも開催できず、今年を含めて残念な春が続いています。

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改修工事を行っていた大型複合遊具も令和3年10月16日(土)に完成し、子供連れのお父さんやお母さんで賑わっています。

蕨市平和都市宣言(昭和60年9月)を記念し、平和之母子像(作:岩田 健)を市民公園に建立。この宣言により、戦争を知らない世代に戦争の恐ろしさを語り継ぎ、地球より重い生命を守っていくことを誓っています。

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 今回は河津桜に焦点を合わせてご紹介しましたが、河津桜の次はソメイヨシノの出番です。蕨市民公園や南町桜並木遊歩道には桜の数も沢山あり、毎年華やかな雄姿を見せてくれます。

蕨には小さな公園が沢山あり、その多くには桜(ソメイヨシノ)が咲いています。公園の他にも多くの神社や寺院の境内でも愛でることが出来ます。散歩しながら沢山のお花見スポットを通ることが出来ますので、お勧めいたします。これからの時期は散歩が楽しいですね。

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次回3月30日(水)からは「加速する温暖化」と題し、市内在住の岩田好廣さんが今地球に何が起きているのか、地球を変えてしまった原因は何か、その対策をしなかった時の最悪のシナリオとは何か、普段私たちが何気なく生活している中で、自分で出来る対策のヒントを解説してくださいます。私たちが知らない世界はまだまだあります。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第8回は3月10日(木)に、「頼朝と義経(栄光と確執)」と題し、笑楽日塾塾生が解説してくださいました。笑楽日塾のオンライン公開講座は今回で全て終了しましたが、最終回の模様は蕨ケーブルビジョン㈱のウインクパラダイスで4月8日~4月14日まで1日2回(10時~、及び20時~)放送されます。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれませんのでご承知おきください。

なお、笑楽日塾の活動は下記ホームページに記載されていますのでご参照ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

蕨市内の公園と河津桜探訪記(1/2)

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今年も桜の花が華やかになるシーズンを迎えました。3月16日(水)に市内を散策して早咲きの桜、「河津桜」の開花状態を調べてきましたのでご紹介します。なお、蕨の開花時期は伊豆の河津町ほどは早くないものの、市内の桜の中では早い方でソメイヨシノよりも早くから花が咲き、春の訪れを実感させてくれます。花弁の色はソメイヨシノの淡いピンクに比べるともっと濃く、明るいピンク色。満開の期間は約1週間から10日間と比較的長く、可憐な花が人々を楽しませてくれます。早く咲くために木の本数は少なくても目立った存在になります。

河津桜早咲きのオオシマザクラ系とカンヒザクラ系が自然交配されたものと推定され、今からおよそ60年前に見つかった比較的新しい品種だとか。花言葉は「思いを託します」「淡泊」「純潔」「優れた美人」「精神美」だそうですが、私には良く分かりません。

コンパクトシティ蕨市内には大小合わせて40ヶ所以上の街区公園が点在しており、それぞれに個性を持たせた特徴のある公園になっています。河津桜の咲く公園は、私が見つけた限り5ヶ所あったものの、小さな公園ゆえにそれぞれ1~2本が限。公園以外にも2ヶ所ありました。

MAP①ふるさと土橋公園:

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この公園は私も所属する笑楽日塾の塾生新井邦夫さんが代表を務める「ふるさと土橋公園を育てる会」の皆さんが、行政から維持管理を依頼されていて毎週土曜日に清掃や草むしり、花壇作り等に勤しんでいます。住宅街の中の公園としては比較的広い作りで、中央は広場になっているため近所の幼稚園児の遊び場にもなっています。夏には木陰で水遊びもできるじゃぶじゃぶ池があり、親子連れの憩いの場でもあります。ここはい つ行っても綺麗に整備されている公園で、朝のラジオ体操には近所の方が50人位集まるとか。この公園には河津桜が2本あります。

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なお、このふるさと土橋公園には黄緑色の花を咲かせる珍しい桜「御衣黄(ぎょいこう)」が2本あります。咲き始めの花弁は緑色ですが、徐々に黄色に変化してやがては中心部が赤くなるとか。ソメイヨシノの後に開花し、派手さはないものの八重の大輪がどっしりと落ち着いた感じ。花言葉は「永遠の愛」「優美」「心の平安」「精神美」。

MAP②ねむの木公園:

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河津桜は1本のみですが、公園の中心には名前の由来になった「ねむの木」が1本あり、冬には中央の高木に華やかなデコレーションが飾られます。ここはご近所にお住いの方々が自主的に手入れをされている公園で、夏には周囲に植えられている沢山のあじさいの花が咲き、中には珍しい品種のものもあるそうです。また、ここには立派な大木の枝垂れ桜がありますが、私が見た時にはまだ堅い蕾がちらほらでした。これから先が楽しみです。

MAP③あけぼの公園:

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この公園も河津桜は1本で、広い土のグラウンドが印象的でした。竣工記念碑には 「南部地区第一西町土地区画整理事業」の文字が見えます。裏面の事業概要には、施工面積166,280平方米、移転戸数289戸。と書かれていますので、詳細は分かりませんがかなりの大事業だったものと思われます。

MAP④三和公園:

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昭和12年(1937年)蕨町(現蕨市)に隣接する、北足立郡戸田村(現戸田市)が3年 後に開催予定の東京オリンピックのボート会場に決定し、そのボートコース開削で出る大量の土砂を蕨の湿地まで運び埋め立てました。この埋め立て地は日本で最初に建設された大規模住宅団地となり、各区画にはそれぞれ植物の名がつけられた公園が作られて今日まで残っています。

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園内にある記念碑は、地域の有志が街の歴史を後世に残そうと「三和町を語り継ぐ会」を結成して建てられたもの。碑の側には河津桜が1本確認でき、看板には「2009年に蕨市市制施行50周年記念で植樹された」と書かれています。この公園の地下には「非常用飲料水貯水槽」が埋められているとか。

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今回蕨の河津桜を紹介するにあたって、花の咲き具合を確認するため 3月5日(土)に下見をして回りました。この時の花の様子はまだ蕾、または1~2部咲程度でしたが11日後の3月16日(水)に写真を撮り歩いたときにはほとんどが満開。または散り初めで最高の見頃だったかもしれません。歩き回った8カ所のうち前半の4ヶ所をご紹介しましたので、次回3月26日(土)には後半の4ヶ所をご覧いただきます。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第8回は3月10日(木)に、「頼朝と義経(栄光と確執)」と題し、笑楽日塾塾生が解説してくださいました。笑楽日塾のオンライン公開講座は今回で全て終了しましたが、最終回の模様は蕨ケーブルビジョン㈱のウインクパラダイスで4月8日~4月14日まで1日2回(10時~、及び20時~)放送されます。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれませんのでご承知おきください。

なお、笑楽日塾の活動は下記ホームページに記載されていますのでご参照ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

手漉き和紙の里探訪記(6/6)

5回に渡り手漉き和紙に関する様々な角度からの解説をしていただきました。古くは中国から渡ってきた歴史や日本人の知恵で改良してできた良質な和紙。日本全国に広がった和紙の里。今回は皆さんからの質問にお答えしていただきました。

≪Q&A≫

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Q1:貴重なお話をありがとうございました。大変勉強になりました。トロロアオイとかノリウツギとか のあまり聞き慣れない材料が出てきました。私が子供の頃には紙を使ったいろいろな製品が生活の中に沢山あって、和傘を差して学校に通ったものです。お聞きしたいことは、町会のお祭りなどに使う提灯に貼る紙もやはり和紙なのでしょうか。

A1:全部和紙です。和紙に油を染み込ませたものです。

Q2:川口・戸田・蕨でも紙を漉いていたとお聞きしました。横曽根和紙という名前は初めて知りましたが、なぜ有名にならなかったのでしょうか。

A2:お答えします。落し紙を漉いていたのであまり格好の良いものとは思わなかったのでしょう。

Q3:でも生活必需品ですので残念ですね。

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A3:昔この辺りも綺麗な水が流れる毛長川があって、良い紙が漉けたのですが残念です。

Q4:手漉き和紙には「溜め漉き」と「流し漉き」というものがあるとお聞きしました。お話の中で「溜め漉きから流し漉きに改良された」とありましたが、今はもう溜め漉きは行っていないんでしょうか。あるいは紙の大きさによって使い分けているのでしょうか。

A4:私が277ヶ所回った和紙の里は全部流し漉きでした。紙漉きが中国から渡ってきた時には溜め漉きでしたが、これでは駄目だということで流し漉きにして中国に逆輸出しました。

Q5:それは紙の質というよりも量産が出来たということでしょうか。

A5:その逆で紙質の問題でした。流し漉きの方が良質な紙が漉けます。

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Q6:紙幣も和紙を使っているとお聞きしましたが、今でも材料に楮や三椏を使っているのでしょうか。

A6:楮は使っていませんが、三椏はずーっと継続して使っています。大蔵省も三椏を栽培して使っていましたが、今では生産量が減ったため輸入にも頼っています。

Q7:強度があってお札には非常にいい材料といえるんですね。

A7:強度の他にも、ねりにトロロアオイとかノリウツギを使っているため、虫に食われ難いということがあります。ねりに蒟蒻のりを使ったらすぐに虫食いだらけになって、お札がボロボロになってしまいます。

Q8:先ほど凧の博物館を紹介していただきました。私も凧を時々作りますが、雁皮紙がミニ凧に丁度良い感じでした。雁皮紙の用途は他にどんなものがあるのか教えてください。

A8:雁皮紙はのりを虫に食われにくいものにして、公式文書などに使われていました。例えば昔の幕府や朝廷などが命令をする時の文書に使っていました。三椏ではもったいないからで、三椏は専らお札用でした。

「手漉き和紙の里探訪記」6回シリーズも今回で終了しました。自然が豊かで綺麗な水が豊富に流れる日本の原風景「手漉き和紙の里」これからも子孫のために末永く残したいものです。

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2019年6月9日の朝日新聞デジタルに『伝統的な手すき和紙づくりの存続が危機を迎えている。生産に不可欠なトロロアオイを栽培する茨城県小美玉市の農家5戸が、来年で作付けをやめる方針を決めたからだ。この5戸で全国生産の7、8割を占めており、和紙生産者には大打撃になりかねない。』とのこと。生産者の高齢化と収入面で割に合わないのが問題のようです。

また活版印刷研究所のWEB MAGAZINE京都大学図書館保存のブログには『トロロアオイ日本一の栽培地が茨城県小美玉市で収穫量全体の5割ほど、残り3割が埼玉県小川町、2割が長野県で、一大栽培地が生産をやめるとなると、これは一大事。』とも。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第8回は3月10日(木)に、「頼朝と義経(栄光と確執)」と題し、笑楽日塾塾生が解説してくださいました。笑楽日塾のオンライン公開講座は今回で全て終了しましたが、最終回の模様は蕨ケーブルビジョン㈱のウインクパラダイスで4月8日~4月14日まで1日2回(10時~、及び20時~)放送されます。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれませんのでご承知おきください。

なお、笑楽日塾の活動は下記ホームページに記載されていますのでご参照ください。(リンクを貼る)

 

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手漉き和紙の里探訪記(5/6)

前回に引き続き≪話題の紙里・和紙≫の後半をご紹介します。

≪話題の紙里・和紙≫後半

㉘宮崎県日向市の美々津和紙の製品で、様々な物が作られています。

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三重県松坂市深野は「深野和紙」が漉かれており、和傘にも使われています。また、深野は美しい日本の原風景「棚田」の景観や、高級牛肉の「松坂牛」発祥の地としても知られています。

㉚北海道の幌加内には手漉き和紙工房があります。ここの原料は楮とか三椏とかではなく、千草を使っています。

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㉛これは茨城県結城市にあります大桑神社で、紙の神様が四国の方から海沿いに銚子まで来て上陸し、この結城に社を建立しました。その後さらに、この地から関東や東北方面に和紙を広めていったという神社でございます。

㉜ この綺麗な絵は「美濃和紙の里」美濃市で行われている「美濃和紙あかりアート展」で、

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㉝この行灯には全て美濃和紙が使われています。

㉞これは日本橋にある「凧の博物館」の入場券と日本全国縁起凧を紹介したものです。

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㉟この凧は全て和紙で作られていますが、凧は和紙でないと紙が破れて直ぐに落ちてしまうからです。

㊱鹿児島県志布志市有明町志布志和紙(伊崎田和紙)の工房で、小学校の紙漉き体験も行われています。

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㊲面白いものに「軍道紙」があります。これは名前からして軍隊を想像させますが、実は全く関係ありません。では、何で「軍道」なのか、ここは東京都の奥多摩にある軍道という地名なのです。私もこの名前は軍隊から来ているものかと思っていましたが、実は違っていました。この軍道で手漉き和紙を漉いているから「軍道紙」と呼ばれているのです。

㊳三重の伊勢和紙は伊勢和紙会館(大豊和紙工業㈱)。

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㊴インクジェットプリンタ対応の手漉き和紙やお守りが作られています。

㊵四国の土佐で、はりまや橋の側に紙漉き場があり、これを土佐和紙と称し鳴子踊りの笠などにもこの和紙が使われています。

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富山県は置き薬で昔から有名ですが、おまけとして配られていた紙風船ももちろん和紙で出来ていました。

京都の手漉き和紙の里、丹後で漉かれる丹後和紙は長い歴史を持つ。㊷京丹後の大国主命因幡の白うさぎ。

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福島県いわき市の遠野和紙です。この卒業証書は小学生などが体験授業で和紙を漉きに来て、自分で漉いた和紙で卒業証書を作ってもらいます。伝統を維持するためにこのような運動を行っています。

㊹我々はこっちの方が良いですよね、いかにも美味しそうなラベルですよね。和紙はお酒の他にも味噌とか醤油のラベルにも使われていました。

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㊺先ほどもお話ししましたが、伊勢の深野から日本橋に出てきた小津和紙会館です。製品の展示会が行われているのに加え、手漉き和紙の体験をさせてもらえます。

㊻こちらは小川和紙で、埼玉県の小川町の入り口にあり、この奥に手漉き和紙の工房があります。

本日のお話は以上になります。ご清聴ありがとうございました。

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「手漉き和紙の里探訪記」6回シリーズの5回目をご紹介しました。日本では全国様々な所で和紙が作られていると知り興味が湧いてきましたので、まずは牛乳パックで葉書を作るところから始めてみましょうか。その前に我が家の障子を張り替えなくてはならないような。

次回は第6回で、Q&Aを紹介します。

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2月10日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第7回「地球温暖化とは何か」は、『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』のウインクパラダイスで、明日3月17日(木)まで1日2回(10時~、及び20時~)放送中です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第8回は3月10日(木)に、「頼朝と義経(栄光と確執)」と題し、笑楽日塾塾生が解説してくださいました。笑楽日塾のオンライン公開講座は今回で全て終了しましたが、最終回の模様は蕨ケーブルビジョン㈱のウインクパラダイスで4月8日~4月14日まで1日2回(10時~、及び20時~)放送されます。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれませんのでご承知おきください。

なお、笑楽日塾の活動は下記ホームページに記載されていますのでご参照ください。

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手漉き和紙の里探訪記(4/6)

手漉き和紙の里探訪記の4回目です。前回は全国の和紙の里を訪ねたお話をしてくださいました。今回は全国の和紙の里や工房・製品の紹介をしてくださいますが、少し長くなりますので、今回と次回の2回に分けて≪話題の紙里・和紙≫の前半をお送りします。

≪話題の紙里・和紙≫前半

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駿河柚野紙:白糸の滝⑯の近くには三椏の木と一緒に「三椏栽培記念碑」⑰という碑が建っています。この辺りは富士山の雪解け水が溶岩流の地下水となって湧出している所で、綺麗な水で三椏の栽培が行われています。幕末の頃に江戸へ運ばれた和紙は駿河半紙といわれていましたが、現在は駿河柚野紙として富士山が見える柴川町の紙漉き農家で漉かれています。綺麗な川の側には三椏を育てている栽培小屋⑱もあります。紙漉きには無縁だった方が埼玉県の小川他、全国の和紙の里で修行して開いたもので、2001年(平成13年)10月天皇、皇后両陛下が静岡県行幸の時に訪れてこの柚野紙をお買い上げになられています。

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信州松崎紙:農具川は東山低山帯仁科3湖(青木湖・中綱湖・木崎湖)を源として、北アルプスの清流高瀬川に合流します。松崎和紙は農具川を流れる良質な雪解け水と地場の豊富な原料を使い、一般農家などの冬期間の副業として紙すきの技術が伝承され発達しました。ここの水は鉄分が多くて紙が黒っぽくなるといいます。しかい、現在では日用品やインテリア用品として加工し、気軽に使っていただけるいろいろな和紙製品を作っています。都内のデパートなどで展示即売会等を行っている有名な紙で、拙著「和紙の里探訪記」の表紙⑲にも使っています。

白石和紙:宮城県白石市で漉かれる和紙で蔵王紙とも呼ばれ、紙布(しふ)、紙子(かみこ)の名産地として知られています。また、昭和18年終戦の2年前に遠藤忠雄さん(故人)を宮内庁の職員が訪れて、重要記録用紙50枚の注文を受けたとのこと。縦1m、横63cmの2号という厚紙の和紙でした。では何に使うのか、昭和20年8月15日の日本敗戦で終戦となり、同年9月2日東京湾に於いて戦艦ミズリー号の甲板で、日本敗戦調印式が行われました。日本の代表は重光外相と梅津参謀総長、相手は米軍のマッカーサー元帥で、この時の降伏文書用紙が白石和紙だといわれています。「何処にそんな証拠があるのだ!」といわれた時に「証拠は自分だ!」と答えたとか。確かに伝聞証拠ではありますが、漉いて納めた本人がいるから調印できたのです。その本人曰く「日本側の署名は筆字だから楮紙でも良いが、相手はサインに万円筆を使うので、楮で漉いた和紙では滲んで駄目になってしまう。そのたために雁皮紙にした。」とのこと。

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この話、筆者は信じるがどうしても解明したければ降伏文書を出してきて、C14年代測定(放射性炭素年代測定(ほうしゃせいたんそねんだいそくてい))をすれば、紙質も明らかになるはず。⑳白石和紙工房の全景です。

㉑先ほど紹介しましたが、信州松崎和紙工房の天井には原料をたくさん吊るしてあります。

㉒こちらは白石和紙の原料で楮の皮が山積されています。

㉓奈良の「お水取り」用の法衣(紙衣)で、白石和紙の紙布で作られています。保温に富み暖かい衣服です。

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㉔凧も和紙が良いですね。

信州の安曇野は天蚕の盛んな地で、桑の皮で漉いた逸品「有明和紙」があります。㉕は安曇野の天蚕を説明したもので、野放しになっている蚕が食べている木の皮を使って漉いたのが安曇野有明和紙です。

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また、安曇野戦災孤児を救うための共同生活を描いてヒットした、NHKのラジオドラマ「鐘の鳴る丘」の舞台となり、全国的に有名になったとんがり帽子の時計台があります。私も夕方になるとラジオにかじりついていましたが、このとんがり帽子の歌をご存じの方は私と同年代位になられるのでしょうか。また、特産品のワサビも有名ですね。

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㉖沖縄には芭蕉紙や月桃紙(げっとうし)などの「琉球紙」も良い紙です。那覇には飲むこともできる綺麗な湧水があり、ここで育った植物「月桃」の皮で漉いた和紙が月桃紙です。

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㉗前回お話ししました埼玉県川口市にある横曽根神社です。この横曽根神社には落し紙の資料が残っていますが、この神社で漉いていたわけではなく、周辺の川口、戸田、蕨の農家で漉いていました。

 

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「手漉き和紙の里探訪記」6回シリーズの4回目をご紹介しました。『天蚕(ヤママユガ)は「繊維のダイヤモンド」または「繊維の女王」と呼ばれ貴重な繊維を作る。ヤマコとも呼ばれて野山に生息し、クタギやコナラなどの葉を食べる日本の固有種で白いカイコ虫』。養蚕は知っていましたが、天蚕は初めて知りました。次回は≪話題の紙里・和紙≫の後半です。

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2月10日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第7回「地球温暖化とは何か」は、『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』のウインクパラダイスで、3月17日(木)まで1日2回(10時~、及び20時~)放送中です。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第8回は3月10日(木)に、「頼朝と義経(栄光と確執)」と題し、笑楽日塾塾生が解説してくださいました。笑楽日塾のオンライン公開講座は今回で全て終了しましたが、最終回の模様は蕨ケーブルビジョン㈱のウインクパラダイスで4月8日~4月14日まで1日2回(10時~、及び20時~)放送されます。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれませんのでご承知おきください。

なお、笑楽日塾の活動は下記ホームページに記載されていますのでご参照ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

手漉き和紙の里探訪記(3/6)

手漉き和紙の里探訪記の3回目です。前回は製紙の歴史や古文書の保存等を紹介していただきました。今回はいよいよ全国の和紙の里を訪ねたお話をしてくださいます。

≪自称、手漉き和紙の応援団に≫

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紙里を巡るうちに危機的な状況を目の当たりにすることになり、自称「手漉き和紙の応援団」になりました。気が付くと2年半かけて全国の紙里を訪ね回り、約300か所、8万1千㎞の旅で、一緒に旅した相棒のクラウンを1台乗り潰してしまいました。ちなみに、伊能忠敬は17年間で4万㎞でした。

日常生活からは姿を消しつつある手漉き和紙ですが、絶えてしまうと他の伝統工芸品や美術品・伝統芸能が全て絶えてしまう危機にあることが分かり、その重大さに気付かされました。

なぜ手漉き和紙が必要なのか。手漉き和紙は古美術や古文書の修復に使われるため、その古美術・古文書が作られた当時の紙質に合わせて漉いた和紙が必要だからからです。修復する美術品等の和紙が楮で漉かれていたら、修復に使う和紙も楮で漉いたもの、三椏なら三椏の和紙でなければなりません。

日本だけではなく世界各地の美術品、絵画等の修復にも使われており、パリやロンドン・ニューヨーク他、世界各国の美術館から日本に手漉き和紙の注文が入ります。市販の紙では紙質が違うため修復できないからです。

また手漉き和紙は、地図や絵画・古文書の修復の他にも、歌舞伎の舞台衣装や舞妓さんの扇等々にも必要で、日本の伝統を支える縁の下の力持ちのような存在なのです。

≪今後の手漉き和紙の里を思う≫ここからは写真を中心にご説明します。

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⑧三椏の花が咲いているところです。

⑨三椏の皮を剥いで溶かして1枚ずつじゃぶじゃぶと手で漉いています。

⑩楮の皮を剥いで溶かしているところで、やがてドロドロに溶けます。

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⑪溶けたら舟(水槽)に入れて1枚ずつ漉いていきます。舟の大きさは畳何畳分にもなる大きなものもあります。

⑫漉いた紙は干さなくてはなりません。1枚ずつ板に貼って太陽の光で乾かします(天日干し)。機械は使いません。

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⑬ 三椏を栽培しているところです。

⑭製品群です。

⑮三椏の花です。昔は三椏木の皮を剝がして漉いた紙「三椏紙」で藩札を作りました。今でもお札には三椏が使われています。

≪今後の手漉き和紙の里を思う≫

そもそも手漉き和紙の多くは、農家の副業として発展し、明治時代には約6万戸を超える「漉き屋」があったとされています。しかし、時代と共に機械漉きが多くなり、環境の悪化、収入の低さ、需要の減少等経済状況の変化と後継者難も加わり、どんどん数を減らしました。今の後継者は60代なら若方だといわれているほどです。

このままでは2050年には絶えてしまう恐れがあるともいわれているため、私はもっと手漉き和紙の伝統継承に国を挙げて取り組むべきだと考えます。伝統技術の継承問題に直面しているのは、全国の地方自治体でしょうから、まずは手漉き和紙の盛んな場所を優先して支援してみてはどうだろうかと思った次第です。

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紙里の多くは自然が豊かで綺麗な川が流れる場所に存在しています。地球の環境が破壊されつつありますので、自然災害の多くなった昨今を考えた対策として、2~3県でまとまり若者が修行できる場所を設け、漉き屋を開業の支援をするのもありでしょう。

また、原料の楮・三椏・雁皮など生産地の衰退も大問題なのに加え、森林破壊の進む昨今は綺麗な水を守ることも大切です。少子高齢化、過疎化、河川・地下水の汚染、温暖化による気候の変化、自然災害多発、黄砂の飛来、原料不足、道具と職人不足等、取り巻く環境は年々厳しさを増しています。しかし、その本質は需要の減退であるため、収入減による後継者が絶えることが危惧されています。何故後継者が育たないのか、後に続く者が出ないのか、理由は簡単で、若者たちが将来像を描きにくく食べていけないからなのです。

≪木簡・竹簡から読み解ける、籌木(ちゅうぎ=排泄の際に尻の汚れを掻き落とす棒)から落し紙に移行≫

日本は古来より大便の始末に苦労してきた歴史がありますが、遺跡の発掘と年代測定の発展によりこれらの問題も徐々に解明されつつあります。籌木の時代も水洗トイレはありました。水洗トイレといっても屋敷の外を流れる小川などの水を敷地内に引き込み、跨(また)いで用を足すトイレを設置したのです。籌木でかき落し、汚物は水に流れて再び屋敷の外に出します。これはまた立派な水洗トイレといえましょう。その他、身分の高い人は城内や屋敷内にオマルを設置し、消臭や消音のために工夫して杉の葉等を敷いていました。

手漉き和紙が出来てもしばらくの間は高級な紙を落し紙として使うわけにもいかず、相変わらず籌木を使っていました。しかし、江戸時代になると浅草から下町方面にかけて再生紙(浅草紙)が作られるようになり、使い古した和紙を良く洗い筆字等を落し、揉み解してから再度手漉き和紙を作る。これでリサイクルした落し紙が使われるようになったのです。

紙里なら他に沢山あったのに、なぜ浅草方面だったのか。それは川の水が綺麗で豊富だったことに加え下町で人口が多く、吉原等の繁華街も近くにあり需要が多くあったことによります。

また、再生紙は落し紙として需要が高まり、浅草から先の豊島方面、即ち武蔵国へと伝播しました。現在の埼玉県川口市戸田市蕨市で漉かれ、横曽根和紙とも呼ばれました(横曽根神社の古文書より)。

なお万葉集によると、蕗(ふき)の葉が多く使われたため、拭くという言葉になったようです。

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「手漉き和紙の里探訪記」6回シリーズ3回目をご紹介しました。和紙の材料や漉き方、後継者難、籌木から落し紙への変遷など知らない事ばかり。浅草紙を少し調べてみましたら浅草紙は、浅草寺の少し北にある山谷堀に架けられていた「紙洗橋」付近で盛んに漉かれていたとのこと。しかし、今は堀も埋められ、信号の標識にその名残が残るのみ。再生した紙は墨が綺麗に取り除かれないため鼠色で、漉き方も雑で安価販売されたため庶民の間で鼻紙や落とし紙として使われたそうです。

次回は第4回で、全国の和紙工房や製品の紹介です。

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現在笑楽日塾では皆様がご自宅から参加できるオンライン公開講座(無料)『あなたの知らなかった世界への扉を開いてみませんか』を開催しています。今までとは違った世界へ興味をお持ちの方は是非ご参加ください。

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また、2月10日(木)に開催されたオンライン公開講座Part-Ⅱの第7回「地球温暖化とは何か」は、『蕨ケーブルビジョン㈱Wink』のウインクパラダイスで、3月11日(金)~3月17日(木)まで1日2回(10時~、及び20時~)放送します。しかし、残念ながら蕨市内の方しかご覧になれません。市外の方でオンライン公開講座受講をご希望の方は次のID番号でご参加ください。Zoomの参加ID番号は 817 2214 7316 です。

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オンライン公開講座Part-Ⅱの第8回は3月10日(木)20時より、「頼朝と義経(栄光と確執)」と題し、笑楽日塾塾生が解説してくださいます。今、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」では描ききれない世界、奥州から頼朝の下へ85騎で駆け付ける義経が、蕨のお隣川口で軍勢を整えたという話からスタートいたします。私たちの知らない世界はまだまだありますのでご期待ください。

なお、オンライン公開講座のご案内は下記『笑楽日塾』のホームページに記載されていますのでご一読ください。

本ブログの内容は、著者の個人的見解も多く含まれており、著者の所属する笑楽日塾の意見、方針を100%示すものではありません。

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